FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:6月の米FOMCでの利上げ見送り思惑を好感

前日の米国市場で6月連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ見送りの思惑から株高となったことを好感し、幅広く物色された。足元で時間外取引の米株先物が小幅ながらプラスで推移し、投資家心理を支えた。ただ、買い一巡後は、今晩米国で発表される5月雇用統計の発表を控える中で伸び悩んだ。結局、前営業日比376円高の3万1524円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:日本株高と米長期金利上昇で円売り優勢に

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の上げ幅拡大に支えられ、一時139.05円付近まで上昇した。米長期金利が上昇したことも、ドル買いにつながった。ただ、週末を控えて上値を追う動きは限られた。その後は、米連邦準備制度理事会(FRB)が今月の会合で利上げを見送るとの観測からドル売りも見られ、138.70円付近へ押し戻された。複数のメディアが「米上院が債務上限法案を可決した」と報じたが、ドル/円相場への影響は限定的だった。午後は、日経平均株価の大幅高や米長期金利上昇を眺めたドル買い・円売りが持ち込まれ、139.00円付近へじり高となった。しかし、今晩発表される5月米雇用統計を見極めたいとの雰囲気もあり、上げは一服した。その後は、小幅に値を下げて138.90円台を中心とする狭いレンジで推移した。ユーロ/ドルは、1.07ドル台後半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

GPIFと3共済の売り越し余地は約3.9兆円:大和証

大和証券は1日付のリポートで、22年12月末以降の資産価格の変動のみを考慮すると年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と3共済の売り越し余地の合計を約3.9兆円と推計した。前の週から株価が下落したことで、売り越し余地は前週(約4.8兆円)から縮小したとみられるという。東証の投資主体別売買動向で、年金の売買を反映するとみられる信託銀行は9週連続の売り越しで、9週間の売り越し額は1,3兆円に達したことも指摘した。

 

22年度税収は過去最高ペースで4月末時点で60兆円超

財務省は1日、2022年度の一般会計税収が4月末時点で61兆5325億円だったと発表した。21年度の同時点を8.1%上回っており、4月末時点としては過去最高を更新した。所得税、法人税、消費税のすべてが増えている。22年度税収は3年連続で過去最高を更新する可能性がある。企業の業績が好調に推移していることもあり、法人税は19.8%増の9兆7488億円だった。消費税は6.7%増の19兆2693億円だった。

 

トルコ中銀の外貨準備高不足は深刻

トルコ中銀の外貨準備高不足は深刻であり、為替介入によるリラ買い・外貨売りは限界に迫ってきている。昨日トルコ中銀が公表した週間データから一部通信社が算出した数値によれば、中銀のネット外貨準備高は前週比42.5億ドル減のマイナス44億ドルを記録した。複数の国との通貨スワップやサウジアラビアからのドル預金にもかかわらず、準備高は昨年末から約320億ドルも減少した。夏の観光シーズンに入ってくるため、トルコの主要産業の1つ観光業による外貨獲得は今後期待できそうである。それでも外国資本が振り向かない限りはトルコから外貨の純流出は続いてしまう。その外資にとっても、本日か明日に発表される新内閣は注目である。金融・財政政策の正常化に取り組める経済チームが作られるのかが重要となってきている。

 

南アから資金流出が巨額になっている

昨日、5月の南ア債の月間売り越し額が判明したが、この15年で2番目に高い結果となった。1番高かったのが2015年に南ア債がジャンク債に引き下げられた時である。8年ぶりの高水準を記録したように、南アからの資金流出は巨額になっている。新興国通貨をドル換算した数値では、先月は新興国通貨の売りは2%程度だったが、ランドは11%安になっている。新興国でも経済・政治情勢が違うとはいえ、南ア=ランド売りが大きかったことがこのデータでも示されている。

 

米小売各社が業績見通し下方修正となり個人消費の脆弱さ鮮明

米百貨店大手メーシーズやディスカウント大手ダラー・ゼネラルが1日に発表した利益見通しが軟調だったことを受け、根強いインフレを背景とした個人消費の脆弱さが浮き彫りになった。複数の小売業者は、食品など必需品の値上がりに消費者が反応する中、売上高が減少したとしている。米個人消費は高インフレに対し総じて底堅さを示しているものの、高額商品が打撃を受けている。メーシーズは米消費者の支出控えが予想以上だとして通期の売上高と利益の見通しを下方修正した。株価は一時5%超下落した。下着ブランド『ビクトリアズ・シークレット』などは過剰在庫解消のため一段の値引きに踏み切っている。同社株はこの日、一時14%超下落した。マーティン・ウォーターズ最高経営責任者(CEO)は北米事業が厳しさを増していると述べた。前日の決算発表では通期売上高見通しを下方修正した。高級百貨店ノードストロームは通期業績見通しを維持する一方、富裕層が慎重な姿勢を強めていると指摘した。

 

1₋5月の米人員削減数は09年以来の多さ

米企業が今年これまでに発表した人員削減数は2022年通年の規模をすでに上回っていることが、再就職あっせん会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのリポートで明らかになった。1‐5月に発表された人員削減数は約41万7500人と、前年同期の4倍余り。新型コロナウイルス禍の影響が著しかった20年の初期を除くと、同期間としては09年以来の多さとなった。テクノロジーや銀行などホワイトカラーのセクターで始まった人員削減は、このところ小売りやメディアなど他の業界にも広がっている。チャレンジャーによれば、人員削減が最も多い業界は引き続きテクノロジー。1-5月に発表された削減数は約13万6800人で、2001年の後ではどの通年と比べても多い。01年は年間で16万8400人に達していた。米企業は景気減速を見込んで人員採用にブレーキをかけていると、チャレンジャーは指摘。採用計画は5月、20年11月以来の低水準だった。

 

米国市場では5月雇用統計が公表

予想は非農業部門は前月比+19.0万人、失業率は3.5%、平均時給:前月比0.3%/前年比4.4%。4月の非農業部門雇用者数は市場予想を上回ったものの、過去2カ月分は₋14.9万人と下方修正されており、実質的には8万人程度うの減少だった。ただ、娯楽・宿泊業、専門・ビジネスサービスの雇用増が続いており、5月については15万人超の雇用増となる見込み。失業率は下げ止まりが予想されており、0.1ポイント程度の上昇が予想される。

 

欧米市場イベント

○15:45   4月仏鉱工業生産(予想:前月比0.3%)
○16:30   バスレ・スロベニア中銀総裁、講演
○21:00   4月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.73%)
○21:30   5月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化19.0万人/失業率3.5%/平均時給、前月比0.3%/前年比4.4%)
○シンガポール(べサックデイ)、休場
○4日 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国による「OPECプラス」閣僚級会合

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