FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:急騰の反動から利益確定売り優勢に

前日まで6連騰していた反動で利益確定売りが優勢となり、プライム市場では7割超が値下がりした。ただ、下値では押し目買いも入り、下落は限定的だった。市場では、買い遅れていた投資家の方が圧倒的に多いとみられ、下がったところでは買いも入りやすいとの声が聞かれた。結局、前営業日比282円安の3万5619円と7営業日ぶりに反落した。

 

東京外国為替市場:米長期金利上昇からドル買いがやや優勢に

ドル/円は、日経平均株価のさえない動きがリスク回避の円買いを誘い、145円台後半から145円台半ばへ水準を切り下げた。しかし、仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、145円台後半へ値を切り返した。その後、米長期金利上昇を眺めたドル買い・円売りが見られ、146.20円まで値を上げた。午後は、日銀が早期に金融政策を修正するとの見方が後退していることで、海外短期筋などがドル買い・円売りに動き、一時146.27円付近までじり高となった。今晩予定されているウォラーFRB理事の講演を前に、持ち高調整のドル買い・円売りも観測された。ただ、11日の海外市場でつけた約1カ月ぶりの高値146.41円が視野入りすると上げは一服している。ユーロ/ドルは、1.0915ドル前後でこう着した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国人民銀行がMLF金利を据え置き:JPモルガン

中国人民銀行(PBOC)が15日、中期貸出制度(MLF)によるオペを行ったが、1年物のMLF金利を2.5%で据え置いた。市場では10bpの利下げを行うとみられていたため、一時的に株安が進む展開になった。JPモルガンは15日付のリポートで、金利据え置きは想定内としながらも、「今回の発表は財政、住宅、産業政策の調整に対する同様の失望とともに、政策対応が全般的に小さすぎて遅すぎる(too little too late)という市場の失望を強める可能性がある」との見解を示した。ただPBOCが二律背反に直面しているため、「今回の決定には驚かない」とも指摘した。

 

ECB利下げは今年を想定するべきではない:オーストリア中銀総裁

長引くインフレがもたらす脅威は、リセッション(景気後退)入りがもはや否定できないとしても、欧州中央銀行(ECB)に今年の利下げを思いとどまらせるだろうと、ECB政策委員会メンバーのホルツマン・オーストリア中銀総裁が述べた。ホルツマン氏は、世界経済フォーラム(WEF)年次総会が行われているスイスのダボスでインタビューに応じ、最近のユーロ圏経済は期待外れであり、2023年10-12月(第4四半期)の決算発表が始まれば、恐らく当局者が楽観的過ぎることが証明されるだろうと語った。また、中東情勢などの地政学的な対立がサプライチェーンやエネルギー市場を混乱させるリスクがあり、物価への圧力をECBは無視することはできないと指摘した。同氏は「イエメンの親イラン武装組織フーシ派による動きで地政学的な脅威が高まったが、これで終わりではないだろうし、より広範な動きにつながる可能性がある」と述べ、「2024年は利下げを全く想定するべきではない」との考えを示した。

 

エルカントルコ中銀総裁はインフレ抑制への決意を表明

先週はエルカン・トルコ中銀総裁が米大手銀行JPモルガン主催のイベントに参加し、約200人の投資家に向けてプレゼンテーションを行った。エルカン総裁はインフレ抑制への決意を表明し、今年はディスインフレの年になると言及した。またトルコは外貨準備高の拡大継続を目指し、そのプロセスは資本流入の加速によって支援されると述べた。一部通信社が国際金融協会のレポートとして報じたところによると、昨年11-12月、外国人投資家はトルコ債券と株式を合計で54億ドル購入した。これは過去5年間で最大とされ、この流れが今後も続くようであれば、米ドル/リラの上昇もさすがに一服する可能性がある。

 

米国は南アをAGOAの対処国に据え置き

南アにとってポジティブなニュースとしては、米国通商代表部(USTR)が発表した2024年のアフリカ成長機会法(AGOA)の対象国リストに、南アをこれまで通り加えたことである。南アがロシアとの結びつきが深いこともあり、民主党と共和党の両議員数名が、同国のAGOA追放を求めていた。USTRの決定を見ると、どうにかこの問題は避けることが出来た。

 

米国の年7回の利下げを織り込むFedウオッチ:US Dashboard

米金利先物の動きから米政策金利を予想する「Fedウオッチ」では3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げを開始し、2024年末までに0.25%刻みで7回の利下げを織り込んでいる。12月のFOMCで示されたメンバーの政策金利見通し(ドットチャート)では24年中に3回の利下げが示されており、両者のかい離は大きい。米連邦準備理事会(FRB)は30~31日のFOMCを前に今週末からメンバーが金融政策に関する発言を控える「ブラックアウト期間」に入る。今週はFRBウィラー理事らFRB高官の講演が予定されており、ハイペースの利下げを見込む市場をけん制するか注目される。

 

欧米市場イベント

○16:00   12月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.1%/前年比3.7%)
○16:00   12月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○16:00   9-11月英失業率(ILO方式、予想:4.2%)
○16:15   ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○19:00   1月独ZEW景況感指数(予想:12.0)
○19:00   1月ユーロ圏ZEW景況感指数
○22:15   12月カナダ住宅着工件数(予想:24.30万件)
○22:30   12月カナダCPI(予想:前月比▲0.3%/前年比3.4%)
○22:30   1月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:▲5.0)
○24:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、議会証言
○17日01:00   ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演

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