FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:円安を好感した買い優勢も方向感の出にくい展開

米国株はまちまちで手掛かりに乏しかったが、為替の円安が輸出関連株を中心に支援した。米雇用統計の発表を控え、上値追いは限られた。市場では、日本株は新NISAや企業改革など固有の先行観があり底堅いが、米重要指標の発表を控えて一段高の手掛かりを欠いており、方向感が出にくいとの声が聞かれた。12月の米雇用統計発表を控えて、大引けにかけて徐々に利益確定売りが増えて上げ幅を縮めた。結局、前営業日比89円高の3万3377円で終了した。

 

東京外国為替市場:心理的節目の145円台が意識され上値の重い展開

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、144.75円付近から144.89円付近までドル買いが進行した。仲値発表後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、144円台後半で小動きとなった。午後は、米長期金利がやや上昇すると、ドル買い・円売りが持ち込まれ、一時144.94円付近まで上値を拡大した。ただ、心理的節目の145.00円が意識されるとこれ以上の上値追いは限られた。その後は、今晩予定されている12月米雇用統計や12月米ISM非製造業景気指数の結果を見極めたいとの雰囲気もあり、持ち高調整のドル売り・円買いに押され、144.60円台までじり安に推移した。ユーロ/ドルは、1.0930ドル台を中心とする狭いレンジで推移した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

日銀の去年の国債購入額は過去2番目の高水準

日銀は4日、2023年に市場で買い入れた長期国債が113兆9380億円だったと発表した。過去最大だった16年の119兆2416億円に次ぐ過去2番目の高水準となった。市場で長期金利に上昇圧力がかかる中、大規模な金融緩和策の一環で続けた金利抑制のための買い入れが膨らんだ。国債の大量購入は流通量の減少や、金利水準を決める市場の機能低下を招いている。日銀が機能改善を目的に、22年以降行った政策修正に大きな効果は見られず、引き続き緩和策の副作用への対処が求められそうだ。

 

12月ユーロ圏消費者物価コア指数が公表:予想は前年比+3.5%

11月実績は全体、コア指数の上昇率は鈍化した。サービス部門の伸び率が鈍化しており、12月もこの状況は変わらない見込み。ベース効果による前年比伸び率の押し下げ寄与は失われつつあるが、12月のインフレ率は11月実績を若干下回る可能性がある。

 

トルコの外貨準備高が大幅な減少:為替介入を実施した可能性も

昨日トルコ中銀の週間データをもとに算出されたネット外貨準備高は、29日時点で349.5億ドルとされた。これは前週比で約50億ドル減となる。準備高の大幅な減少は、金融当局がドルリラの上昇を抑えるため為替介入を実施したのかもしれない。仮にそうだとしてもドル/リラのリラ安基調は弱まっておらず、完全に1ドル=30リラが視野に入っている。

 

米税関・CBPはメキシコとの国境の検問所を再開

米税関・国境警備局(CBP)はメキシコとの国境にある検問所を再開すると発表した。CBPは高水準の不法移民流入が収まり人員に余裕ができたとしており、メキシコ外務省も検問所の再開を歓迎する声明を発表している。もっとも、今年は米大統領選挙が控えており、移民対策は大きな争点となることが予想されるため、今後も不法移民を巡る懸念は続くことになる。

 

アップル時価総額は年初来1700億ドル消失

4日の取引でアップルの株価が一時1.4%下落し、8週間ぶりの安値を付けた。パイパー・サンドラーが投資判断を「オーバーウエイト」から「ニュートラル」に引き下げたことが嫌気された。アップルの投資判断引き下げは2日のバークレイズに続き今週2回目。アップルの時価総額は年初来、約1700億ドル失われている。

 

季節要因や暖冬の影響から12月のNFPは19万人増か:ゴールドマン

4日に発表された23年12月のオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)の全米雇用リポートで民間部門の新規就業者数が16万4000人となり、市場予想の12万5000人を上回った。5日に発表される12月雇用統計も上振れが期待されるところだが、ゴールドマン・サックスは4日付のリポートで非農業部門の新規雇用者数(NFP)を19万人増と予想し、市場予想の16万人増、前月は19万9000人増を上回ると予想した。リポートでは、12月の季節要因で約5万人の増加が見込まれるほか、北東部と中西部の主要都市で降雪が少なく、暖冬の影響も後押ししたと指摘した。ネガティブ要因としては、年末商戦の軟調な消費動向を反映して小売業の雇用者数がさらに大幅に減少すると想定した。なお失業率は3.7%で前月から横ばいと予想。市場予想は3.8%だが、11月に急上昇した後の家計雇用の横ばいを想定した。

 

米国市場では12月ISM非製造業景況指数が公表:予想は52.6

11月実績は52.7で10月から上昇した。総合指数は回復したものの、新規受注指数が横ばいにとどまり、価格指数は低下した。12月については新規受注の改善は期待できないこと、価格指数は伸び悩む可能性があることから、全体的には11月実績を下回る見込みとなっている。

 

欧米市場イベント

○16:00   11月独小売売上高(予想:前月比▲0.1%/前年比▲0.5%)
○18:30   12月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:46.0)
○19:00   12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比3.0%)
○19:00   12月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比3.5%)
○19:00   11月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.1%/前年比▲8.7%)
○22:30   12月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化1.35万人/失業率5.9%)
○22:30   12月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化17.0万人/失業率3.8%/平均時給、前月比0.3%/前年比3.9%)
○24:00   12月カナダIvey購買部協会景気指数
○24:00   12月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:52.6)
○24:00   11月米製造業新規受注(予想:前月比2.1%)
○6日03:00   12月ブラジル貿易収支(予想:78.00億ドルの黒字)
○6日03:30   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○ロシア(新年休暇)、休場

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