★日経平均株価:円安期待剥落で失望感から売り優勢
ムニューシン米財務長官が13日通貨安誘導を封じる『為替条項』を日本にも求める考えを示したことで先行き一段の円安期待剥落に伴う輸出採算改善期待の後退を受け自動車など輸出関連株中心に幅広い銘柄に売りが出て、400円超に下げ幅を広げた。結局、前営業日比420円安の2万2271円と大幅反落で終了した。
★東京外国為替市場:米国からの為替条項要求への警戒感から円買い
ドル/円は、軟調な日経平均株価を受けてのリスク回避の円買い、週末にムニューシン米財務長官が示唆した『物品貿易協定(TAG)交渉にて為替条項を要求』への警戒感などでドル/円の戻りは限定的となり112円割れとなった。ユーロ/ドルは、1.15ドル半ばでこう着状態ではあったが、ポンド/ドルが買い戻されるとユーロドルも1.1550ドル台でじり高となった。
★イタリアによる2019年度予算案の提出期限
欧州市場では、本日イタリアによる2019年度予算案の欧州委員会への提出期限となる。最終的な予算内容や承認が明確になるまでは、ユーロ安やリスク回避の円高要因として注目される。一方で、すでに一定の歳出削減やEU基準への遵守方向には、期待感も高まっている。実際の予算案転出や先行きにEU承認となれば、一旦の悪材料出尽くしもあって、ユーロ高やリスク選好の円安材料となる可能性もある。
★バイエル州議会選挙大敗で独メルケル首相の求心力は低下
14日の独バイエルン州議会選挙でメルケル政権を支える保守与党CSU(キリスト教社会同盟)が暦的大敗を喫し、独政治先行き不透明感が広がっている。独CSUはメルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)の姉妹政党でありカトリック系保守党が多いバイエルン州議会は戦後ほぼ一貫してCSUが過半数を維持してきた。ところが、難民んのドイツ入国の『入り口』にあたるバイエルン州だけに2015年の難民危機とその後の党迷走が仇となり、今回の州議会選挙でCSU得票率は前回13年の47.7%から37.2%に急落し、68年ぶりの低さへと得票率は減少した。
★NY金の売越残高2006年以降最大:ポジション手仕舞いで上昇
米政府が12日発表したデータによると、投機家による金の先物とオプションの売越残高は9日終了週に少なくとも2006年以降で最大となった。世界の株式市場下落に加え、米国のインフレ率が市場予想を下回ったことから米金融当局が利上げペースを緩めるとの見方が広がったため、金価格は11日にかけて上昇した。金は8月下旬以降1オンス当たり1200ドル近辺で推移し、ボラティリティーを測る指数は今月に入って8ヵ月ぶりの低水準となっていた。
★トランプ大統領の娘婿のクシュナー氏の立場が危うくなる恐れ
サウジアラビアの著名ジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏がトルコのサウジ領事館に入って以降、行方不明となっており、サウジ当局に殺害されたのではないかとの疑惑が高まっている。カショギ氏はサウジ当局に批判的な報道をしていたとい、海外メディアはサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子がカショギ氏を標的としてた作戦を指示したと報じていた。14日付けのワシントンポスト紙電子版は、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と親しいトランプ大統領の娘婿、ジャレッド・クシュナー氏が先週、カショギ氏の失踪についてサルマン皇太子に個人的に尋ねたところ、皇太子はあらゆる関与を否定したと報じた。サウジ情勢の悪化を受けて、トランプ政権内でのサウジとの関係強化に努めていたクシュナー氏の立場が危うくなる恐れがある。
★米国の半期ごとの為替報告書公表予定:中国が為替操作国に認定するか注目
米財務省は今週中に半期ごとの為替報告書(15日が議会提出期限)を公表するとみられている。中国を為替操作国に認定するか注目されているが、一部報道では米財務省スタッフはムニューシン財務長官に対して『中国は為替操作をしていない』と報告したようだ。国際貿易環境の悪化を懸念した円買いは縮小していないものの、米国(財務省)が中国を為替操作国と認定しなかった場合、リスク先行的なドル買い・円売りが活発化する可能性がある。
★米国市場では9月小売売上高が公表
8月実績は前月比+0.1%だった。自動車・同部品、衣料品の売上は減少したが、ガソリンスタンドは増加した。9月については8月に減少した項目の反動増が予想されることやガソリン価格の上昇などの要因でガソリンスタンドの売上増も想定されており、全体的にはやや高い伸びとなる見込みとなっている。
★欧米イベント
○15:30 9月インド卸売物価指数(WPI、予想:前年比4.90%)
○16:00 7月トルコ失業率
○16:15 9月スイス生産者輸入価格(予想:前月比0.1%)
○19:45 バンク・オブ・アメリカ(BOA)第3四半期決算
○21:30 10月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:19.0)
○21:30 9月米小売売上高(予想:前月比0.6%/自動車を除く前月比0.4%)
○23:00 8月米企業在庫(予想:前月比0.5%)
○15-16日 9月ロシア鉱工業生産(予想:前年比2.5%)
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