FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:海外投資の売りで大幅安

前日のNYダウ608ドル安の急落を受けた投資家心理が弱気に傾きヘッジファンドなど海外短期筋の売りに内外の機関投資家も追随売りに傾斜し景気敏感株中心にほぼ全面安となり下げ幅を拡大した。結局、前日比822円安の2万1268円と大幅反落した。

東京証券取引所が25日発表した10月第3週(15-19日)の投資部門別株式売買動向(全市場)によれば、海外投資家は2週連続の売り越し、売越額は2120億円となった。前週は3290億円の売り越した。一方、公的年金の売買動向を反映する信託銀行は買い越しに転じ、買越額は340億円となった。なお、個人投資家は3週連続で買い越し、買越額は2757億円と前週の6023億円から半減となった。

 

東京外国為替市場:ドル/円は株価にらみで112円台前後の動き

ドル/円は、日経平均株価の急落を嫌気したリスク回避の円買いが先行し、112円を割り込んで111.81円まで下落した。しかし、15日につけた111.63円が下値の目処として意識されると、下げは一服した。その後は、日経平均株価や上海総合株価指数の下げ渋りをながめてショートカバーが入り、112.10円台まで持ち直す場面もあった。ドル/円が持ち直す場面では、本邦輸入企業のドル買い・円売りも観測された。午後は、株価を睨みながら小幅値を下げて112.00円近辺でもみ合いとなった。今晩のトルコ中銀政策金利発表や米国株価動向を見極めたいとの雰囲気から、上下に動きにっくなった。ユーロ/ドルは1.14ドル台前半で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ヘッジファンドの投売りが他のファンドの投げを招く展開

運用成績の悪化したヘッジファンドがリスク資産である株式を世界で手放す動きを強めているとの見方が浮上してきた。ファンドの投売りが別にファンドの運用悪化と売りを招く、需給総崩れの状況である。要するに世界株安連鎖の一因はヘッジファンドの売りとなる。市場では『同一の海外ファンドが連日で同じ電機株の売りを出している』との指摘もある。ヘッジファンドの運用成績の悪化は鮮明で、米調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)が算出する、世界のヘッジファンドの運用成績を示す『グローバル・ヘッジファンド指数』は23日時点で年初来の運用成績がマイナス4.0%だった。このまま年末を迎えれば2011年(マイナス8.9%)以来7年ぶりの低水準となる。特に10月に入ってからの運用成績がひどく、23日時点での10月の運用成績はマイナス2.8%と、月間でも11年9月以来の低水準となる可能性がある。逃げ道がなくなったファンドは、米通信社は8月下旬『米金融大手ゴールドマン・サックスがアジアで運用するヘッジファンド2本を閉鎖する』と報じた。最近の株安を受けて、こうした例は水面下で増えている可能性が高い。

 

トルコ中央銀行金融政策会合:政策金利据え置き予想

トルコでは、通貨急落に伴い9月の消費者物価指数伸び率は前年同月比+24.5%と15年ぶりの高水準に押し上げられているものの、9月以降のリラの反発、景気の急激な冷え込みによる需要面のインフレ圧力の後退、エルドアン大統領が再び高金利政策への批判を強めていることを考慮すれば、トルコ中銀が今回様子見に転じるとの見方となる。ただ、据え置きとなった場合でも、短期金利市場でも利上げ期待は急速にしぼんでいることから、短期的なリラ相場への影響は限定的と見る。しかし、インフレ調整後の実質政策金利がマイナスの状況を容認することは、通貨の下落を中銀が容認していると受け止められかねないことから、信認維持のためにも本来は追加利上げが好ましい状況であることには変わりがないと言える。

 

欧州市場ではECB理事会が開催:現行の金融政策を維持

9月13日開催のECB理事会の議事要旨によると貿易摩擦は経済成長を抑制し、株安が市場の不安を高めても、一部メンバーは金融政策の正常化を撤回させるほどではないとの認識を示していた。今後数年のユーロ圏インフレについては、徐々に上昇する基調にあるとの見通しは共有されており、現行の金融政策をただちに変更する必要はないとみられる。

 

米国市場では9月耐久財受注が公表

9月耐久受注の予想では、前月比▲1.0%と、前月の+4.4%を下回るものの、コア指数は同+0.0%から+0.3%に改善する見通しとなっている。製造業の強さが裏付けられれば、7-9月期国内総生産(GDP)速報値の上振れに期待が高まる。

 

欧米イベント

○17:00   10月独Ifo企業景況感指数(予想:103.0)
○17:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.75%で据え置き)
○18:30   9月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.5%/前年比6.1%)
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:24.00%で据え置き)
○20:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○21:30   ドラギECB総裁、定例記者会見
○21:30   9月米耐久財受注額(予想:前月比▲1.0%/輸送用機器を除く前月比0.5%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:21万4000件)
○23:00   9月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比▲0.1%)
○26日01:15   クラリダFRB副議長、講演
○26日02:00   米財務省、7年債(310億ドル)入札

 

 

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