FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:携帯電話料金引き下げ発表を嫌気

前日のNYダウ241ドル高の続伸にも携帯電話料金引き下げを発表したNTTドコモが収益悪化懸念に11%超下落しKDDIやソフトバンクも大幅安となり携帯大手3社で日経平均を180円近く押し下げ日東電など業績下方修正した銘柄も売られた。結局、前日比232円安の2万1687円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:日経平均の株価下落でドルの上値重い展開

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅が一時200円を超えたことが嫌気され、一時112.72円まで下落した。しかし、下値では米金利の先行観からドルを買い戻す動きも見られ、下げは一服した。その後は、日経平均株価の下げ渋りや上海総合株価指数の続伸を眺め112.90円前後まで切り返した。午後は株価を睨みながら112.80円台を中心とした狭いレンジで取引された。明日の米10月雇用統計や6日の米中間選挙などのイベントを控え、様子見ムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.1345ドル前後で終始小動きの展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米中貿易摩擦の影響がじわりと中国経済に

中国の企業景況感は2つ存在し、財新PMIには米中貿易摩擦の影響が表面化する一方、政府版のPMIは比較的堅調に推移してきた。しかし、10月のPMIは製造業・非製造業ともに大きく低下しており、先行きの外需に加え、内需の鈍化に身構える動きも出ている。国慶節の連休に伴う一時的要因を加味する必要はあるが、製造業・非製造業共に雇用調整圧力が掛かり、生産に加え、家計消費などへの悪影響も懸念される。人民元相場は早晩心理的節目となる1ドル=7元を上回る可能性があり、これに伴う市場環境悪化は想定しないが、当局が有効策を打ち出せるかが注目される。

 

英中銀金融政策委員会(MPS)及び要人発言に注目

金融政策の据え置きが予想されている英国中銀金融政策委員会(MPC)後のカーニーBOE総裁の会見、及び英国のEUからの離脱(ブレグジット)に関する要人発言に注目が集まっている。ブレグジットに関しては、ラーブ英EU離脱担当相が『離脱を巡る交渉は11月21日までに合意すると期待』、ハント英外務相が『ブレグジット交渉が11月21日までに進展し決着することは十分可能』と述べたものの、英ブレグジット担当局スポークスマンが『交渉の結論を出す日付は設定されていない』とのべており、本日も要人発言が注目される。また、カーニーBOE総裁の会見では、ブレグジットの日程と利上げ時期との関連性への言及には警戒が必要となる。

 

イタリアがロシアに接近:新たな火種になる可能性も

イタリアのコンテ伊首相は先週ロシアを訪問し、プーチン露大統領と会談をした。11月13日までに伊予算の修正案を提出しなければならない状況で訪露をしたわけだが、今回の訪露はイタリアのロシアへの接近を現している。 もともと伊ポピュリズト政権発足後のコンテ首相による所信表明演説で『地政学リスクで、近年外交上の役目を確固としているロシアに新政府は門戸を開く役目を担う』と発言していた。また2014年から欧州連合(EU)がロシアに課している制裁を解除するべきだともしている。プーチン大統領も制裁によりイタリアとロシアの貿易は半分になり、イタリアの食品生産者は約10億ユーロのコスト増にもつながっていると述べ、伊政権にロシアとの接近を促しています。コンテ首相はじめイタリア政府は予算案を変えるつもりはないとしているが、このまま伊政権が予算案を変えずEUもそれを了承しない場合は、伊政権はロシアという新たなパートナーと手を組む可能性もある。イタリアのユーロ離脱を含め欧州は新たな危機を迎えるかもしれない。

 

米国市場では10月ISM製造業景況指数が公表

9月実績は59.8で8月実績の61.3を下回った。新規受注指数は61.8で8月の65.1から低下した。受注残指数は55.7で8月の57.5を下回った。10月については、新規受注、仕入れ価格、受注残の3指数が9月実績をやや下回る可能性があることから、景況指数は9月実績をやや下回る可能性がある。

 

欧米イベント

○15:45   10月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲7)
○16:00   10月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.2%)
○17:15   10月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%)
○17:30   10月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:58.5)
○18:30   10月英製造業PMI(予想:53.0)
○20:30   10月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.75%で据え置き、資産買取プログラムは4350億ポンドで維持)
○21:00   MPC議事要旨
○21:00   英中銀イングランド銀行(BOE)、四半期ごとの物価報告(インフレリポート)
○21:30   カーニーBOE総裁、記者会見
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:21万3000件)
○21:30   7-9月期米非農業部門労働生産性・速報値(予想:前期比2.2%)
○21:30   7-9月期米単位労働コスト・速報値(予想:前期比年率1.0%)
○22:45   10月米製造業PMI改定値(予想:55.8)
○23:00   9月米建設支出(予想:前月比0.1%)
○23:00   10月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:59.0)
○2日03:00   10月ブラジル貿易収支(予想:68億4900万ドルの黒字)
○2日05:30   アップル第4四半期(7-9月期)決算
○ポーランド(万聖節)、休場

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