FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国株高や円安を好感した買いが継続

日経平均は連日の取引時間中のバブル崩壊後高値を更新したほか、心理的節目の3万5000円を1990年2月以来、約34年ぶりに回復した。前日の米国株高や為替のドル/円が円安に振れたことが追い風になった。個別では指数寄与度の高い銘柄が日経平均を押し上げたほか、トヨタ自動車などの輸送用機器もしっかりだった。結局、前営業日比608円高の3万5049円と4日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:日本株や米長期金利睨みで145円台半ばでもみ合う展開に

ドル/円は、このところ急ピッチの上昇が続いていたため、利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いに押され、145.30円付近まで下落した。仲値にかけて本邦輸出勢などのドル売り・円買いが通常より多く持ち込まれたことも、ドル/円の下落につながった。その後は、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ観測がやや後退していることからドル買い戻しが入り、145.50円台へ値を切り返した。午後は、海外短期筋などがドル売り・円買いに動き145.55-50円水準から一時145.29円付近まで下落した。ただ、今晩発表される12月米消費者物価指数(CPI)の結果を見極めたいとの雰囲気もあり、下値を追う動きは限られた。その後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、値を戻して145.50円前後でもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.0980ドル前後で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国人民銀はMLF金利を10bpの引き下げか:スタンダードチャータード

中国人民銀行(PBOC)が15日に中期貸出制度(MLF)によるオペを行う予定だ。スタンダードチャータードは11日付のリポートで、MLF金利が10bp引き下げられるだろうと予想した。23年12月に開かれた中央経済工作会議で資金調達コストの削減が求められたほか、12日発表の12月の消費者物価指数(CPI)、卸売物価指数(PPI)が共にマイナスになった可能性があることから、「利下げの条件が整ったと推察される」と見込んだ。MLFの引き下げを受け、実質的な政策金利である最優遇貸出金利(LPR)も10bp引き下げられるだろうとみていた。

 

トルコでは軍事産業が輸出に貢献

トルコの軍事企業『バイカル社』は、ロシアの侵攻に対抗するためウクライナ軍が使用した「バイラクタルTB2」という戦闘型ドローンを生産していることで有名である。また、同社製の攻撃型ドローンでは、「バイラクタルアキンチ」も性能の良さで知られている。そのバイカル社は2023年に17億6000万ドルの防衛製品を輸出し、国内企業のなかでも最大の輸出額を記録した。トルコの防衛産業輸出に限って言えば、前述した2つのドローンが3割以上を占めたと報じられている。トルコ政府は国防産業のさらなる発展を目指しており、産業の持続的成長が極めて重要だと位置付けている。同国の防衛・航空産業の輸出額は昨年、過去最高の55億ドルに達した。トルコメディアによれば、過去10年間でトルコは230種類以上の軍事製品をのべ180カ国以上に輸出した。その中でも主要な商品は、無人航空機、装甲車両、海軍艦艇、弾薬などとされている。さてバイカル社は昨年、エルドアン大統領の湾岸諸国訪問の際にサウジアラビアとの間で、過去最大規模の防衛輸出契約を結んだ。同社のCTOバイラクタル氏は、エルドアン大統領の娘婿である。やはり血縁関係もビジネスの発展には必要なようである。

 

23年10~12月期の2.2%成長を予想:米アトランタ連銀の「GDPナウ」

米アトランタ連邦準備銀行がリアルタイムに米国内総生産(GDP)を予測することを目的に独自に算出・公表する「GDPナウ」では、10日時点の2023年10~12月期GDP成長率は2.2%だった。10月27日の算出開始時は2.3%だったが、11月1日発表の米サプライマネジメント協会(ISM)の製造業景況感指数と米建設支出を受けて1.2%へと大きく低下した。その後は1.2~2.1%と水準を切り下げたまま推移していたが、12月8日の米雇用統計で2.3%へと上昇した。12月19日、20日には米住宅着工件数と米中古住宅販売件数で2.7%と算出期間での最高値をつけた。米景気後退(リセッション入り)懸念は大きく後退し、軟着陸(ソフトランディング)の見通しが広がった。しかし、年末にかけて1.9%へと低下し(12月28日)、年明け後も2.0~2.5%と2%台前半での推移が続いている。

 

米MBAの住宅指数が大幅改善方向:US Dashboard

米抵当銀行協会(MBA)が10日に発表した1月5日までの週の米住宅ローン申請件数は前週比で9.9%増加した。借り換え指数が同19%上昇し、前年同週比で30%上昇した。新規の購入指数も同6%上昇し、前年同週比でも6%上昇した。30年固定の住宅ローン金利は前週の6.76%から6.81%へ上昇した。今回の数値は年末年始の休日を調整したものだが、休日調整前の申請指数でも前週比で45%上昇した。未調整の借り換え指数も前週比53%上昇、前年同週比17%上昇だった。一方、未調整の新規購入指数は前週比で40%上昇したが、前年同週比では16%減少した。MBAは「おそらくホリデーシーズン後の営業活動による相上と年末にかけての金利低下によるものだろう。ここ数週間、住宅ローン金利と申し込み状況は不安定で、全体的な活動は依然として低迷している」と慎重だった。

 

米国はイエメンへの攻撃を含む積極的な措置を取る可能性が高い:ユーラシア

ブリンケン米国務長官が10日、イエメンの親イラン武装組織フーシによる商船攻撃に関して「世界各国の利益に対する明確な脅威だ」とし、「攻撃が続けば報いがある」と断言し、報復を再警告した。ユーロシア・グループは10日付のリポートで、「昨日の紅海海上輸送に対するフーシ派武装勢力の攻撃はこれまで最も洗練されたものであり、米国は今後の攻撃を抑止するためにイエメンへの攻撃を含む積極的な措置を取る可能性が高い」との見解を示した。リポートでは、米国の攻撃は、フーシ派の能力を決定的に排除するのではなく、主に象徴的な役割を果たす可能性が高いとも指摘した。しかし、標的を全土の複数の場所に弾薬を備蓄しているといい、「決定的な攻撃は困難であり、米国の意図よりもエスカレートする可能性がある」という。しかし、標的を絞った攻撃は1月初めに米国が出した「最終警告」に基づいており、フーシ派の価値の高い標的を排除するために使用される可能性があるともみていた。

 

米国市場では12月消費者物価指数コア指数が公表:予想は前年比+3.8%

11月実績は前年比+4.0%だった。コア指数の上昇率は鈍化しつつある。ベース効果による前年比伸び率の押し下げ寄与は失われつつあるが、12月のインフレ率は11月実績を若干下回る見込みになっている。

 

欧米市場イベント

○18:30   ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○21:00   12月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比4.54%)
○21:00   11月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比0.1%)
○22:30   12月米消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比3.2%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比3.8%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.0万件/187.1万人)
○12日02:40   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○12日03:00   米財務省、30年債入札
○12日04:00   12月米月次財政収支(予想:653億ドルの赤字)

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