FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:中国景気減速懸念を嫌気した売り優勢

自律反発期待の買いに買いが先行したものの、上海総合株価指数の下落に中国景気減速が改めて意識され景気敏感株中心に売りに押される展開となった。結局、前週末比34円安の2万1149円と3日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:日本株下落で上値重い展開

ドル/円は、日経平均株価の上げ幅拡大や本邦実需勢などのドル買い・円売りに支えられ、一時112.04円近辺まで値を上げた。しかし、週末にトランプ米大統領が『日本が市場を開放しない場合、日本車に20%の関税をかける』と発言したこともあり、上値を追う動きは限定的だった。その後は、日経平均株価や上海総合株価指数の続落をながめて持ち高調整などのドル売り・円買いに押され111.78円近辺まで南下した。午後は、短期筋などからショートカバーが持ち込まれ、一時112円台を回復した。しかし、日経平均株価がさえない展開となったことで、111.90円台を中心にもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.1395ドル前後で方向感の欠いた展開が続いた。欧州勢待ちの様相となっている。

 

独連立与党はヘッセン州議会選でも大敗

28日独ヘッセン州議会選挙でメルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)と、国政での連立与党・社会民主党(SPD)が共に大敗した。メルケル首相の4期目の政権の不安定さが浮き彫りになった。CDUのヘッセン州での得票率は過去50年余りで最低に落ち込んだものの、緑の党を加えたCDU主導の州連立政権は、自由民主党(FDP)などを新たに連立に加えるなどして、維持される可能性が高い。ただ、12月にはCDUの党大会が控えており、メルケル首相は党首再選を目指しているとされるが、それに向けて求心力を回復出来ない場合は状況が一段と不安定化する恐れがある。

 

週末発表の米国7-9月期GDPは減速したが個人消費が下支え

米商務省が発表した7-9月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、前期比年率換算で3.5%増だった。4-6月期の4.2%増からは減速したが、減税効果で個人消費が伸びて、2%弱とされる潜在成長率を大きく上回った。ただ、輸出や住宅投資は不振で、貿易戦争の駆け込み需要とみられる在庫増が成長率を押し上げた側面も大きい。GDPの7割を占める個人消費は前期年率換算で4.0%増え、14年10-12月期以来、約4年ぶりの高い伸びとなった。雇用拡大と大型減税で可処分所得が増え、自動車など耐久消費財の消費が6.9%増加した。3.5%の成長率の寄与度でみると、2.7%分は個人消費が貢献した。

 

米国の『為替操作国』認定基準と今後

為替報告書には2つの根拠法、『2015年成立:貿易円滑化・貿易執行法』と『1998年成立:包括通商競争力法』がある。

『為替操作っこ区の認定には3つの基準を満たす必要がある。①対米貿易黒字が200億ドル以上、②経常黒字額の対GDP(国内総生産)比3%超、③過去12ヵ月のネット外貨購入が、継続的に対GDP比で2%超となっている。中国は現在、①の対米貿易黒字しか該当していないため為替操作国とは任的敵内。しかし、為替操作国の枠組みは議会が定めるが、具体的な基準は財務省の裁量で設定できるため、来年4月の為替報告書では、中国を1994年以来となる為替操作国認定に可能性が高まっている。

ムニューシン米財務長官は、為替操作国の定義変更の方法を2つ示唆した。1)『包括通商競争力法』の広範な活用は「貿易円滑化・貿易執行法」に基づく特定の判断基準で正当化されなくても、資本規制、金融政策、物価動向などの基準により「為替操作国」の認定が可能。2)「貿易円滑化・貿易執行法」の判断基準の変更である。

 

欧米イベント

○15:00   9月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比6.83%)
○18:30   9月英消費者信用残高(予想:12億ポンド)
○18:30   9月英マネーサプライM4
○21:30   9月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.4%)
         個人所得(予想:前月比0.4%)
         PCEコアデフレータ(予想:前月比0.1%)
○22:45   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○トルコ(共和国宣言記念日)、休場
○欧州は28日から冬時間に移行済み

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