FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:円安も支えに強い地合いが継続

前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)がプラスとマイナス両材料が入り混じる結果で、上値が重かった。為替の円安が支えとなりつつも、マイナス圏に沈む場面もあり不安定な値動きとなった。足元で売られていたハイテク株が買い戻される一方、ここまで数日株高をけん引してきた指数寄与度の大きい銘柄の一角が軟調に推移し、循環的な動きが見られた。引けにかけては目先の利益を確定する目的の売りに押された。結局、前営業日比16円安3万3485円と5営業日ぶりに反落した。JPXが15日発表した6月第1週(5日~9日)の投資部門別株式売買動向(東証・名称の合計)によると、海外投資家(外国人)は9854億円の買い越しとなり、買い越しは11週連続となった。個人投資家は4819億円の売り越しとなり、売り越しは2週ぶり。信託銀行は535億円の売り越しとなり、売り越しは11週連続となった。

 

東京外国為替市場:米長期金利上昇でドル買いが優勢に

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、140.30円台へ上昇した。仲値発表後は、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの観測から米長期金利が上昇すると、仕掛け的なドル買い・円売りが持ち込まれて141円台へ乗せた。5月豪雇用統計が強い数字となり、これを好感した豪ドル/円の豪ドル高・円安が波及した面もあった。午後に入っても、堅調地合いは続いて一時141.43円付近まで上昇、昨年11月以来となるドル高・円安をつけた。米長期金利が一段と上昇したことも、ドルの押し上げ要因となった。その後は、高値警戒感から利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いも見られ、やや値を下げて141.20円前後で取引された。ユーロ/ドルは、今晩予定されている欧州中央銀行(ECB)理事会のイベントを控えて様子見ムードが広がり、1.08ドル台前半で小動きに終始した。

 

中国人民銀行は23年7-9月期から3四半期連続の利下げを予想=バークレイズ

バークレイズは最新リポートで、中国人民銀行(中央銀行)が金融政策の緩和を加速させる可能性があり、複数回にわたって政策金利と預金準備率を引き下げるとの見方を示した。信用貸出の拡大を促すため、2023年7-9月期から24年1-3月期の間、四半期ごとに政策金利を0.1%引き下げるほか、預金準備率を0.25%引き下げると予想した。

 

欧州市場ではECBの政策金利が発表:予想は25pbの利上げ

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は6月5日、欧州議会で「最新の入手可能なデータによると、一部に緩やかな兆候が見えられるものの、基調的なインフレ率がピークに達したことを示す明確な証拠はない」と述べており、追加利上げの必要性を示唆している。

 

トルコの新財務相への金融正常化期待からリラは底堅い展開

一部通信社によれば、エルドアン・トルコ大統領はアゼルバイジャンから帰国する際に、『財務相の考えに基づき、われわれは、(財務相が)速やかに無理なく中銀とともに措置を講じることを受け入れた』と述べたことが報じられた。トルコ金融政策が引き締めに転じるとの観測が強まり、リラの底堅さに繋がった。シムシェキ財務相は就任時に、大統領から2年間は介入しないと約束された。もっとも、エルドアン大統領のこれまでの行動を考えると、それほど悠長に待ってもらえるとは思えない。これまでの非正統的な金融政策で生まれた歪みがどの程度まで修整できるか、新財務相の政策が注目される。

 

南アランドはネガティブニュースでも連日で買いが優勢

対ドルでのランド最安値を更新した1日以後、ランド買いが連日進んでいる。対円でも1日に反発して以後は続伸中である。ランド買いのニュースが少ないのにもかかわらず、堅調地合いを維持しているランドではあるが、どこまで買い戻しが進むのかを見定める必要がある。一方、ランドにとってネガティブなニュースは昨日も複数見受けられた。1つ目は小売売上高が、市場予想よりも下回ったこと。そしてもう1つは、既報ではあったが、米国の超党派の議員が南アに対し、アフリカ成長機会法(AGOA)の適応を除外する書簡を正式に提出したことである。

 

