FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:出遅れ株への物色から買い優勢に

先週の株高で出遅れていたバリュー株に物色が向かい、取引時間中のバブル後高値をTOPIXとともに更新した。東証が今日、企業改革の要請への対応を開示した企業の一覧を公表する予定となっており、期待が先行したとの見方もある。市場では、テクニカル面から短期的な過熱感が意識される中で「想定外の強さ」との声がある一方、こんところ出遅れていたバリュー株が循環的に物色された形となり「健全な上昇にみえる」との見方もあった。結局、前営業日比324円高の3万5901円と6日続伸して終了した。連日でバブル経済崩壊後の高値を更新した。

 

東京外国為替市場:日本株高からリスク選好の円売りが優勢に

ドル/円は、低下していた米長期金利の持ち直しを眺めたドル買い・円売りが先行、145.23円付近まで上昇した。しかし、12日に発表された12月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回り、米連邦準備制度理事会(FRB)が早ければ3月にも利下げを実施するとの観測から上値ではドル売り・円買いが入り、144.90円台へ下落した。本日は五・十日にあたり、仲値にかけて本邦実需筋の動向が注目されたが、需給に大きな偏りは見られなかった。午後は、日経平均株価の上げ幅拡大がリスク選好のドル買い・円売りを誘い、145.00円付近から一時145.29円付近まで上昇した。ただ、本日はキング牧師の誕生日で米国市場が休場となるため、上値を追う動きは限られた。ユーロ/ドルは、1.0965ドル前後で方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ドル買い比率は上昇:前週のFX概況

QUICKが15日に算出した店頭の外国為替証拠金(FX)5社合計(週間)の建玉状況によると、「ドル/円」取引の総建玉に占めるドル買いの比率は12日時点で52.7%だった。前の週末から3.1ポイント上昇した。前週末に発表された米物価関連指標の下振れを受け、円高・ドル安が進んだ場面で相場の流れに逆らう「逆張り」戦略をとる傾向の強い個人投資家は円売り・ドル買いを増やした。前週は11日に発表された2023年12月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想をやや上回ったことなどを受け、外国為替市場で円相場は一時1ドル=146.41円と約1カ月ぶりの安値をつけた。だが、12日発表の23年12月の米卸売物価指数(PPI)が市場予想に反してゲラkうすると米連邦準備理事会(FRB)による早期の利下げ開始が改めて意識された。円相場が144円台前半まで上昇する局面で、FX勢は円売り・ドル買いに動いた。他の通貨ペアでも円売り・外貨買いが目立った。「豪ドル/円」取引では豪ドル買い比率は前の週末から4.7ポイント高い54.7%となった。「ユーロ/円」取引ではユーロの買い比率が36.8%と同2.4ポイント上昇した。

 

中国外務省、は台湾総統選と絡め米長官に「強烈な不満」表明

中国外務省は、台湾総統選に勝利した与党、民主進歩党(民進党)の頼清徳氏にブリンケン米国務長官が祝意を示したことに対して「強烈な不満と断固とした反対」を表明する声明を出し、猛反発した。中国は民進党や頼氏を独立派と見なしている。

 

ブリンケン米国務長官は、ワシントンで中国共産党中央対外連絡部の劉部長と会談した。米国務省によると、ブリンケン氏は「台湾海峡と南シナ海の平和と安定の維持の重要性を改めて強調した。また、米連邦議会のジョンソン下院議長は、SNSのX(旧ツイッター)で台湾総統選で当選した与党・民主進歩党(民進党)の頼清徳・副総統に祝意を示した。下院の委員長に対し、5月20日に予定する頼氏の新総統の就任式後、代表団を率いて台湾を訪問するよう要請すると明かしている。

 

中国経済は緩慢な回復となる見込みで15日に利下げか

中国は2023年成長率目標である5%前後の達成が、ほぼ確実となったようにみえる。焦点はデフレリスクや住宅危機、長引く信用収縮が今年の成長モメンタム構築に向けた取り組みを損なうかどうかに移っている。17日に発表される中国の国内総生産(GDP)は、23年通年で前年比5.2%増に拡大するもよう。同年10-12月(第4四半期)は前期比ベースで幾分勢いを失ったと予想されている。同時に発表される12月の小売売上高と工業生産はいずれも、前年同月比で増加の見込み。前年は新型コロナウイルス感染拡大を徹底的に封じ込める政策を解除した後で感染が一気に拡大し、水準が低かった。中国人民銀行(中央銀行)はデフレ圧力に対処し、貸し出しを増やすための措置を15日に講じるとみられている。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想によれば、人民銀は中期貸出制度(MLF)の1年物金利を10BP引き下げ、2.4%にすると見込まれている。

