FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:過熱感が高く上値の重い展開に

取引時間中のバブル後高値を更新した。米市場での半導体株高を受けて半導体関連株が買われ、指数の押し上げに寄与した。ウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハサウェイが国内商社5社への出資比率を高めているとの米誌報道が刺激となり、商社株も強かった。一方、急ピッチの上昇を受けた過熱感もくすぶり、上げ幅は前引けにかけて縮小した。午後からは、アジア株や米国株先物が軟調な地合いになったことからマイナス圏へ沈んだ。結局、前営業日比141円安の3万5477円と続落して終了した。QUICKが評価損益率を計算した、信用取引で買った株式の含み損益の度合いを示す信用評価損益率は12日申し込み時点でマイナス7.86%と、前の週のマイナス8.2%からマイナス幅が0.34ポイント縮小した。改善は3週連続となった。

 

東京外国為替市場:米FRBの早期利下げ観測の後退からドル買い優勢

ドル/円は、前日にウォラーFRB理事が市場の利下げ期待をけん制したことからドル買い・円売りが先行し、147.50円付近へ上昇した。日経平均株価の大幅高で、リスク選好が高まったことも円売りを誘った。ただ、高値警戒感から上値では利益確定などのドル売り・円買いにつながった。午後は、FRBの早期利下げ観測がやや後退していることで、海外短期筋などがドル買い・円売りに動き、一時147.66円付近までじり高となった。今晩予定されている米経済指標やFRB当局者の発言を前に、持ち高調整のドル買い・円売りも観測された。ただ、日経平均株価がさえない動きとなったことから上値ではドル売り・円買いがみられ、小幅に値を下げて147.60円を挟んだもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.08ドル台後半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコイスタンブール市長選のAKPの候補が決定

2024年前半のトルコ最大のイベントが3月の統一地方選挙であり、その中でも注目が同国最大都市イスタンブールの市長選である。現職市長の野党・共和人民党(CHP)に所属するイマモール氏は、すでに再選に向けて立候補を表明している。エルドアン大統領としては、自身の出身地であるイスタンブールを自らが率いる与党・公正発展党(AKP)に取り戻したいという思いは強い。先週、エルドアン大統領に推されて市長選に出馬する候補者が明らかにされた。元環境都市計画相であるムラト・クルム氏である。5年前の前回選挙でAKPは、大統領の片腕と言われたユルドゥルム元首相を候補として立たせたのにもかかわらず、イマモール氏に敗れている。そのため、今回の市長選に向けてかなり慎重な人選が行われたのではないか。クルムAKP候補は選挙活動を開始する際、都市計画相だった時代に数多くの住宅や公園を建設するなど都市改善の実績を誇示。公約としては、交通渋滞の改善や災害に弱い建物の排除などを掲げている。また同候補は、1年と100日かけて実施するイスタンブール緊急行動計画を近々発表するとも述べた。トルコ経済の中心地であるイスタンブールの市長は、国内外に強い影響力を持つとされている。選挙結果は国内政治のパワーバランスを変えるかもしれず、今後2カ月半、激しい選挙活動が繰り広げられる。

 

南ア中銀は当面現状の政策金利の水準を維持か

世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(通称ダボス会議)の傍らで昨日、テレビのインタビューに応じたクガニャゴ南アフリカ準備銀行(SARB)総裁は「我が国の実質金利は特別に高いわけではなく、インフレ率は低下しており、目標の範囲内だが我々が望む水準には達していない」と述べている。また、「何らかの政策調整を行うのであれば、インフレ率がアンカーである4.5%まで低下したことを確認する必要があるだろう」と発言。価格圧力の原因となっているパンデミックによる供給制約は緩和されたものの、「インフレは依然高水準にある」「最終的にこの問題を克服するには、金利をより長期間にわたって維持する必要があるだろう」とも言及している。多くのエコノミストは今年の後半には利下げを開始するとの予想もあるが、当面SARBは現状の政策金利の水準を維持することになりそうである。

 

