FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:半導体関連株中心に買い優勢に

前日のNYダウが下落した流れを引き継いで一時120円超下落した。しかし、ナスダック総合指数は史上最高値を更新したことから半導体関連株に買いが入りプラス圏を回復した。その後も底堅く推移し上げ幅を100円超に広げた。結局、前日比144円高の2万1968円と4日続伸で終了した。

 

東京外国為替市場:株価上昇とともに円売りが活発化

ドル/円は、『森友学園』を巡る政治の混乱が警戒される中でドル売り・円買いが先行し、106.25円付近まで軟化した。しかし、今晩発表される米2月消費者物価指数を見極めたいとの雰囲気もあり、下押しは限定的となった。その後は、本邦実需筋などがドル買い・円売りを持ち込み、106.40円台へ上昇した。午後もこの流れが続き、日経平均株価も上げ幅を広げたことから106.80円台へ上げた。米長期金利が上昇したことも、ドルの押し上げにつながった。ただ、前日の東京市場でつけた106.97円が視野に入ると106.75円近辺でもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、対円を中心にドル高が進んだ流れに沿って一時1.2325ドルまで下押しした。

 

13日英国の財政報告:緊縮財政に有権者は不満が募っている

英国のハモンド財務相は、年2回の財政報告を13日に控えてハモンド財務相は、BBCテレビで『トンネルの向こうに光が見える。公的債務が17年連続で増加した後、減少の兆しが見えている』と発言した。『非常に需要な局面だ。だが、現時点ではまだトンネルを抜けていない。債務を減らす必要がある』と述べた。英国の本会計年度の財政赤字は国内総生産(GDP)比2%程度とみられており、これは2002年以来の低水準となる。2010年は10%以上に上っていた。EU離脱による国内経済への影響は不透明であり、有権者の間では8年間の緊縮財政に対する不満が募っている。財務相は既に、2020年代半ばまでの財政黒字化という目標を先送りした。

 

米市場はクアドルプル・ウィッチング:米株に強いジンクス

米国市場では、今週末16日株価指数オプション、指数先物、個別株オプションなどが期限を迎えるクアドルプル・ウィッチングとなっている。日本のメジャーSQに相当するもので、相場の変動要因として注目されている。相場のアノマリー分析を手がけるトレーダーズ・アルマナックによれば、3月のクアドルプル・ウィッチングのある週は米株が強含むジンクスがある。S&P500は1983年以降、24回上昇して下げたのは11回、勝率は68%となっていた。NYダウは25回上昇して下げたのは9回、勝率は71%、ナスダック指数は22回上昇して下げたのは13回、勝率62%だった。

 

米国では期待インフレの急上昇に一服感

昨年後半からは減税法案進展や賃上げ還元、ドル安・株高・資源高などでインフレ期待が跳ね上がり、実質金利低下米長期金利上昇、ドル安が後押しされてきた。それだけに、こうした流れの一服はドルの下げ止まりを支援する。現在の米国では金利上昇による引き締め効果や、原油などの資源あげ渋り、賃金の伸び悩みなどで、期待インフレの上昇ペースが鈍化してきた。そのため、少なくとも期待インフレの上昇要因によるドル安の圧力は緩和されつつある。

 

米国市場では2月消費者物価コア指数が公表

1月の実績は前年比+1.8%で市場予想と一致した。2月については1月の平均時給の伸びが2.9%に達しており、労働市場の需給関係はひっ迫しつつある。また、政府支出増大などの要因も物価動向に微妙な影響を与えることから、インフレ率は1月実績をわずかに上回る可能性がある。

 

欧米イベント

○21:00   1月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比3.5%)
○21:30   2月米消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%)
エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%)
○23:30   ポロズ・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
○14日02:00   米財務省、30年債(130億ドル)入札
○欧州連合(EU)財務相理事会(ブリュッセル)
○米ペンシルベニア州下院補欠選挙

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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