FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:日米長期金利の上昇を嫌気して利益確定売り優勢

日米での長期金利上昇で債券と比べた株式の割高感が意識され、株価指標面での割高な水準にある日用品など内需関連株を中心に利益確定売りが優勢となった。米長期上昇に伴い、新興国から資金が流出するとの警戒でアジア株が軟調に推移したのも嫌気され、日経平均の下げ幅を広げた。一時下げ幅を187円に広げた。結局、前日比135円安の2万3975円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:短期筋の利食い売りと本邦輸出勢のドル売りで上値重い

ドル/円は、高値警戒感から短期筋などが利食い売りを持ち込み114.27円近辺まで下げた。国内輸出企業によるドル売り・円買いも観測された。この流れは午後も続き、日経平均株価の下げ幅拡大を眺めて114.21円近辺まで値を下げたが、明日の米9月雇用統計を見極めたいとの雰囲気もあり、下押しは限られた。その後は、米長期金利が7年3ヵ月ぶりの高水準となる3.22%付近へ上昇したことに支えられ114.30円台を中心とした狭いレンジ相場でもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、米欧の金利差拡大を意識したユーロ売り・ドル買いが進み、一時1.1464ドル付近まで値を下げ8月20日以来の安値を付けた。

 

民主党中間選挙勝利ならトランプ大統領の納税申請書を精査

米民主党が11月の中間選挙で下院または上院の過半数議席を奪取した場合、トランプ大統領の納税申告所を精査する構え。申請書の入手権限を持つ可能性のある党内有力議員らが3日に明らかにした。民主党が下院で過半数を握った場合、歳入委員会の委員長に就任するとみられるリチャード・ニール(民主、マサチューセッツ)下院議員は、大統領の納税申請書を入手する考えを示した。トランプ大統領はこれまで自発的な公表を控えている。ニール氏は納税申告書の提出を求めるかとの質問に『イエスだ』と答えている。

 

米長期金利の水準訂正の動き

9月末にOFMCで公表されたドット・チャートが2020年中の利上げサイクル終了を示唆したことを受け、来年中にはトランプ減税の効果が薄れ、循環的な景気減速局面に入ると予想する市場参加者が多かったため、昨日の米長期金利上昇は意外性が強かった。米長期金利は、3%近辺で天井圏を形成していくとの見方が強かった。そのため、3%近辺で押し目買いしてきた投資家が、ポジション調整売りやヘッジ売りを強いられたことが米長期金利の急上昇につながった。このところの強い米経済指標や、パウエル米FRB議長が『中立レベルを超えるかもしれない』と発言したこともあり、3%近辺での水準感の見直しを迫られる結果となった。

 

新興国はトルコ・ショックの後は原油高の苦境

今夏の国際金融市場では『トルコ・ショック』に伴う動揺を受けて新興国で資金流出圧力が強まった。先進国による金融政策正常化の動きは新興国からの資金流出につながあると連想されやすい。そのため、金融市場の動揺が実態以上の売り圧力を招いた。ただし、足もとでは『トルコ・ショック』による影響が一巡しつつあるうえ、世界経済は引き続き拡大傾向を維持している。しかし、米国の対イラン制裁への懸念から原油価格が再び上昇してきた。原油輸入国では通貨安に伴う輸入物価の上振れも相まってインフレ圧力となる。経常赤字拡大など経済のファンダメンタルズの悪化につながる。結果として、インドやインドネシアでは通貨安圧力が再び高まり、通貨安阻止に向けた利上げに追い込まれている。

 

トルコショック時と何が違うのか

米長期金利上昇を受けて外国為替市場では米ドル高が進んでいる。米金利上昇とドル高になれば、数ヵ月前まではトルコなどの新興国懸念とリスク回避の動きになる要因だったが、直近ではそうなっていない。2018年の新興国波乱の象徴するトルコリラは3日、対米ドルで下げたが、取引範囲は1ドル=6リラ前後と9月下旬にかけてのレンジよりもまだ高い水準にある。対円でも19円前後の水準に安定している。新興国通貨はこれまで春と夏、米長期金利が3%台に乗せたタイミングで度々売り込まれてきた。今回と何が違うかだが、市場では『2019年にかけての米利上げを織り込んできたことや、ここにきて米政府の通商政策に対するスタンスが緩和したとの楽観論が出ていることが要因』との指摘がある。

 

欧米イベント

○20:30   9月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:21万3000件)
○22:15   クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○22:30   ノボトニー・オーストリア中銀総裁、講演
○23:00   9月カナダIvey購買部協会景気指数
○23:00   8月米製造業新規受注(予想:前月比2.1%)
○5日03:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:7.75%に据え置き)
○米財務省3年、10年、30年債入札条件
○中国(建国記念日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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