トランプ氏がアイオワ州海で圧勝で指名確率上昇:ユーラシア

米主要メディアが15日、11月の米大統領選を戦う共和党の候補者指名争いの初戦となる中西部アイオワ州党員集会でトランプ前大統領が勝利したと報じた。トランプ氏の得票率は50%を超え、フロリダ州のロン・デサンティス知事やニッキー・ヘイリー元国連大使に大差をつけた。ユーラシア・グループは16日付のリポートで、トランプ氏の勝利を受けて同氏の共和党指名獲得確率を85→90%に引き上げた。リポートでは、今回3位にとどまったものの、「ヘイリー氏は大きく上回ることができず、深刻な問題に直面している」と指摘した。ただ、23日のニューハンプシャー州での完全勝利と、2月24日の地元サウスカロライナ州でトランプ氏と接戦に近いパフォーマンスを得られれば、彼女の勢いを味方につけて3月5日のスーパーチューズデーと、2月24日の地元サウスカロライナ州でトランプ氏と接戦に近いパフォーマンスを得られれば、彼女は勢いを味方につけて3月5日のスーパーチューズデーに参加することができるとしつつも、「しかし、トランプ氏の共和党全国世論調査での50ポイントのリードは、克服するには大きすぎる」とみていた。

 

ウォラー氏の発言は最初の利下げは6月というFRBの見解と一致:ノムラ

米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が16日の講演で、市場の予想よりもFRBの利下げが遅い可能性があるとの見解を示した。ノムラ・セキュリティーズは16日付のリポートで、現在の市場の利下げ織り込みが示唆するほどハト派的えはなかったとの見解を示した。リポートでは、ウォラー氏が毎回の会合での利下げでなく、四半期毎の利下げの可能性を示唆したことに着目。過去の緩和サイクルの大半は、成長や金融環境へのネガティブなショックに対応するものだったが、ウォラー氏は、今後の緩和はより段階的で計画的なものになる可能性があると示唆したという。その上でウォラー氏が利下げ開始についてはFRBの射程圏内にあるが、それは米連邦公開市場委員会(FOMC)次第だと述べたことを踏まえ、「我々の味方では、同氏の発言は3月の利下げリスクが残っているものの、最初の利下げが6月に行われる可能性が高いというFRBの見解と一致している」とみていた。

 

3月米利下げ観測は再び後退

いったん持ち直していた金融市場での「米連邦準備理事会(FRB)は3月に利下げ」観測が再び後退した。米金利先物から予測する。「Fed ウオッチ」によると、3月19~20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)語の政策金利が現行(5.25~5.5%)を下回るとの予想の確率は16日(日本時間17日6時)時点で66.9%に低下した。FRBウォラー理事が同日の講演で利下げについて「急がず、慎重に調整する必要がある」と発言したのがきっかけである。年明けに低下した「3月米利下げ」予想の確率は米国の物価鈍化などからこのところ持ち直し、12日時点では8割まで回復していた。16日時点は3月のFOMC後の政策金利が現行を0.25%下回る「5~5.25%」予想が65.2%、0.5%下回る「4.75~5.0%」が1.7%へそれぞれ低下している。

 

NY連銀製造業景況指数は20年5月以来の低水準:US Dashboard

16日に米ニューヨーク連邦準備銀九尾が発表した1月の製造業景況指数はマイナス43.7と市場予想のマイナス6.5に反して2023年12月のマイナス14.5から29.2ポイント悪化した。コロナウイルスが感染拡大した20年5月以来の低水準となった。「新規受注」がマイナス49.4と前月比で38.1ポイント悪化し、20年4月以来の低水準となった。「出荷」もマイナス31.3と前月比で24.9ポイント悪化し、23年8月以来の大幅な落ち込みだった。

 

欧米以上イベント

○16:00   12月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比3.8%)
○16:00   12月英CPIコア指数(予想:前年比4.9%)
○16:00   12月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.4%/前年比5.1%)
○17:30   チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:35   バスレ・スロベニア中銀総裁、講演
○18:15   シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
○18:30   ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○19:00   12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比2.9%)
○19:00   12月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比3.4%)
○20:00   11月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比▲1.1%)
○20:30   ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   11月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比2.1%)
○21:15   クノット・オランダ中銀総裁、講演
○22:30   11月対カナダ証券投資
○22:30   12月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比▲0.7%)
○22:30   12月カナダ原料価格指数(予想:前月比▲1.6%)
○22:30   12月米小売売上高(予想:前月比0.4%/自動車を除く前月比0.2%)
○22:30   12月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.5%)
○23:00   バー米連邦準備理事会(FRB)副議長(銀行監督担当)、講演
○23:00   ボウマンFRB理事、講演
○23:15   12月米鉱工業生産指数(予想:前月比横ばい)
          設備稼働率(予想:78.7%)
○24:00   11月米企業在庫(予想:前月比▲0.1%)
○24:00   1月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:39)
○18日00:15   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○18日03:00   米財務省、20年債入札
○18日03:30   ナーゲル独連銀総裁、講演
○18日04:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○18日05:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演

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