★日経平均株価:過熱感がくすぶり利益確定売り優勢に
前日の米国株はまちまちな値動きだったが、過熱感がくすぶり利益確定売りに押された。国内金利が上昇したことも嫌気された。25日移動平均線からのかい離率は足元では5.5%程度で一時に比べ低下したものの、過熱感が意識される5.0%を引き続き上回っている。日銀金融政策決定会合の結果は大方の想定内だったが、総裁会見を経て早期の政策正常化観測が高まって国内金利が上昇しており投資家心理の重しになった。下げ幅は一時400円を超えた。結局、前営業日比291円安の3万6226円と続落して終了した。
★東京外国為替市場:本邦長期金利が上昇すると円が買われる展開
ドル/円は、日銀が早期に金融政策を修正するとの観測から本邦長期金利は上昇した。これを受けて、ドル/円は日米金利差縮小を意識したドル売り・円買いが持ち込まれ、148.00円付近へ下落した。日経平均株価の下げ幅拡大で、リスク回避姿勢が強まったことも円買いを誘った。午後は、本邦長期金利が12月以来の高水準となる0.73%へ上昇すると、さらにドル売り・円買いが進んで一時147.76円付近まで下落した。米長期金利低下も、ドルの押し下げにつながった。ただ、明日発表される10~12月期米実質国内総生産(GDP)速報値を見極めたいとの雰囲気もあり、下げは一服した。その後は、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ観測が後退していることからドル買い・円売りも見られ、値を切り返して147.90円前後で取引された。ユーロ/ドルは、明日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控えた持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが一巡すると、1.0860ドル付近で方向感に欠ける値動きとなった。
★中国の市場安定化策も株価回復には時間がかかる:USB
23日に中国が低迷する株式市場の救済策として、国有企業が中国本土外にもつオフショア口座などから約2兆元を原資とする安定化基金などを検討しており、今週中にも具体策が発表される可能性があると伝わった。USBは24日付リポートで「国歌隊(ナショナルチーム)と呼ばれる政府系資金の参入が即座に市場の反発をもたらすとは限らないものの、2015~2016年の市場売却のエピソードを3~5年の視野で見れば、市場の谷を示すものであった」と指摘。過去を例に、「株価回復のプロセスに時間がかかる可能性がある」との認識を示した。その一方で、中国株価指数は2022年に大幅安となった水準で推移しており、「これまでの強制的な売りと軽くなった投資家のポジション、底に近いバリュエーション(投資尺度)で取引されているのを踏まえると、リスク・リワード(リスク対比の運用収益)はアップサイドに偏っている」とも指摘した。
★トルコ議会ではスウェーデンのNATO加盟を承認
トルコ議会は昨日、スウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟を承認した。この後、エルドアン・トルコ大統領が署名して正式発効となる。スウェーデンのNATO正式加盟に向けて大きな前進であり(残るはハンガリーの批准)、対ロシア抑止力強化にも繋がる。
★南アでは12月CPIが公表され市場は注目
南ア国内では、12月消費者物価指数(CPI)が発表される。市場予想は前年比+5.2%と11月(+5.5%)より伸びが鈍化する見通しである。明日に南ア準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)を控えていることもあり、結果次第では神経質な展開となる恐れもある。
・17:00 12月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比5.2%)
★少なくともインフレ予想は上方修正される:ウルフリサーチ
ウルフ・リサーチは23日付リポートで米株式相場がインフレ鈍化や大幅利下げ、ソフトランディング(軟着陸)を織り込み過去最高値を更新しているのを踏まえ、「私たちの見解は今のところ不評だが、すべてが完璧に起こるというシナリオを信じていない」との見解を示した。コンテナ船の運賃上昇や紅海南部に位置するバブ・エル・マンデブ海峡を通過した荷物量が減少しているのを踏まえ、「インフレをサプライズ的に上昇させる可能性のある触媒」と指摘。地政学的な出来高が商品(コモディティ)価格は輸送コストの上昇、サプライチェーン(供給網)の混乱などを引き起こす可能性に懸念を示しながら、「2月下旬から3月上旬にかけて、インフレ予想が少なくとも緩やかに上方修正され始めると予想される」との見方を示した。
★流動性減少と資金需要拡大で米短期金融市場は3月にも混乱の恐れ
米短期金融市場が、早ければ3月にも「タントラム(かんしゃく)」を起こす可能性があると一部の銀行幹部は感じている。市場の混乱が連邦準備理事会(FRB)に金融緩和を催促する形になるかもしれない。銀行幹部4人への取材によると、3月から5月にかけて金融システム内の流動性を減少させるイベントと、資金需要を増加させるイベントが幾つも控えている。3月11日には、昨年の地銀危機に対応して導入されたFRBの貸出制度が期限を迎える。残高は1290億ドル。銀行にとって魅力的な資金調達源が取り除かれることになる。同時に、米国債が大量に発行され、3月15日には四半期毎の、4月15日には年間の納税期限が訪れる。加えて、5月には取引の決済速度が迅速化されるため、準備が不十分な企業による短期資金需要が増えるかもしれない。これら全ての事は、FRBがバランスシート上の債券を処理して金融システムから流動性を着実に吸収し、パンデミック期の景気支援を引き揚げる中で起こる。
短期市場が突然ひっ迫すれば、金融安定が脅かされかねない。そのため市場の混乱は、FRBに金融緩和を迫るシグナルとなる可能性がある。一部のストラテジストによると、FRBは「量的引き締め(QT)」のペースを緩めるといった対応が考えられる。
★欧米市場イベント
○17:00 12月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比5.2%)
○17:15 1月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:42.5)
○17:15 1月仏サービス部門PMI速報値(予想:46.0)
○17:30 1月独製造業PMI速報値(予想:43.7)
○17:30 1月独サービス部門PMI速報値(予想:49.5)
○18:00 1月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:44.8)
○18:00 1月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:49.0)
○18:30 1月英製造業PMI速報値(予想:46.7)
○18:30 1月英サービス部門PMI速報値(予想:53.2)
○21:00 MBA住宅ローン申請指数
○23:45 カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:5.00%で据え置き)
○23:45 1月米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:47.9)
○23:45 1月米サービス部門PMI速報値(予想:51.0)
○23:45 1月米総合PMI速報値(予想:51.0)
○25日00:30 マックレムBOC総裁、会見
○25日00:30 EIA週間在庫統計
○25日03:00 米財務省、5年債入札
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