FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:日銀の政策正常化観測が相場の重しに

日銀の早期の政策正常化観測が引き続き投資家心理の重しとなったほか、年初からの急ピッチな上昇に対する過熱感を解消する動きもみられた。心理的節目の3万6000円を下回る場面はあったが、売り一巡後は下値を払う展開となった。市場では、日銀が3月か4月に引き締め方向の政策修正に動くとの観測があり、日経平均の上値は当面抑えられやすいとの声があった。結局、前営業日比で9円高の3万6236億円と3日ぶりに反発して終了した。東証が25日発表した1月3週(15~19日)の投資部門別株式売買動向(東証・名証の合計)によると、海外投資家(外国人)は3841億円の買い越しとなり、買い越しは3週連続。個人投資家は1854億円の売り越しとなり、売り越しは6週連続。信託銀行は1915億円の売り越しとなり、売り越しは2週連続になった。

 

東京外国為替市場:米長期金利の変動にドルが振れる展開

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、一時147.85円付近まで上昇した。米長期金利が上昇して始まったことも、ドル買いにつながった。ただ、日銀が早朝に金融政策の正常化へ向かうとの観測が強まっているため、上値を追う動きは限られた。その後は、米長期金利低下を眺めたドル売りで147.60円付近へ押し戻された。午後は、前日に発表された米経済指標が好調で、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ観測が後退していることから、海外短期筋などがドル買い・円売りに動き、147.85円付近へじり高となった。日経平均株価の持ち直しで、リスク回避姿勢が和らいだことも円売りを誘った。神田財務官がメディアのインタビューに応じ、「市場は米国の利下げ時期や今後の日銀の金融政策に注目しており、投機に利用される可能性がある」と発言したが、ドル/円相場への影響は限定的だった。ユーロ/ドルは、今晩のECB理事会やラガルド総裁の会見を控えて積極的な売り買いは目立たず、1.0880ドル前後でこう着した。

 

中国株の深刻な低迷、政治問題に:米WSJ

米WSJ紙は、中国株の深刻な低迷、政治問題に、行動を促す政府の要請を受け、政府系企業が買い支えと伝えた。中国株の下落局面が長引き、同国経済に対する疑念に拍車をかけている。中国の有力政治家たちは、株式市場に神経質になっている。当局者は22日の閣僚会議で、市場の安定化と信頼感の回復を促す措置を講じるべきだと指摘した。上海と深センに上場する主要銘柄で構成されるCSI300指数は、2020年以降、相場急落で時価総額の3分の1以上を失い、下落基調は4年目に突入した。中国大手企業の多くが上場する香港のハンセン指数は年初来で10%安と、アジア主要株価指数の中で最もパフォーマンスが低迷している。

 

トルコ中銀の結果公表に注目が集まる

トルコ中銀金融政策委員会(MPC)の結果公表が注目される。市場のコンセンサスは「現行42.50%の主要政策金利を45.00%まで引き上げ」である。見込み通りであれば、8会合連続の利上げとなる。ただ少数派ではあるものの、米ゴールドマン・サックスなどは「前回会合で一連の引き締めサイクル終了」を予想している。一応、そういった見方もあると気にかけておいたほうが良いかもしれない。注目ポイントは、前回声明でも言及した「利上げサイクルの早期終了見通しが高まった」ことについてである。トルコ中銀は、6月からの正常化でインフレ抑制に十分な金利水準に近づいてきたとの見方を昨年末に示した。しかしながらトルコのインフレ率は足もとで64%を超え、公式見解でも5月頃にかけて70%超えまで加速するとされている。インフレ動向を鑑みると、中銀声明で利上げ打ち止めが示唆されても市場が納得しない可能性は高そうである。そうなると、リラ安が対ドルを中心に進んでしまうかもしれない。

 

