FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:半導体関連銘柄が指数をけん引

指数寄与度の大きい半導体関連銘柄が上げ幅を拡大、あるいはプラス転換するなどし、寄り付き後も上げ幅を拡大した。ただ、上値では利益確定目的の売りが出て、相場の重しとなった。市場では、一部のテクニカル指標では短期的な過熱感が示されており、3万1000円付近では利益の確定売りも出やすい環境との声が聞かれた。その後、前引け間際には日中高値を更新した。結局115円高の3万0916円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:日米金融政策の違いが意識されドルは底堅く推移

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸出勢のドル売り・円買いが通常より多く持ち込まれ、139.80円付近へ下落した。前日のNY時間におおよそ半年ぶりの高値140.23円をつけた反動から、利益確定やポジション調整のドル売り・円買いも観測された。午後は、米長期金利低下や日経平均株価の上げ幅縮小を眺めたドル売り・円買いに押され、一時139.68円付近まで下落した。ただ、今晩発表される米経済指標を見極めたいとの雰囲気もあり、下値を追う動きは限られた。その後は、日米金融政策の違いを意識したドル買い・円売りも見られ、139.70円台を中心とする狭いレンジで推移した。ユーロ/ドルは、1.0740ドルを挟んで小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

南アではインフレ抑制されてもランド買い基調に戻るのは難しい

注目された南アフリカ準備銀行(SARB)・金融政策委員会(MPC)では政策金利を7.75%から8.25%に引き上げた。SARBが政策金利を発表する前に、声明文で『ランドが引き続き軟調な動きを見せる公算が大きい』と発表したことで、ランド売りが進んだ。SARBはインフレを警戒したままでだが、昨日発表された南アの4月卸売物価指数(PPI)は、市場予想や前月よりも大幅に低下した。24日に発表されたCPIに続いてインフレ指標が低下したことは、南アにとってはポジティブなニュースと言える。また、中央エネルギー基金の最新データによると、6月の南アの基準エネルギー価格も引き下げが予想されていることもあり、ようやく南アのインフレ高進に歯止めがかかるのではないかという期待もある。しかしながら、他にも様々な問題を抱えている南アなので、多少インフレが抑制されたとしても、すぐにランドが買い基調に戻るのは難しい。SARBとしては昨日の大幅利上げはインフレ抑制のために致し方なかったとはいえ、金利上昇による経済の弱体化が懸念されるなど、負のスパイラルからなかなか抜け出せそうもない。

 

メキシコ銀行がインフレ沈静で金利据え置きの見方広がる

メキシコで5月前半の消費者物価指数(CPI)が発表された。前年比6.00%の上昇、コア指数は7.45%の上昇となり、いずれも前回(CPI+6.27%、コアCPI+7.59%)から伸びが鈍化した。市場予想(CPI+6.13%、コアCPI+7.49%)も下回る結果となり、市場ではインフレの減速を受けてメキシコ銀行(中央銀行)は当面政策金利を据え置くという見方が広がりつつある。

 

メキシコ首都近郊の火山活動が活発化

メキシコで火山活動が活発化し、市民生活や交通網にも影響が及んでいる。首都メキシコシティの南東70キロほどに位置するポポカテペトル山は標高5426メートルの国内で2番目に高い山だが、1993年から噴火が断続的に続いている。今月21日、専門家委員会は警戒レベルを『黄色フェーズ2』から『黄色フェーズ3』に引き上げることを勧告した。『黄色フェーズ3』は警報級の『赤色』の一段階手前。噴煙や火山灰の影響で、メキシコシティ国際空港やフェリペ・アンヘレス新国際空港など国内の主要空港が一時閉鎖される事態となっている。また、ポポカテペトル山の周辺では多くの自治体が学校を閉鎖。国家市民保護調整局(CNPC)は周辺の住民300万人に対して避難準備を呼びかけた。メキシコ国防省もすでにポポカテペトル合同任務部隊を結成し、すでに3000人以上の部隊が火山活動のさらなる活発化に備えて警戒態勢に入っている。

