FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:日銀が大規模緩和の維持を好感した買い戻し

寄り付きは、このところの急ピッチの上昇の反動で利益確定売りが優勢となった。日銀の金融政策決定会合の結果を見極めたいとして、手掛けにくさも意識された。後場に入ると、日銀が大規模緩和の維持を決定し、安心感から買いが優勢となった。市場では、イベント通貨でプラス圏に浮上した。結局、前営業日比220円高の3万3706円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:日米金融政策の違いが意識されドル買い優勢に

ドル/円は、週末を控えた持高調整などのドル売り・円買いに押され、139.85円付近へ下落した。日経平均株価の下げ幅拡大で、リスク回避姿勢が強まったことも円買いにつながった。その後は、米長期金利上昇を眺めたドル買い・円売りが入り、140.10円付近へ値を戻した。昼前に、日銀金融政策決定会合の結果が発表され、予想通り大規模な金融緩和の現状維持を決定した。日米金融政策の違いが改めて意識されたことで、海外短期筋などがドル買い・円売りに動き、140.75円付近へ急上昇した。午後は、利益確定などのドル売り・円買いが入り、140円台後半から140.20円付近へ押し戻された。しかし、15時30分から始まる植田日銀総裁の記者会見を見極めたいとの雰囲気もあり、下値を追う動きは限られた。その後は、日経平均株価が上昇へ転じて上げ幅拡大したことがドル買い・円売りを誘い、140.80円付近へじり高となった。ユーロ/ドルは、1.0940ドルを挟んだ小動きに終始した。

 

投資していないとの回答比率が70%に:BofA

BofA証券が国内2500人を対象とした消費者調査によると、現在投資していると答えた比率は回答者の30%にとどまった。この結果についてBofAは、日本で低インフレ環境が数十年続いたことによる家計の現金選好を反映したとした。一方、残りの70%にあたる現在投資をしていないと答えた回答者のうち、37%は円安とインフレを受けて所得を目減りさせないために投資を開始する意向であると答えた。このうち、最も人気のあるアセットは日本株となり、外国株と国内不動産が続いた。BofAは「日本におけるインフレ環境の構造的な変化を受けて、家計の試算配分が大きく変わる可能性があることが示唆された」とした。同調査で今後3ヵ月間に消費を増やす見通しであると答えた比率は28%で、前回調査から変わらなかった。

 

四半期末のリバランスでは株式に約1500億ドルの売りフローか:JPモルガン

JPモルガンは15日付リポートで、6月の四半期末に向けたマルチアセット投資家によるリバランスにより、株式から債券に約1500億ドルのリバランスフローが発生すると推計した。四半期リターンは、グローバル株式がプラスの一方、債券の総合リターンがマイナスであることによる。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)について、6月末にかけて約370億ドルの株式売却と同額の債券を購入する必要があるとも試算した。

 

6月ECB理事会では4%を超えて利上げするリスクは低い:エバコア

欧州中央銀行(ECB)は15日に25bpの利上げを決めた。利上げは8会合連続で、中銀預金金利を3.25~3.50%に引き上げた。エバコアISIは15日付リポートで「6月のECB理事会では、ラガルド総裁が7月の3.75%への利上げを事前に示唆し、9月は50対50の確率で4%への追加利上げが行われる可能性があり、ライブミーティングで判断するとするなど、タカ派的なサプライズがあった」と指摘した。25年のユーロ圏消費者物価指数(HICP)で変動の激しいエネルギーと食品を除くコア指数が3月の2.2%から2.3%に引き上げられたのを踏まえ、エバコアの予想(2.0%)を上回ったと指摘した。ただし、「それでもECBが4%を超えて利上げするリスクは低いと考えている」との見解を示した。現在進行中の実質賃金の上昇は避けられず、「ECBは今後何カ月にもわたって賃金交渉を不安げに見守っていくだろう」とみていた。

 

