★日経平均株価:利益確定売りに押される展開
朝方は高く始まったが、徐々に利益確定売りに押されてマイナスに転じた。株高局面で上昇が急ピッチだった商社株の下げが目立った。また、月末にかけて、年金基金のリバランス(資産再配分)に伴う売りが見込まれ、先取りする動きではないかとの声もあった。市場では、現在のところはスピード調整の一環にみえるが、期末が接近する中で、目先は上値が重くなりやすいとの見方も聞かれた。結局、前営業日比483円安の3万2781円と続落した。日中値幅(高値と安値の差)は957円91銭と今年最大となった。
★東京外国為替市場:日米金融政策の違いから円売りが優勢に
ドル/円は、高値圏警戒感から利益確定やポジション調整のドル売り・円買いに押され、一時142.82円付近まで値を下げた。日経平均株価の急反落で、リスク回避姿勢が強まったことも円買いを誘った。ただ、前日のNY市場でつけた安値142.76円付近に接近すると下げは一服した。その後は、日米金融政策の違いが鮮明になっていることでショートカバーが入り、143.10円付近へ値を戻した。午後は、米国の金融引き締めが長期化するとの思惑から海外短期筋などがドル買い・円売りに動き、一時143.43円付近まで上昇して昨年11月以来となる高値をつけた。ユーロ/ドルは、週末を控えた持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いが一巡すると、1.0930ドルを挟んで方向感に欠ける値動きとなった。
★一部は出遅れ銘柄にシフトか:BofAセキュリティーズ
日経平均株価が16日に33年ぶり高値を回復した後、やや上値の重い展開となっている。BofAセキュリティーズは22日付のリポートで「我々は日本株に強気だが、一気呵成に駆け上がるのか、いったん足踏みするのか分かれ目の水準となってきた」との見解を示した。リポートでは、相場が足踏みする場合、物色の基調の変化に注意が必要としながら、「海外投資家の資金流入は基本的に業績予想リビジョンの改善に沿ったものであり、リビジョン改善が一巡した場合、大型クオリティの上昇は4月末の日銀会合、5月初めの米連邦公開市場委員会(FOMC)が起点となっているといい。「それらでハト派姿勢が確認されたことと無縁ではない。その意味では、7月の日銀会合におけるイールドカーブ・コントロール(YCC)修正、米連邦準備理事会(FRB)の年内50bp利上げなど、『夏場のリスク』に注意が必要だろう」とも見込んだ。
★7月のETFの分配金支払いは計1.3兆円に:SMBC日興
SMBC日興証券は22日付のクオンツリポートで、7月に予定される各指数に連動する上場投資信託(ETF)の分配金支払いにより、計1,3兆円の売り需要が発生すると推計した。7月7日と10日に多くのETFの分配金が支払われる。また、日銀ETF買い入れ額が昨年大きく減少したほか、東証株価指数(TOPIX)連動型ETFの発行口数が増加傾向にあることから、小型株への影響が強まると指摘。指数構成ウエートと比較して売買代金が少ない銘柄でインパクトが大きくなるとの見方を示した。足もとでは、売りインパクトが大きい銘柄群がTOPIXを大きくアンダーパフォームしているものの、分配金支払い後は反発する可能性を挙げている。
★欧州市場ではS&Pグローバル6月ユーロ圏製造業PMIが公表:市場予想は44.8
5月実績は44.8だった。ユーロ圏のインフレ率は緩和しつつあるが、新規受注はやや伸び悩んでいる。この状況は6月も特に変わっていないため、節目となる50を大幅に下回る見込み。
★トルコ中銀の利上げ幅が期待外れでリラ売り優勢に
エルカン新中銀総裁のもとでは初めて開かれた金融政策委員会(MPC)は22日、主要政策金利を6.5%引き上げて15%にすることを決定した。2年3カ月ぶりのトルコ利上げではあったものの、上げ幅不十分と市場は捉えリラ売りに走った。トルコ中銀は声明でインフレ動向を監視し、『見通しの大幅な改善が達成されるまで、必要な金融引き締めを適時かつ段階的にさらに強化する』と述べた。しかしながら、次回7月会合での追加利上げへの明言はされなかった。上げ幅や声明を鑑みると、エルカン中銀総裁が(自身を金利の敵とする考えを変えていない)エルドアン大統領を意識した感は否めない。市場がこのまま新トルコ中銀総裁に対して『期待外れ』と評価し続けるようであれば、リラの反発力も強まりそうにない。とはいえ、『インフレ抑制には金融引き締め』という正統派路線に立ち戻った事実は確かであり。シムシェキ財務相は先日、ゆっくりとした調整を行うと述べていたこともあり、今後も暫くはエルドアン大統領をなだめながらの政策遂行となるかもしれない。
★メキシコのエブラルド元外相は大統領の息子を閣僚に起用する意向を示す
メキシコのエブラルド元外相は19日、与党国家再生運動(MORENA)内の大統領候補選で指名を受けた場合、ロペス・オブラドール大統領の息子であるロペス・ベルトラン氏を新設する閣僚ポストに任命すると述べた。エブラルド元外相としては与党内で抜群の人気を誇るロペス・オブラドール大統領の息子を起用する方針を示すことで、大統領支持者からの支持を集めたい意向のようである。ただ、メキシコでは過去の長期独裁政権への反省から権力の継承に関して否定的な見方も多く、メキシコの大統領職は1期6年限りで一切の再選が禁じられている。こうした中で直接的なものでないとはいえ、息子への世襲的な権力の引き継ぎを思わせる措置は今後様々な思惑を生むかもしれない。なお、与党MORENA内の大統領候補選は9月に実施予定。最有力と言われているシェインバウム・元メキシコ市長やエブラルド元外相など6名で争われる。
★米国市場では6月S&Pサービス業PMIが公表:市場予想は54.0
5月実績は54.9と1年1カ月ぶりの高水準だった。金利上昇の影響は多少あるものの、多くの企業は需要環境について楽観視していることも確認された。6月についてもサービス業の需要はまずまず堅調であることから、5月実績に近い水準となる見込み。
★欧米市場イベント
○15:00 5月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比▲0.2%/前年比▲2.6%)
○15:00 5月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比▲0.3%/前年比▲2.1%)
○16:00 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○16:00 5月トルコ貿易収支(予想:127.0億ドルの赤字)
○16:15 6月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:45.4)
○16:15 6月仏サービス部門PMI速報値(予想:52.0)
○16:30 6月独製造業PMI速報値(予想:43.5)
○16:30 6月独サービス部門PMI速報値(予想:56.2)
○17:00 6月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:44.8)
○17:00 6月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:54.5)
○17:30 6月英製造業PMI速報値(予想:46.8)
○17:30 6月英サービス部門PMI速報値(予想:54.8)
○18:15 ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○18:30 ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○19:00 デコス・スペイン中銀総裁、講演
○21:45 パネッタECB専務理事、講演
○22:45 6月米製造業PMI速報値(予想:48.5)
○22:45 6月米サービス部門PMI速報値(予想:54.0)
○22:45 6月米総合PMI速報値(予想:53.5)
○24日02:40 メスター米クリーブランド連銀総裁、あいさつ
○中国(端午節)、スウェーデン(夏至祭)、休場
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