 

米失業保険申請件数は3週間ぶりに増加:US Dashbosrd

25日に発表された5月14日~20日の週間の米新規失業保険申請件数は前週比4000人増の22万9000件と市場予想の24万8500件を下回ったものの、3週間ぶりに増加した。前週分は速報の24万2000件から22万5000件へと下方修正された。季節調整前の実数も20万2044件と前週比で1306件増加したが、4週間移動平均は23万1750件と前週比で横ばいだった。米東部マサチューセッツ州が「失業保険の不正受給が多発している」と報告し、過去3ヵ月分を修正した。5月7~13日の週の総受給者数は179万4000人と前週比5000人減り、3月中旬から4月末にかけての180万台から2種連続での170万人台となった。

 

米債務上限問題が合意に至るのは26日遅くまたは27日か:ゴールドマン

ゴールドマン・サックスは25日付リポートで米政府の資金繰りが行き詰まる『Xデー』について、「6月2日までに米財務省の債務制限の余地がかろうじて300憶ドル(財務省が以前の債務制限予測で目標としていた最低現金)を超えず、6月9日までに資金が枯渇する」と予想した。イエレン財務長官が「6月上旬」や「早ければ6月1日」よりも正確な日程を近く議会に示すと指摘したのを踏まえ、「財務省は6月2日から6月5日までに債務上限を引き上げる必要があると議会に通知する可能性が高い」と見込んだ。発表時期については、「債務上限交渉の緊急性を維持するために、週末前ではなく合意に達した後、来週初め(5月30日)まで待つことを好むかもしれない」と指摘した。米債務上限を巡る交渉が合意に至る時期は、「金曜日遅く(5月26日)または土曜日(5月27日)に発表される可能性が最も高いと考えている」と指摘した。仮に予想通りとなれば、「火曜日遅く(5月30日)か水曜日(5月31日)に下院の投票が可能になるだろう。上院も法案を通過させる必要があるが、時宜を得た債務上限の引き上げを巡って争点となっている来年の実質的な支出削減は、「米国内総生産(GDP)のマイナス約0.1%(2023年の水準で凍結)からマイナス0.5%(下院を通過した法案)までの幅がある」とみていた。

 

米国市場では4月PCE物価指数が公表:予想は前年比+4.5%

3月実績は前年比+4.6%となった。サービス価格の上昇率は鈍化しつつあるが、家賃や賃金の上昇圧力が速やかに弱まる状況ではないため、4月については3月実績に近い伸び率となる可能性がある。PCE物価指数は2022年後半行こう、伸び鈍化が鮮明になっている。それでも、新型コロナ前と比べると高い水準で位置している。24日に公表された5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、追加利上げを巡って参加者の見解が分かれていた。PCE物価指数が市場予想を上回った場合、追加利上げへの思惑が一層強まる可能性も想定される。

 

欧米市場イベント

○15:00  4月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比0.3%/前年比▲2.8%)
○15:00  4月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.3%/前年比▲2.8%)
○15:45   5月仏消費者信頼感指数(予想:84)
○16:30   ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○16:40   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○21:00   1-3月期メキシコGDP確定値(予想:前期比1.0%/前年比3.9%)
○21:30   4月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.4%)
       4月米個人所得(予想:前月比0.4%)
       4月米PCEデフレーター(予想:前年比4.3%)
       4月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.3%/前年比4.6%)
○21:30  4月米卸売在庫(予想:前月比横ばい)
○21:30  4月米耐久財受注額(予想:前月比▲1.0%/輸送用機器を除く前月比▲0.1%)
○23:00   5月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:57.7)
○米債券市場は短縮取引(メモリアルデーの前営業日)
○香港(釈迦生誕節)、休場
○28日 トルコ大統領選、決選投票
○28日 スペイン地方選

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