FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:海外投機筋の買いが相場をけん引

取引時間中のバブル崩壊後高値を連日で更新した。日本株の再評価に加え、海外投機筋の買いなどの需給要因が相場を支えた。個別では、指数寄与度の高いファーストリテイリングが決算を受けて5%超高となり、日経平均を約214円押し上げた。日経平均株価は5営業日で約2100円上昇しているため、短期的な過熱感を警戒する声は少なくはなかった。結局、前営業日比527円高の3万5577円と5日続伸して終了した。東証が12日に発表した1月第1週(4日~5日)の投資部門別株式売買動向(東証・名証の合計)によると、海外投資家(外国人)は1405億円の買い越しとなり、買い越しは2週ぶりとなった。個人投資家は336億円の売り越しとなり、売り越しは4週連続となった。信託銀行は49億円の買い越しとなり、買い越しは3週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:日本株高と米長期金利上昇からドル底堅い展開に

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、145.40円付近へ上昇した。日経平均株価の大幅高で、リスク選好が高まったことも円売りを誘った。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ観測が根強く、積極的な上値追いは手控えられた。その後、米国市場の3連休を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、145.00円付近へ下落した。午後は、海外短期筋などがドル売り・円買いに動き、一時144.85円付近までじり安となった。ただ、今晩発表される12月米卸売物価指数(PPI)の結果を見極めたいとの雰囲気から下げは一服した。その後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、値を切り返して145.20円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.09ドル台後半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

日銀は2024年度の物価見通しの下方修正を検討へ:一部報道

日銀は2024年度の物価見通しを下方修正する方向で検討しているという。最近の原油価格の下落を踏まえ、消費者物価上昇率(生鮮食品を除く)の見通しについて、昨年10月時点の前年度比2.8%から、2%台半ばへの引き下げを軸に議論するとのこと。

 

中国政府は台湾与党候補は「極めて危険」とけん制

中国で台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室の陳報道官は、台湾総統選・立法委員(国会議員)選を13日に控えるなか、大多数の台湾人民が「正しい選択」をすることを期待すると表明した。また、与党民主進歩党(民進党)の総統候補である頼清徳氏について、中台の衝突を引き起こす「極度の危険性」があると警告している。

 

11月のトルコ経常収支に注目集まる:3ヵ月ぶりの赤字が確実視

本日は欧州序盤に11月トルコ経常収支が発表予定である。観光シーズンが終了し、外貨獲得手段が減るなかで3カ月ぶりの赤字が確実視されている。市場予想が17億ドルの赤字と、結局は前2カ月分の黒字・20億ドルをほぼ取り崩すことになりそうである。シムシェキ財務相が掲げる経常収支の改善への道のりはまだ遠く、リラ売り外貨買いの継続にも繋がってしまう。昨日30リラを超えたドル/リラであるが、トレンドは変わらないとする見方が大勢である。一部メディアが米大手銀行JPモルガンの予想を報じており、2024年末はこれまで1ドル=34リラとしていたところから、36リラまでドル高方向に引き上げた。

 

南アの新政党の行方は

今年は世界中で選挙が行われ、世界70カ国で30億人を超す有権者が投票するとされている。南アでも日程の詳細は決まっていないが、5月に総選挙が行われる。南アではアパルトヘイト廃止後の議会選挙でアフリカ民族会議(ANC)が政権与党を獲得し、その後も同党が与党の座を維持してきた。しかしながら、国民のANC離れは深刻であり、今年の選挙では過半数を初めて割り込むと予想されている。ただし、これまでANCに嫌気して新たに結成された政党の選挙結果は良くない。アパルトヘイト廃止後の20年間の選挙(1999年から2019年)では、議席を確保できた新政党は64政党中わずか14政党だけだった。健闘したのは2004年に50議席を獲得した民主同盟(DA)。元ANCメンバーによって設立された政党も比較的健闘しており、国民会議(COPE)と経済的解放の闘士(EEF)は2009年にそれぞれ30議席、2014年に25議席を得た。もっとも、その後の選挙に勢いをもたらすことができたのはEEFだけだった。今年の選挙でも新たな政党が立ち上がることが確実視されているものの、早期に南アの政局に影響を与えるのは難しそうである。

 

格付け会社S&Pはユーロ圏の弱い成長は格付け下振れリスク

格付け会社S&Pグローバルのディレクター、ヴァルタペトフ氏は、ユーロ圏の経済低迷が長引いた場合、中欧の景気回復の見通しに悪影響を及ぼす可能性があるとした。また、これは最終的に同地域のソブリン格付けに下方圧力をかけかねない重要なリスクだと指摘している。

 

米12月PPIは前年同月比で上昇加速か:US Dashboard

本日12日に12月の米卸売物価指数(PPI)が発表される。市場予想では前年同月比1.4%上昇と、上昇率の前月0.86%から伸びの加速が見込まれている。前月比でも0.2%上昇を見込む。変動の大きいエネルギーと食品を除くコア指数は2.0%上昇と前月から横ばいになる見通し。PPIは企業間で取引される川上の価格動向を示すことから、川下である米消費者物価指数(CPI)の先行指標とされる。11日発表の12月の米CPIは総合指数が前年同月比3.4%上昇、コア指数が3.9%上昇と市場予想のそれぞれ3.2%、3.8%を上回った。家賃や自働車保険などサービス価格の押し上げが主な要因である。米国のインフレが鈍化基調にあるとの市場の見方は変わらないものの、鈍化のペースは見通しづらくなっている。PPIが物価の高止まりを示す内容となるか注目が集まる。

 

欧米市場イベント

○16:00   11月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.2%)
○16:00   11月英鉱工業生産指数(予想:前月比0.3%/前年比0.7%)
○16:00   11月英製造業生産高(予想:前月比0.3%)
○16:00   11月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:157.00億ポンドの赤字/30.00億ポンドの赤字)
○16:00   11月トルコ経常収支(予想:17.0億ドルの赤字)
○16:45   12月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.1%/前年比3.7%)
○16:45   11月仏消費支出(予想:前月比▲0.1%)
○21:00   11月インド鉱工業生産(予想:前年同月比4.0%)
○21:00   12月インド消費者物価指数(CPI、予想:前年比5.87%)
○21:30   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○22:30   12月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.1%/前年比1.3%)
       食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比1.9%)
○24:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○13日01:00   12月ロシアCPI(予想:前月比0.9%)

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