★日経平均株価:利益確定売り後は押し目買いが下支え
朝方は、前日の米国株安や利益確定売りで反落したものの、下値では押し目買いが入り指数を支援した。前日までに1300円超上昇していた反動で、利益確定売りが重しとなった一方、指数寄与度の大きい銘柄がプラス転換するなどし、指数を押し上げた。市場では、メジャーSQ(特別清算指数)に向けて、押したところでは買いが入りやすい。基本はまだ買い圧力が強いのではないかとの声が聞かれた。結局、前営業日比289円高の3万2506円と4日続伸して終了した。
★東京外国為替市場:米景気減速が警戒されドルの上値の重い展開
ドル/円は、本邦輸入勢のドル買い・円売りや米長期金利上昇に支えられ、一時139.65円付近へ値を上げた。日経平均株価がマイナス圏からプラス圏へ転じ、リスク回避姿勢が和らいだことも円売りを誘った。ただ、前日に発表された5月米ISM製造業景況感指数の低調な数字で、米景気減速が警戒されていることから、積極的な上値追いは手控えられた。その後は、利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いも見られ、139.50円付近は下落した。午後は、手掛かり材料難から積極的な売り買いは目立たず、139円台半ばで小動きとなった。今晩の米国株動向を見極めたいとのムードが広がっている。ユーロ/ドルは、1.0720ドル台を中心とする狭いレンジで取引された。欧州勢待ちの様相となっている。
★中国株の上昇リスクヘッジ推奨:JPモルガン
JPモルガンは5日付リポートで「ここ数週間、中国の乏しい経済データがさらなる政策支援への期待を煽っている。」と指摘した。中国株式市場における弱気ポジションは、「予想される政策刺激策が実現した場合、ショートカバーの上昇リスクを示している」とも指摘。中国株のアップサイド・ヘッジ買いを推奨した。加えて、オフショア市場(中国本土意外の市場)がオンショア(本土市場)よりも弱気なポジションを示している点にも着目した。ポジションの状況から昨年10~12月期の反発の匹敵するほどの上昇は見込みにくいとするものの、「上昇リスクをヘッジするために、軽いベガオプション構造を利用することを勧めるという。ただし、6~7月の中央総合改革委員会や7月末に予定されている政治局会議などの重要なイベントが控えていることから、「景気刺激策のニュースが立証されるにはしばらく時間がかかる可能性がある」との認識も示した。
★トルコでは外貨準備高枯渇懸念からリラ売り止まらず
エルドアン大統領が新財務相に任命したシムシェキ元副首相は正統的な経済政策を志向するとされ、国内の投資家はこれを好感してイスタンブール株式市場は急騰した。ドル建てのトルコ債券も買われたが、通貨リラを売る動きは止まらない。なお欧州序盤に発表された5月トルコ消費者物価指数(CPI)は予想をやや上回ったものの、前年比では2021年12月以来の40%割れを記録した。新財務相への期待度は高いが、トルコ中銀の外貨準備高枯渇を市場はより問題視しているように思える。トルコと通貨スワップ協定を結ぶ新たな国も出てきそうになく、準備高改善に向けた道筋は見えない。シムシェキ財務相は週末の引き継ぎ式典で、『トルコは合理的な立ち場に戻る以外に選択肢はない』とし、『インフレ率を中期的に再び一桁に低下させ、経常赤字削減に向けた構造転換を加速することが極めて重要だ』と述べた。方向性は示したとしても、今後は有効な政策を実施できるかが注目される。
★南アのネガティブリスクは高まるばかり
ランド買いを促すようなニュースが少なく、一方で南アのネガティブリスクは高まるばかりである。先日も、南アフリカ準備銀行(SARB)が南アフリカのグレーリスト登録と非投資適格の地位により、海外投資家による債券売りが更に起こる可能性を指摘している。そして、国内投資家だけでは外国人投資家が残した穴を埋めることができない可能性が高いとも述べている。本日は南アからは1‐3月期の国内総生産(GDP)が発表される。しかしながら、南ア経済を取り巻く環境が4-5月から変わってきていることもあり、1‐3月期のGDPでの反応は限られるのではないかと思われる。警戒したいのは、いつ出るか(出ない可能性もあるが)欧米各国からの南アに対する制裁には目を配っておきたいとことろ。
★メキシコ中銀は成長率目標を大幅上方修正
メキシコ中銀が2023年の成長目標を16%から23%に引き上げた。この決定は、メキシコ経済にとって大きな影響をもたらし、メキシコ社会保障研究所(IMSS)に登録された正規の雇用創出を最大80万件までもたらすと予想されている。メキシコは今年の第1四半期、17年ぶりの最高水準となる423,384件の雇用創出を記録するなど、労働市場の好調なトレンドを築いている。これは、政府が設定した月間10万件の雇用創出目標を軽々と達成したことになる。州別でみても、全ての州が前年同期比でプラス成長を示した。最も成長率の高い3つの州は、タバスコ、バハ・カリフォルニア・スール、クイントナ・ローだった。これにより、国全体で健全かつ強靭な経済が実現していることが示されている。OECDによれば、今年第1四半期においてメキシコは加盟国の中で2番目に低い失業率を誇った。
★米ISM指数が物価上昇圧力の鈍化を示唆:US Dashboard
米サプライマネジメント協会(ISM)が5日発表した5月の米非製造業景況感指数は50.3と前月から1.6ポイント低下し、2022年12月分以来5カ月ぶりの低水準となった。好不況の分かれ目となる50を小幅に上回ったが、市場予想52.0を下回った。項目別では新規受注や雇用などが低下。価格指数は56.2と前月から3.4ポイント低下し、3年ぶりの低水準となった。1日発表の5月の製造業景況感指数は好不況の分かれ目である50を7カ月連続で下回り、価格指数は44.2と4月の53.2から大幅に低下した。米国企業の景況感の悪化と、物価上昇圧力の鈍化が鮮明になっている。
★欧米市場イベント
○15:00 4月独製造業新規受注(予想:前月比3.0%/前年同月比▲8.4%)
○16:05 クノット・オランダ中銀総裁、講演
○16:30 ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○17:30 5月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:51.1)
○18:00 4月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.2%/前年比▲3.0%)
○18:30 1-3月期南アフリカ国内総生産(GDP、予想:前期比0.4%/前年同期比0.2%)
○未定 ポーランド中銀、政策金利発表(予想:6.75%で据え置き)
○21:30 4月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比▲5.0%)
○23:00 5月カナダIvey購買部協会景気指数
○7日00:30 センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
〇韓国(顕忠日)、スウェーデン(建国記念日)、休場
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