FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:高値警戒感から上げ幅縮小

連日でバブル後高値を更新、1990年2月以来の高水準となった。米国株式市場での底堅い動きを好感したほか、日銀の金融緩和策の現状維持観測が支えとなった。市場では、大方の予想通りだったが、万が一を警戒していた向きの買いが入ったとの声が聞かれた。ドル/円がやや円安方向に反応したことも好感された。ただ、一巡後はドル/円が日銀の発表前の水準に戻してきたことで、日経平均も伸び悩んだ。市場では過熱感が高まっている上、午前中にも上昇が見られ、いったん達成感が出たのではないかとの見方が聞かれた。結局、前営業日比29円安の3万6517円と3営業日ぶりに反落して終了した。

 

東京外国為替市場:日銀政策決定会合後にドルの上値重くなる

ドル/円は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら148円台前半で取引された。日銀金融政策決定会合を前に、積極的な売り買いは目立たなかった。昼過ぎに、日銀は22~23日に開いた金融政策決定会合で大規模な金融緩和策を維持することを決定した。政策の金利のフォワードガイダンス(政策指針)も変更はなかった。これを受けて、日米金融政策の違いが改めて意識されたことから、ドル/円はドル買い・円売りが強まり、148.20円台から148.55円付近まで急上昇した。しかし、今回の金融政策の現状維持を市場は織り込んでいたため、次第に利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いに押される展開となり、148円を割り込んで一時147.86円まで下落した。日経平均株価が急速に伸び悩んだこともリスク回避の円買いを誘った。ただ、植田日銀総裁の記者会見の内容を見極めたいとの雰囲気から、下値を追う動きは限られている。ユーロ/ドルは、25日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控えた持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが入り、1.0905ドル付近へ値を上げた。オフショア市場での人民元高・ドル安が波及した面もあった。

 

中国政府が資本市場の安定化を図るため2兆元規模の安定化基金新設も

中国政府は資本市場の安定化を図るため、複数の政策支援ツールを検討しているもようだ。なかには2兆元規模の安定化基金の新設も含まれている。同基金は中国の海外機関の資金を利用し、香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」を通じて、A株市場に資金を投入する。また、政府系投資会社の中国証券金融や中央匯金投資を通じて、A株市場に少なくとも3000億元の国内資金を投入することも検討している。『香港経済日報』が外電を引用して23日伝えた。報道は関係者の話として、ほかのプランも検討されており、最高指導部の承認が得られた場合、早ければ今週にも一部の措置が発表される可能性があると伝えた。ただ、これらの計画は最終的に確定してしないという。報道に対して中国証券監督管理委員会(CSRC)はいまのところコメントをしていない。

 

ファンド清算で中国株売り・日本株買いがピークアウトする可能性も

ブルームバーグ通信は日本時間23日10時前、シンガポールのヘッジファンド、アジア・ジェネシス・アセット・マネジメントがマクロファンドを閉鎖すると報じた。香港・中国株ロングと日経平均のショートのポジションを持っており、1月のドローダウンは18%超に達した。現在はポジションの解消と投資家への資金返還を進めているが、この動きも最近の中国株安・日本株高に寄与していた可能性がありそう。このようなファンド清算の動きが済むと、中国株売り・日本株買いがピークアウトする可能性もある。

 

トルコ初の宇宙飛行士

米フロリダ州のケネディ宇宙センターで先週、スペースX社の宇宙船「クルードラゴン」搭載のロケットが打ち上げに成功した。これは米・宇宙インフラ会社アクシオム・スペースによる3回目の商業有人飛行だった。宇宙船には、トルコ人では初の宇宙飛行士であるゲゼラフチ氏が、他3人のクルーと乗っていた。宇宙船は発射後、36時間の飛行で宇宙ステーションとドッキングされ、その後14日間に渡り様々な実験活動が行われる予定である。民間主導の宇宙ミッションであるが、トルコが2021年に発表した国家宇宙計画の一環でもある。打ち上げが成功して宇宙船が無事軌道に乗ったことを受け、エルドアン大統領はトルコにとって「歴史的な瞬間」だと賞賛。共和国建国100周年を迎え、科学分野での新たな一歩を「トルコの世紀」の幕開けであると強調した。今後、トルコが宇宙開発にどのように関わっていくのかが注目される。

 

大統領選挙イヤーの2月にナスダックが強い経験則:アノマリー分析

22日の米株式市場でNYダウとS&P500指数がそろって史上最高値を更新した。S&P500は月間で1.68%高となり、このままいけば3ヵ月連続の上昇で強気相場が続く見込みだが、大統領選挙のある年の2月相場に関してはナスダック総合指数が強い経験則があるという。相場のアノマリー分析に詳しいトレーダーズ・アルマナックによれば、ナスダック総合指数は1971年以降、大統領選挙イヤーの2月に上昇7回、下落が6回で、平均騰落率はプラス1.8%となっていた。大統領選挙イヤーに限れば、2月は3番目に強い月だという。ラッセル2000指数の平均騰落率もプラス1.2%で、中小型株も比較的強いようだ。

 

米景気の先行指数は予想ほど落ち込まず:US Dashboard

米調査会社コンファレンス・ボードが22日発表した2023年12月の米景気先行指数は前月比0.1%低下と、21カ月連続のマイナスとなったが、11月の0.5%低下から改善した。市場予想の0.3%低下も上回った。同指数は労働、受注、建設許可件数、株価、マネーサプライなど景気に先行して反応するとみられる10項目の指標から算出する。調査担当者は「12月の指数は10ある先行指標のうち6つがプラス寄与した。それにもかかわらず、これらの改善は製造業の弱い状況、高金利環境、消費者信頼感の低下によって相殺された」と指摘した。

 

欧米イベント

○15:30   植田和男日銀総裁、定例記者会見
○24:00   1月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲14.3)
○24:00   1月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲6)
○24日03:00   米財務省、2年債入札

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