FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

★日経平均株価:短期筋が日本株売りに傾斜

前日のNYダウの126ドル安の反落や上海・香港株などアジア株の下落を受けた世界連鎖株安ムードにヘッジファンドなど海外短期筋が中国経済の減速の影響を受けやすい日本株売りに傾斜して一時下げ幅を620円超へ広げた。結局、前日比604円安の2万2010円と大幅続落で終了した。

 

東京外国為替市場:アジア株が総じて下落したことでリスク回避の円買い

ドル/円は、日経平均株価の大幅安や上海総合株価指数の反落をながめ持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、112.55円近辺へ下落した。米長期金利が低下したことも、ドルの押し下げにつながった。午後もこの流れは続き、日経平均株価の下げ幅が600円を超えると、さらにドル売り・円買いが進んで112.47円へじり安となった。ユーロ/ドルは、1.14ドル台半ばで大きな方向感は出なかった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

本邦機関投資家の海外投資がドル/円の下支え

輸入企業の円売りとともに、機関投資家の一角が為替差損回避(ヘッジ)の円買い圧縮や新規の円売りにやや傾いている。背景にあるのはドルの資金不足と、3~6ヵ月もの程度の先物で主に実施されるヘッジコストの上昇が要因となっている。このところの株安を受けても円高の余地は限定的だった。運用難に悩む日本の金融機関を中心にドル建て資産の引き合いは相変わらず根強い。ただ、米利上げの影響を受け3ヵ月物ヘッジコストは足元で3.18%前後と、8月末時点の2.55%~2.58%程度から0.6%程度上昇している。財務省が発表した9月の対外及び対内証券売買契約などの状況によれば、本邦投資家は海外の中長期債を4兆5188億円買い越した。買越額は2016年7月以来の大きさとなっている。内訳は、米国で直接ドルの調達が可能な大手銀行を含む銀行勘定が3兆6693億円の解雇しで金融商品取引法の規制を受ける業者が8551億円、生保が3673億円で続いている。対外証券投資すべてでドル買いが生じるわけではないが、それなりにドル買い需要は強い。

 

ドイツ経済は勢いが失速気味:世界貿易の混乱の影響

ドイツ連邦銀行は22日に公表した月次報告の中で、第3四半期の経済が停滞し、3年ぶりに成長が横ばいとなった可能性があると警告した。ただ、自動車会社が新たに導入した排気ガス試験で混乱が生じたことが主要因で、一時的な失速だと分析している。
輸出主導のドイツ経済は年初から世界貿易の混乱が響き、勢いが失速気味となっている。外国需要の鈍化を理由に、ドイツ政府は10月初め、2018年、2019年の成長見通しを引き下げた。ドイツ連銀は第3四半期の建設も春の強い成長後、鈍化したと指摘した。小売りは緩やかとなっている。ただ、ビジネス信頼感の向上は第4四半期の著しい経済の成長を示唆していると強気な見方を維持している。

 

25日のECB定例理事会を開催の注目点

ECBは25日に定例理事会を開催する。この会合では、政策金利を据え置きが予想されている。年内に資産購入プログラムを終了する計画を再確認し、過去最低水準にある政策金利を2019年夏までに引き上げる方針を繰り返す可能性が強いと見られている。イタリアの財政問題や英国のEU離脱による影響が不透明な中、ドラギ総裁は理事会後の会見で、議会で示した通り、域内の景気に楽観的な見通しを維持するかどうかに注目が集まる。

 

欧米イベント

○15:00   9月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.3%)
○17:30   9月香港CPI(予想:前年同月比2.6%)
○19:30   ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○22:30   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○23:00   10月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:24)
○23:00   10月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲3.2)
○24日00:20   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、講演
○24日02:00   米財務省、2年債(380億ドル)入札
○24日02:30   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○24日03:15   カプラン米ダラス連銀総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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