FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米FOMCでの利上げ見送りの思惑強まる

前日の米国市場での米国株高を好感した買いが先行した。連日のバブル後高値更新となり、1990年3月以来の高水準に上昇した。米国市場では5月消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化を受けて連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ見送りの思惑が強まって株高となり、好感する動きが先行した。市場では、買いが買いを呼んでいる状態。日本株はうまい具合に循環物色になっている。海外のリスクオフがなければ、買いの勢いは続く可能性があるとの見方が聞かれた。午後は一時600円超に広げた。結局、前営業日比483円高の3万3502円と4日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利低下でドルの上値重くなる

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸出勢のドル売り・円買いが通常より多く持ち込まれ、140.00円付近へ下げた。米長期金利が低下したことも、ドル売りにつながった。仲値発表後も軟調地合いは続き、140円を割り込んで一時139.95円付近まで値を下げた。ただ、日本時間15日未明の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果発表を前に、下値を追う動きは限られた。その後は、日米金融政策の違いを意識したドルの押し目買いが見られr、140.05円付近へ値を切り返した。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、140.10円前後で推移した。NY時間に発表される米インフレ指標やFOMC結果を控えて様子見ムードが広がっている。ユーロ/ドルは、1.07ドル台後半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

新トルコ中銀総裁の金融政策に注目集まる

昨日は格付け会社フィッチ・レーティングスがトルコについて声明を出した。その中で、『政策金利がリラや外貨準備高への圧力を緩和し、インフレに対処するための手段として再び利用できるようになるだろう』と述べている。今回、シムシェキ新財務相とエルカン新トルコ中銀総裁の就任は『急激な政策転換の可能性』を示しているとのことである。しかしながらフィッチは、新たな政策に対する信頼性と予測可能性の回復には時間がかかりそうだとする見方でもある。市場では、トルコ中銀が大幅利上げを決定するだろうと予想する向きが増えている。ただいずれにせよ、1週間後のエルカン氏の中銀総裁就任後では初となる金融政策発表を待つことになる。

 

南アでは4月小売売上高が発表:結果には注意が必要

南アからは本日、4月小売売上高が発表される。前年比予想は1.4%減と前回から減少幅は縮小するものの、5カ月連続のマイナスが見込まれている。遅行指標で、それほど注目されることはなかった指標だったが、前回3月分の予想比下振れにランド売りで反応したこともあり、結果には注意が必要である。なお、フランスの一部報道では、8月に南アで開催予定のBRICS首脳会議にマクロン仏大統領が参加したいとの意向をラマポーザ南ア大統領に伝えた。議長国である南アからの回答はまだとされている。

 

メキシコ中銀副総裁の発言の本音は?

メキシコ中銀メンバーの中で比較的ハト派とされるヒース副総裁が先週末に11月の利下げの可能性について言及した。ただ、『だからといって利下げサイクルに入るわけではなく、引き締め政策は2024年半ばまで維持する必要があるだろう』とも述べた。その件について、改めてインタビューに答え、『11月利下げ説は市場の見解』と発言している。

 

顧客は米国株を2週ぶりに買い越し:BofAセキュリティーズ

BofAセキュリティーズの13日付の顧客フローリポートによると、同社の顧客は先週(6月5~9日)の1週間に米株を4億7900万ドル買い越した。2週ぶりに買い越しに転じた。この週は翌週に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え様子見ムードが強い中、ハイテク株への買いが続きS&P500種株価指数は週間で0.38%高となって4週続伸。およそ10カ月ぶりの高値を更新した時だった。主体別動向でヘッジファンド(HF)は7億1800万ドル買い越し。4週連続で買い越したとなった。機関投資家は6億1800万ドルを売り越した。4週ぶりに売り越しに転じた。個人投資家は5100万ドルを買い越して、企業の自社株買いは10億ドルで、4月の決算シーズンでは例年よりも好調だったが、5月以降は例年の季節的傾向を下回っている。セクター別では11セクターのうち6セクターが売り越しだった。金融セクターの資金流出額が10億3900万ドルと2022年3月以来の大きさだった。次いで生活必需品セクターの3億8700万ドルの流出が目立った。一方、ヘルスケアセクターは5億2200万ドル、コミュニケーション・サービスセクターは4億900万ドルの資金流入だった。コミュケーション・サービスは5週連続で買い越しとなっているものの、BofAはアクティブファンドによる混雑した状況を考慮して、アンダーウエイトに格下げしたという。

 

6月のFOMCは利上げ一時停止へ:ゴールドマン

13日に発表された5月の米消費者物価指数(CPI)が前月比0.1%上昇、前年同月比で4.0%上昇し、市場予想(前月比0.2%上昇、前年同月比4.2%上昇)を下回った。CMEグループのFedウオッチで13~14日英連邦公開市場委員会(FOMC)での金利据え置き織り込み度は79.1⇒92.5%となり、9割方、現状維持が織り込まれた。ゴールドマン・サックスは13日付のリポートで、『コアCPIは前月比で0.44%上昇、前年同月比では5.3%上昇となり、いずれもコンセンサス(前月比0.4%、前年同月比5.2%上昇)をやや上回った。中古車価格がプラス0.15パーセントポイントの上昇寄与要因となった』との見解を示した。ただ、住居費(シェルター)カテゴリーは3月、4月に続いて5月も減速基調を維持したとし、『5月CPIの結果は6月FOMCでの利上げ一時停止、7月FOMCでの利上げ再開という当社予想を支持するものだ」とし、FOMCの見通しについては従来予想を維持した。

 

欧米市場イベント

○15:00   5月独卸売物価指数(WPI)
○15:00   4月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.2%)
○15:00   4月英鉱工業生産(予想:前月比▲0.1%/前年比▲1.7%)
○15:00   4月英製造業生産高(予想:前月比▲0.2%)
○15:00   4月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:165.00億ポンドの赤字/37.00億ポンドの赤字)
○15:00   5月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比横ばい/前年比9.4%)
        コア指数(予想:前月比▲0.1%/前年比6.7%)
○18:00   4月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比0.8%/前年比0.8%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   4月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比▲1.4%)
○21:00   4月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比1.0%)
○21:30   5月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.1%/前年比1.5%)
       食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.9%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○15日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:5.00-5.25%で据え置き)
○15日03:00   FOMC、経済・金利見通し発表
○15日03:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見

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