 

欧州市場では11月ユーロ圏鉱工業生産が公表:予想は前月比-0.6%

10月の実績は前月比-0.7%だった。10月は機械などの資本財が低迷した。ユーロ経済の停滞を示唆する内調となった。11月については、資本財と中間材の生産がやや持ち直す可能性があるものの、経済活動はやや停滞しており、低い伸びにとどまる見込み。

 

トルコでは金利の大幅上昇が経済成長のブレーキ

先週発表されたトルコ経済指標を振り返ると11月鉱工業生産は前月比-1.4%、同月失業率が9.0%とどちらも前回から悪化。金融政策正常化による金利の大幅上昇が、足もとではトルコ経済成長のブレーキとなっていることが浮き彫りとなっている。加えて、11月経常収支も27億ドル超の赤字と予想より赤字幅が拡大した。前2カ月の黒字合計も上回り、シムシェキ財務相が目指す経常収支改善の道は今後もかなり険しいということが分かる。12月も経済状況が上向くとは考え難く、そうなると通貨リラも買いづらいままである。一方で、6月からシムシェキ財務相が先頭となって進めてきた正統的政策への回帰は、欧米投資家から一定の評価を受けているのは確かである。大手格付け会社ムーディーズは先週末、トルコ経済政策の確実な変化を理由に同国見通しを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げた。トルコ格付け自体はB3と低いままであるが、今後の改善は期待されている。

 

15年ぶりにメキシコが米国の最大貿易相手国へ

昨年1月-11月の貿易収支において、メキシコから米国への輸出額が史上最高の4389億8000万ドルに達し、このままだと2023年通年において、15年ぶりに中国を抜いてメキシコが米国の最大の貿易相手国となる見込みとなった。メキシコから米国への輸出品目には、自動車、自動車部品、コンピューター、石油、農産物などが挙げられるが、メキシコの対米輸出増は自動車、IT製品などの生産拠点移転が追い風となっている。また、米国との貿易戦争の回避を背景に中国からの対メキシコ投資も増えており、これがメキシコの対外輸出を拡大させている主要因となっている。一方で、メキシコへの中国企業の進出を良く思っていないのが米国。メキシコと米国は先月、両国の国家安全保障をより強化するために外国投資審査で協力する合意をしたが、これは中国企業の進出を防ぐ意味があったと言われている。

 

米大統領選で共和候補選びが15日幕開けも記録的寒波で投票率低下懸念

11月の米大統領選に向けた共和党の候補者選びが、15日の中西部アイオワ州党員集会で幕を開ける。各種世論調査でトランプ前大統領の圧倒的優位が伝えられる中、2番手以下の候補がトランプ氏との差をどこまで縮められるかが焦点。記録的寒波による投票率の低下が予想され、結果にも影響する可能性がある。地元紙デモイン・レジスターなどが13日に公表した世論調査結果によると、同州の共和党支持者からの支持率はトランプ氏が48%で独走。ここ数日で勢いを増すヘイリー元国連大使が20%で2位に浮上し、デサンティス・フロリダ州知事が16%で続いた。実業家のラマスワミ氏やハチンソン前アーカンソー州知事は、いずれも1桁台にとどまっている。大統領選の候補者は、伝統的に初戦のアイオワを重視する。勝利せずとも上位に食い込み存在感を示せば、次戦以降へ勢いを得られるからだ。

 

欧米市場イベント

○16:00   12月独卸売物価指数(WPI)
○16:00   12月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.6%/前年比4.3%)
        コア指数(予想:前月比0.4%/前年比2.2%)
○19:00   11月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲0.3%/前年比▲5.9%)
○19:00   11月ユーロ圏貿易収支
○22:30   11月カナダ卸売売上高(予想:前月比0.8%)
○22:30   11月カナダ製造業出荷(予想:前月比1.0%)
○23:15   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議、19日まで)
○米国(キング牧師誕生日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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