FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:アジア株が総じて底堅かったことで買い優勢に

前日に600円超の大幅安となり自律反発狙いの買いが先行したが、買い一巡後は中国減速懸念や業績不安の半導体関連などに売りが膨らみ下げに転じたものの、上海総合株価指数や香港ハンセンなどの中国株上昇を好感して先物への海外投資家の買いに一時上げ幅を196円に広げた。結局、前日比80円高の2万2091円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:アジア株価持ち直しで円安進行

ドル/円は、日経平均株価の失速がリスク回避bの円買いを誘い、112.30円台へ軟化した。しかし、下押しが限られると、上海総合株価指数の持ち直しをながめてショートカバーが入り、112.55円近辺まで上昇した。ただ、今晩の米国株の動向を見極めたいとの雰囲気から上げは一服し、112.60円を挟んでもみ合った。ユーロ/ドルは、1.14ドル台後半で方向感の欠いた展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

本日南アフリカは中期財政策発表

ネネ財務相が辞任したためムボウェニ氏が新財務相が就任したが、1999年から2009年までの10年間南ア準備銀行(SARB)の総裁を務めていたこともあり、手腕は国内外に認められている。市場では南アの2月に発表された予算案から大きく逸脱する発表は行われず、2018-2019年予算は財政赤字の対GDP比で3.6%におさめ、2019-2020年も3.6%、2020-2021は3.5%と発表されるのではないかと予想されている。また、米格付け会社ムーディーズ社が南アの格付けを維持している間に、財政改善の案や長期的な構造改革案が発表されることを市場は期待している。特に南アの国営企業が抱える膨大な負債についての改善策が発表されることになると予想されている。他にもラマポーザ大統領が発表した4000億ランドのインフラ基金と500億ランドにのぼる景気刺激策の詳細が発表されるのではないかと言われている。もし、効果的なものが発表された場合は、南アランド(ZAR)はポジティブに反応する可能性が高い。

 

トルコエルドアン大統領はインフレ沈静化には利下げ

トルコのエルドアン大統領は23日、国内銀行に対し金利を引き下げて起業家の投資拡大を支援するよう要請した。金利の引き下げはインフレ沈静化につながるとの認識を示した。大統領は、インフレと金利に関する自身の見解が、学者との対立の原因になるかもしれないとしたうえで、『私がそう信じているのは、それが証明済みであるからだ。彼らは証拠も出さないで話している。私は証拠を出して話している』とし『したがって、私はこの原理を主張する。金利は原因で、インフレは結果だ』と述べた。エルドアン大統領は、イスラム金融を前提に話している。イスラム金融には、利息という概念がない。そのため、金融機関が不動産を販売する際は、金利分を上乗せして販売する。そのため、金利上昇は物価上昇に連動するということから金利下げを主張している。

 

カナダ中銀政策会合が開催:利上げは想定内

カナダでは米国との貿易交渉が一旦の進展となったほか、産油国による原油高の恩恵効果などもあって利上げが予想されている。実際の利上げのほか、今後の『金融政策正常化』の方向までの利上げ継続方針が示唆されると、カンダドルの押し目買い地合いが支援されやすい。

 

前日米国市場ではキャタピラーショック

世界の需要が大きく反映することから、度々世界経済の動向を判断する上で指標とされる米国のキャタピラー社が決算で、第3四半期の決算としては歴史的に最高だとしながらも、予想外に業績見通しを下方修正したため、懸念が広がった。同社は関税の影響で製造コストの上昇が影響していると指摘した。また、米中の貿易摩擦が長期化する様相を見せていることから、コストの高騰が継続するとの見方で同社株も大きく下げ、指数全体を押し下げた

 

株安でもFOMCは現状利上げ軌道修正する姿勢はない

ナスダックが2008年の金融危機以降で最悪を記録する中、ほとんどのFOMCメンバーの発言から、緩やかな利上げ軌道を修正する姿勢は見当たらない。投票権を有するボスティック米アトランタ連銀総裁は、経済の逆風として『貿易政策や市場の変動』を挙げたものの、FOMCの利上げ軌道を停止させる理由はほとんどないとの見解を示した。中立水準に向けた緩和策の緩やかな解除が適切であると分析。中立水準は不透明ながら、おそらく、あと2、3回の利上げが必要だろうとした。また、今年、1年間で4回の利上げを支持すると、12月の利上げを支持する方針を表明した。カプラン米ダラス連銀総裁は『政治的な判断で、FRBの使命に関する焦点が変わることはない』と言及した。トランプ大統領の忠告や株安にもかかわらず、FOMCでは依然、あと2、3回の利上げ軌道を維持すると見られる。

 

欧米イベント

○15:45   10月仏企業景況感指数(予想:106)
○16:15   10月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:52.4)
○16:15   10月仏サービス部門PMI速報値(予想:54.7)
○16:30   10月独製造業PMI速報値(予想:53.4)
○16:30   10月独サービス部門PMI速報値(予想:55.5)
○16:30   スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:▲0.50%で据え置き)
○17:00   10月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:53.0)
○17:00   10月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:54.5)
○17:00   9月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比3.5%)
○17:00   9月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%/前年比4.9%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:00   8月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○22:45   10月米製造業PMI速報値(予想:55.5)
○22:45   10月米サービス部門PMI速報値(予想:54.0)
○22:45   10月米総合PMI速報値
○23:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:1.75%に引き上げ)
○23:00   9月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲1.4%/62万5000件)
○23:30   EIA週間在庫統計
○25日00:30   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○25日02:00   米財務省、5年債(390億ドル)入札
○25日02:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○25日02:10   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○25日03:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○25日05:09   マイクロソフト第1四半期(7-9月期)決算

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