FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:循環物色の様相も意識され高値追いの展開に

前週末の米国株高を好感する動きが優勢になり、取引時間中のバブル後高値を更新した。買い一巡後は、利益確定売りが上値を抑え伸び悩んだ。米国市場でエヌビディアなどハイテク株高となったことを好感し、国内半導体関連株が総じてしっかり指数を押し上げた。このところ軟調だった不動産株が物色されるなど循環物色の様相も意識された。明日は、日銀の金融政策決定会合の結果発表と総裁会見が予定されており、市場では大きなサプライズは見込まれていない。ただ、春先の政策正常化に向けた地ならし的なメッセージがあるかには目配りが必要との声もある。結局、前営業日比583円高の3万6546円と大幅続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:日本株高でリスク選好の円売りが優勢に

ドル/円は、米長期金利低下を眺めたドル売りに押され、147.75円付近へ下落した。19日に約2カ月ぶりの高値148.80円をつけた反動から、利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いが入りやすい面もあった。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ観測が後退しているため、下値を追う動きは限られた。午後は、明日予定されている日銀金融政策決定会合の結果や植田総裁の定例記者会見を控えてショートカバーが入り、147.70円台から148.10円付近へ値を切り返した。日経平均株価の上げ幅拡大で、リスク選好が高まったことも円売りを誘った。ユーロ/ドルは、1.0900ドル付近で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ドル買い比率は低下で2カ月ぶり低水準:前週のFX概況

QUICKが22日に算出した店頭の外国為替証拠金(FX)5社合計(週間)の建玉状況によると、「ドル/円」取引の総建玉に占めるドル買いの比率は19日時点で48.1%だった。前の週末から4.6ポイント低下し、2023年11月10日以来ほぼ2カ月ぶりの低水準となった。米金利の上昇を背景に円安・ドル高が進んだ場面で、個人投資家は利益確定などの円買い・ドル売りに動いた。前週は米連邦準備理事会(FRB)高官から24年中の大幅利下げ観測をけん制する発言があったほか、米小売売上高など景気の底堅さを示す経済指標の発表が相次いだ。早期の米利下げ観測が後退して米長期金利は4.1%台に上昇。日米金利差の拡大観測から円売り・ドル買いが膨らみ、円は一時1ドル=148円台後半と約2カ月ぶりの安値を付けた。重要な心理的節目の150円も視野に入ってきたため、相場の流れに逆らう「逆張り」戦略をとる傾向の強い個人は円買い・ドル売りに傾きやすくなったとみられる。他の通貨ペアでも円買い・外貨売りが目立った。「豪ドル・円」取引での豪ドル買い比率は前の週末から8.6ポイント低下の46.1%、「ユーロ/円」取引のユーロ買い比率は1.8ポイント低下の35.0%だった。

 

トルコ中銀の25日MPCでの利上げ幅に注目集まる

対ドルでのリラ買い戻しを促すには、インフレを抑えてトルコの実質金利をプラスに近づけることが必要である。そういった意味でも、25日にトルコ中銀が今年初めて開催する金融政策委員会(MPC)は注目される。市場では8会合連続の利上げが見込まれ、予想の引き上げ幅は前回同様の2.5%である。ただし、中銀が12月声明で早期の引き締めサイクル終了を示唆したことで、米ゴールドマン・サックスなどは据え置き予測を早々に出してきた。据え置きは少数派であったとしても、今回で利上げ打ち止めとみる欧米金融機関のアナリストは多い。市場が利上げ幅不十分と受けとめた場合、リラの下値試しが再燃もあり得る。

 

25日の南アのMPCでは政策金利は据え置き予想

南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)でも、政策金利は据え置かれるとの予想がコンセンサスである。先週、クガニャゴSARB総裁は「何らかの政策調整を行うのであれば、インフレ率がアンカーである4.5%まで低下したことを確認する必要があるだろう」と発言している。11月のCPIが+5.5%だったことを考えると、南アの利下げ局面は当面は先になりそうである。なお、SARB前日には12月CPIが発表されることもあり、この結果にもランドは敏感に反応する可能性もある。

 

メキシコが対米貿易相手国として世界首位に

メキシコは昨年の対米貿易相手国として世界首位になることが確実になった。米国勢調査局(USCB)が公表したデータによると、昨年1-11月の対米貿易額は過去最高となる約7400億ドル。これに続くのが2022年に首位だったカナダで、中国は3位に後退した。また、メキシコは対米輸出額でも世界首位に。昨年1-11月の対米輸出額は過去最高の4390億ドルとなり、2022年の同時期から4.8%増加。2位の中国は3931億ドルと2022年比で21.2%の大幅減となっている(3位はカナダの3877億ドル)。メキシコの対米貿易を後押しした要因が、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)やニアショアリング(生産拠点を最終消費地に近いところに移転させる戦略)などの動き。近年では中国もメキシコへの投資を加速させつつあり、対米輸出の生産拠点としてメキシコの重要度は年々高まっている。今回の調査では年齢や所得、支持政党などに関係なく改善が見られ、消費者の間で幅広く楽観が強まっていることが示された。少なくともインフレと同ペースで所得が伸びると予想した家庭は半数余りに上り、全体における割合としては2021年半ば以来最大となった。

 

米消費者マインド大幅改善1年先インフレ期待は3年ぶり低水準=ブルームバーグ

1月の米ミシガン大学消費者調査(速報値)では、マインド指数が大きく上昇し、2021年以来の高水準。市場予想も大幅に上回った。1年先のインフレ期待は3年ぶりの低水準となった。ミシガン大の消費者調査ディレクター、ジョアン・シュー氏は発表文で「経済のさまざまな面に関して消費者が明るい見方を強めている。これは、ソフトランディングに対する確信を強めていることを示唆している」と指摘。また「インフレ期待の改善は、耐久財と自動車の双方の購買環境において価格圧力が緩和しているという認識に支えられている」とし、消費者は米金融当局が年内に利下げを実施するとの見方を強めていると付け加えた。その上で、そうした状況は「近い将来にインフレが加速することはないという認識と整合している」と記した。今回の調査では年齢や所得、支持政党などに関係なく改善が見られ、消費者の間で幅広く楽観が強まっていることが示された。少なくともインフレと同ペースで所得が伸びると予想した家庭は半数余りに上り、全体における割合としては2021年半ば以来最大となった。

 

米国の利下げ観測の修正が進む:US Dashboard

先週は米連邦準備理事会(FRB)高官から、市場の早期利下げ観測をけん制する発言が相次いだ。米景気の底堅さを示す経済指標の発表が続いたことと相まって、市場の利下げ期待の修正が進んでいる。19日の米金利先物の動きから米政策金利を予想する。「Fedウオッチ」によると、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを開始する確率は5割を下回った。2024年中の利下げ回数も0.25%刻みで5回程度へ低下している。FRBは30~31日のFOMCを前にメンバーが金融政策に関する発言を控える「ブラックアウト期間」に入っており、再び市場の利下げ期待が強まる可能性は低い。

 

欧米市場イベント

○17:30   12月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.4%)
○24:00   12月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.3%)

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