利上げ継続すれあ何かを破壊する:ガンドラック氏

『債券王』の異名を持つ米資産運用会社ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)は14日、米CNBCのインタビューで「米連邦準備理事会(FRB)がいま協議しているような道を歩めば、何かを破壊することになると思う」と語った。利上げ継続が米景気を一段と悪化させるとの警戒感を示した。FRBは14日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で11会合ぶりに政策金利を据え置いた。だが、あわせて公表した政策金利見通し(ドットチャート)では2023年末までに0.25%の利上げを残り2回実施するとの予想を示した。ガンドラック氏は米サプライマネジメント協会(ISM)のデータなどを挙げて「米景気が後退の領域に深く入っているとする指標は非常に多い」と指摘した。今後も経済データの悪化が予想されるとしてFRBは再び利上げをすることはないと予想し、「FRBは現時点でインフレのリスクを誇張していると思う」との考えを示した。

 

7月利上げが最後になると予想:UBS

UBSは14日付リポートで「パウエル議長は、さらなる利上げというメッセージを『会合ごと』の決定と強調することにより、それほど利上げペースは急いでいないという印象に変えた」と指摘した。UBSは7月に25bp利上げを予想しており、「その見方を強化した」としたうえで、「7月の会合後(以降)に25bpの追加利上げを実施する必要性を認識するとの確信は薄い」とも指摘した。リポートでは「コアインフレ率の上昇は今後数カ月で鈍化し、労働市場と個人消費はさらに鈍化すると予想している。我々はFOMCが7月に利上げすると予想しているが、今日発表された経済・政策見通し(SEP)の意味合いとは対照的に、7月利上げはハイキング・サイクルの最後になると予想している」との見解を示した。

 

23年の成長率を引き上げ、コア物価指数も上方修正:FOMC経済見通し

米連邦準備理事会(FRB)は14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に、3ヵ月に1度まとめる米経済見通しを公表した。数字はいずれも各年の10~12月期の予想の中央値。米実質国内総生産(GDP)の成長率は2023年が前年同期比1.0%と、前回(3月)の予想(0.4%)から大幅に引き上げた。声明では「経済活動は引き続き緩やかなペースで拡大した」と指摘。その見解を反映した。一方、24年は1.1%、25年は1.8%と、前回(1.2%、1.9%)からそれぞれ小幅ながら下方修正した。23年の経済見通しの上方修正にあわせ、今年の失業率は4.1%と前回予想(4.5%)から引き下げた。24年と25年はともに4.5%と、前回予想(ともに4.6%)を小幅に下回った。FRBが重視する物価指標である個人消費支出(PCE)物価指数の上昇率は23年が3.2%と、前回予想(3.3%)から下方修正した。24年と25年はそれぞれ2.5%、2.1%と、前回予想を維持。2%の物価目標に近づくのは引き続き25年以降とみている。一方、エネルギー・食品を除くコア指数の上昇率は23年が3.9%と、前回予想(3.6%)から引き上げた。24年は2.6%で前回予想を据え置いたが25年は2.2%と前回予想(2.1%)を小幅に上回った。

 

欧米市場イベント

○15:30   5月スイス生産者輸入価格
○15:45   5月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.1%/前年比5.1%)
○16:00   ナーゲル独連銀総裁、講演
○18:00   4月ユーロ圏貿易収支(予想:季調前なし/季調済175億ユーロの黒字)
○21:15   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:4.00%に引き上げ)
○21:15   5月カナダ住宅着工件数(予想:23.50万件)
○21:30   4月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲0.2%)
○21:30   5月米小売売上高(予想:前月比▲0.1%/自動車を除く前月比0.1%)
○21:30   6月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:▲15.1)
○21:30   6月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:▲14.0)
○21:30   5月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.5%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:24.9万件/176.5万人)
○21:45   ラガルドECB総裁、定例記者会見
○22:15   5月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.1%)
         設備稼働率(予想:79.7%)
○23:00   4月米企業在庫(予想:前月比0.2%)
○16日00:35   カンリフ英中銀(BOE)副総裁、講演
○16日01:00   1-3月期ロシア国内総生産(GDP)改定値(予想:前年比▲1.9%)
○16日01:00   ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○16日05:00   4月対米証券投資動向
○ユーロ圏財務相会合

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