トルコの外貨準備高は増加したものの依然低水準

昨日はトルコ中銀が週間データを公表し、9日時点の外貨準備高が明らかになった。一部通信社が算出したところによると、ネットの準備高は前週より25億ドル増加したもののマイナス31.7億ドルと依然として低水準だった。なお、トルコのユルマズ副大統領は昨日、2021年12月から実施している為替リンクのリラ定期預金『為替保護預金(KKM)』について、直ちに廃止することはできないとの考えを明らかにした。リラが急落するなか、来年も継続される可能性を示唆した。こちらに関しては政府負担の拡大が懸念される。

 

リーマン・ショックは利下げ後に起きている:SMBC日興証券

SMBC日興証券は「CPIベースの実質政策金利が1.25%まで上昇し、均衡実質利子率である1.164%を上回った点」に注目し続けている。「実質政策金利>均衡実質利子率」はリーマン・ショックの2年前の2006年9月にも生じ、07年8月のパリバ・ショックを受け、FRBは利下げを開始し、ベアスターンズ破綻を経てFF金利は2%まで引き下げられたが、その半年後にリーマン・ショックが起きた。つまり、利上げによる本格的な引き締め効果発現の2年後にハードランディングとなっている。足元の家計債務の落ち着きなどを踏まえ、「引き締め効果によって当時と同様のバランスシート毀損は生じ得ない」とはみているが、「銀行のバランスシートに難があるのは当時との共通点」と指摘。ここで利上げを止めても「1年債にハードランディングが待っているかも知れないと言わざるを得ない」という。さらに「2~3ヵ月で『残り2回』の利上げをギブアップするような状況となるなら、なおさらハードランディングの可能性も高まる」とも指摘。米経済は引き締め効果が出始める時間帯に入っており、「『米国経済減速の兆候』も出始めるか否か、注意深く見守りたい」と述べていた。

 

米個人投資家は一段と『強気』に2週連続で過去平均上回る

米個人投資家が株式相場に対して一段と強気に傾いている。米個人投資家協会(AAII)が15日に発表した週間調査によると、「今後6カ月で株式相場が上昇する」との回答比率は前週から0.6ポイント上昇の45.2%と、過去平均37.5%を2週連続で上回った。強気の回答比率は2021年11月11日発表の調査48.0%以来の高水準。同週間調査では過去2週間、強気の回答比率が大きく上昇している。一方、「今後6カ月で株式相場が下落する」との回答は1.6ポイント低い22.7%だった。21年7月1日発表の調査22.2%以来の低水準。強気から弱気の回答比率を差し引いた割合は22.5%と21年11月11日発表の調査24.0%以来の高水準となった。6カ月先の相場見通しに疑問視する要因については、「経済・インフレ」が41.3%と最も多かった。

 

FRBとSECがSVB破綻巡りゴールドマンを調査:WSJ報道

米連邦準備理事会(FRB)と米証券取引委員会(SEC)はシリコンバレーバンク(SVB)の破綻を巡り、米ゴールドマン・サックスを調査している。米紙WSJが15日に報じた。破綻をする前のSVBの資金調達の助言役を担ったゴールドマンについて、投資銀行部門とトレーディング部門の間に不適切なやりとりがあったかどうかを確認しているという。WSJは3月に、司法省とSECがSVBの破綻について調査を始めたと報じた。SVBの旧経営陣が破綻の数日前に自社株を売却していたことも対象になっていた。現在はゴールドマンを含めより広く調査を行っているようだ。報道によれば、ゴールドマンは投資銀行部門がSVBに資金調達の助言をする一方で、トレーディング部門がSVBの証券ポートフォリオを割安な価格で取得した。この際に両部門が不適切なやりとりをしていなかったかどうかを確かめるため、FRBとSECはゴールドマンに関連文書の提出を求めている。ゴールドマンはSVBの幹部に対し、資金を調達する前に、その必要性を説明するために証券ポートフォリオの一部または全部を売却しなければならないと伝えたという。

 

欧米市場イベント

15:30   植田和男日銀総裁、定例記者会見
16:00   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○17:00   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○17:00   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○18:00   ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○18:00   5月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比6.1%)
○18:00   5月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比5.3%)
○19:00   センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○19:00   ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○20:45   ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○21:30   4月対カナダ証券投資
○21:30   4月カナダ卸売売上高(予想:前月比1.6%)
○22:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○23:00   6月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:60.0)
○南アフリカ(青年の日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