本日の南ア中銀のMOCは金利据え置きの予想

昨日発表された南アの12月消費者物価指数(CPI)は、市場予想より低く前年比で+5.1%となった。インフレ低下はエネルギー価格が下落したことが主要因である。もっとも、鳥インフルエンザの影響で鶏肉の価格は依然として上昇するなど、食品価格は横ばいとなっているものの、高止まりしているとも言え、南ア国民にとっては厳しいままである。また、2月の南ア国内のエネルギー基準価格が上昇に転じるとの予想があることも、素直にインフレ低下を受け止めにくい状況。なお、南アの2023年通期のインフレ率は6.0%となった。本日は南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)が行われる。市場は8.25%の据え置き予想になっている。先週、クガニャゴSARB総裁は「何らかの政策調整を行うのであれば、インフレ率がアンカーである4.5%まで低下したことを確認する必要があるだろう」と発言するなど、利下げにはまだまだ日が要することもあり、本日は無風に終わるのではとの予想である。

 

メキシコの治安不安感は10年ぶり最低水準に低下

2023年11月末から12月に実施された国民安全世論調査(ENSU)によると、居住都市の治安を不安と感じるメキシコ人の割合は59.1%と、過去10年で最低水準となった。ロペスオブラドール大統領はこの結果を「非常に良い」と評価し、市民の治安に対する認識は過去10年で最低水準にあり、「物事が改善していると人々が感じるようになっている」と述べた。治安が最も悪い都市としてフレスニージョやナウカルパンが挙げられた一方、メキシコシティのベニート・フアレス区やプエルト・バヤルタなどは治安が最も良い都市として評価された。ただ、市民の今後1年の治安予測は悲観的で、治安状況が不変と予測する回答が3割超であり、治安悪化を予測する回答も2割超となった。治安改善を予測する回答は22.7%にとどまっている。以上から、昨年の殺人発生件数は2016年以降で最少となったものの、2割超のメキシコ人が今後の治安悪化を予測しており、治安問題が解決したとは言い難い状況であるといえる。

 

米住宅市場回復の期待感続く:US Dashboard

24日に米抵当銀行協会(MBA)が発表した1月19日までの週の米住宅ローン申請件数を示す総合指数(季節調整済み)は前週比で3.7%増加した。30年物固定の住宅ローン金利(週平均)は6.75%から6.78%へとわずかに上昇し、借り換え指数が前週比で4%減少する一方、新規の購入指数は同8%増加した。MBAは「住宅ローン金利はわずかに上昇したが、購入活動は引き続き上昇傾向にある。一部の購入者が新年入りで積極的だったことが指数の押し上げた」「住宅所有者が現在のような金利水準で借り換えるインセンティブは乏しく、借り換え申請は減少し、低水準にとどまった」と指摘した。

 

米10~12月期GDPが公表:予想は前期比年率1.6%増

2023年10~12月期の米国の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値が発表される。市場予想は前期比年率換算で1.6%増となっている。7~9月期の同4.9%増という高成長からは減速するものの、米経済の堅調さが示される見込み。米アトランタ連邦準備銀行が独自に算出する『GDPナウ』では19日の最終推定値は2.4%増となっており、同水準までは織り込み済みと言えなくもない。19日にミシガン大学が発表した1月の米消費者態度指数(速報値)は78.8と21年7月以来の高水準だったが、23年10~12月期のGDPで個人消費の堅調さが確認されることで、先行きの米経済に対する自身がさらに強固なものとなり得る。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始時期の後ずれや利下げペースの減速l(年内利下げ回数の減少)に対する見方に影響を与えることになる。

 

欧米市場イベント

○16:45   1月仏企業景況感指数(予想:98)
○18:00   1月独Ifo企業景況感指数(予想:86.7)
○18:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:4.50%で据え置き)
○18:30   12月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.3%/前年比4.3%)
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:45.00%に引き上げ)
○21:00   12月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.60%)
○未定   南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:8.25%で据え置き)
○22:15   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:4.50%で据え置き)
○22:30   10-12月期米国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比年率2.0%)
       10-12月期米個人消費(速報値、予想:前期比年率2.5%)
       10-12月期米コアPCE(速報値、予想:前期比年率2.0%)
○22:30   12月米卸売在庫(予想:前月比▲0.2%)
○22:30   12月米耐久財受注額(予想:前月比1.1%/輸送用機器を除く前月比0.2%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:20.0万件/182.8万人)
○22:45   ラガルドECB総裁、定例記者会見
○24:00   12月米新築住宅販売件数(予想:前月比10.0%/64.9万件)
○26日03:00   米財務省、7年債入札

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