FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:短期的な過熱感から利益確定売り優勢

短期的な過熱感を背景に利益確定売りが優勢になった。前日の米国市場で債務上限問題への警戒感がくすぶって株安となったことも重しになった。市場では、海外勢が日本株のパフォーマンスに注目して買われてきたが、3万円を上抜けてからはオーバーシュート気味との声が聞かれた。しかし、下値では買い遅れた投資家による押し目買いが観測された。中国で新型コロナウイルスの感染が再拡大していると伝わったことも相場の重しになった。結局、前営業日比275円安の3万0682円で終了した。信用評価損益率は19日申し込み時点でマイナス8.89%と、前の週のマイナス9.46%からマイナス幅が0.57ポイント縮小した。改善は4週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:米債務上限問題を巡りドルの重しに

ドル/円は、米連邦債務上限問題を巡る先行き不透明感が強まっているため、持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、138.35円付近へ下落した。米長期金利がやや低下したことや日経平均株価のさえない動きも、ドル/円の押し下げ要因となった。ニュージーランド準備銀行は政策金利を予想通り現行の5.25%から5.50%に引き上げることを決めた。直後に公表された声明では、金利据え置きが議論されたことが明らかとなり、政策金利はピークに達したとの見方も示された。このハト派的な声明で、利上げ停止観測が高まったことからNZD/円はNZD売り・円買いが強まり、86円台半ばから85円台前半へ急落した。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、小幅に値を下げて138.30円を挟んでもみ合いとなった。今晩の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の内容を見極めたいとのムードが広がっている。ユーロ/ドルは、1.07ドル台後半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

3メガ銀の外債含み損は22年9月比4割減少:日経

3メガバンクが日銀の金融政策の修正などによる国内外の金利上昇への備えを強めている。各行は含み損を抱えた外国債券の売却を進めたことで、3メガが保有する外債の含み損は2023年3月末時点で2兆3900億円となった。米国の利上げの影響で異例の規模となった22年9月末の4兆円弱から4割減った。

 

トルコ政府の外国為替リンクのリラ建て定期預金が過去最高

トルコ経済が頼りとする欧州経済の減速懸念がくすぶっている。昨日は独やユーロ圏の5月製造業PMIがさえない結果となった。本日発表の同月独Ifo企業景況感指数を受けた独株・金利やユーロの動きには注意が必要である。なお、トルコ政府が導入している外国為替リンクのリラ建て定期預金は12日週に前週から1440億リラ増加し、過去最高の約2.35兆リラに達したことが分かった。この預金は2021年末にリラ相場の暴落を支えるために政府が実施した。為替相場におけるリラ下落分を政府予算で補うという損失補填型の預金である。ネバティ財務相は今後の預金減少を見込んでいるが、政府負担の拡大を警戒する見方は広まったままである。

 

海外からメキシコへの投資額増加が期待される

メキシコ経済省が28日に公表したデータによると、メキシコへの海外直接投資額は今年1-3月期に186億ドルに達した。2022年1-3月期(194億ドル)からはやや減少したものの、194億ドルのうち60億ドルほどはアエロメヒコ航空の財務再編に伴う特殊なフローであったため、実質的には大幅増となった模様。経済省は今回の結果に対して『メキシコへの投資を維持し拡大するという企業・投資家の自信を表している』と言及しており、今後もメキシコへの投資額増加が期待される。

 

顧客が米株を過去8カ月で最大の買い越し:BofAセキュリティーズ

BofAセキュリティーズの23日付の顧客フローリポートによると、同社の顧客は先週(15~19日)の1週間に米株を43億6400万ドル買い越した。2週ぶりに買い越しに転じた。昨年10月以降、過去8カ月で最大の流入を記録したという。この週は米債務上限問題を巡って相場が一喜一憂した週で、合意への期待勝りS&P500週株価指数は週間で1.64%高となって反発した時だった。主体別動向ではヘッジファンド(HF)が8億1000万ドルの買い越しとなり、3週ぶりに買い越しに転じた。機関投資家は20億4500万ドルを買い越し、こちらも3週ぶり買い越しに転じた。機関投資家は20億4500万ドルを買い越し、こちらも3週ぶり買い越しとなった。個人投資家は6億8400万ドルの売り越して、8週連続で売り越しだった。個人は年初来で最大の売り主体となっており、売り越し額の4週平均は2008年以降のデータで、21年10月以来のおよそ1年8カ月ぶりにマイナス2σ水準に接近した。BofAの調査では個人投資家は今年、株式から債券やキャッシュに移行しているという。企業の自社株買いは4億3700万ドルと2週連続で鈍化した。セクター別では11のセクターのうち9セクターが買い越しだった。資金流入となったセクターが9億4000万ドル、コミュニケーション・サービスが3億9600万ドルと目立った。一方で資本財からは1億7400万ドル、素材からは9600万ドルが流出した。

 

米新築住宅販売は13カ月ぶりに高水準:US Dashbosrd

23日に発表された4月の米新築一戸建て住宅販売件数(季節要請済み、年率換算)は前月比4.1%増の68万3000戸と市場予想の66万戸を上回った。2022年3月以来、1年1カ月(13カ月)ぶりの高水準となった。前年同月比でも11.8%増え、伸び率は21年4月以来の大きさだった。最大市場の南部が44万3000戸と前月比17.8%増、前年同月比23.4%増と大きく伸びた。販売価格(中心値)は42万800ドル(約5800万円)と前月比で7.7%下落し、21年12月以来の低水準だった。前年同月比でも8.2%低下し、前年同月比でマイナスとなるのは20年8月以来、2年8カ月ぶりだ。中古住宅の在庫不足と販売価格の下落が新築戸建て住宅の需要を強めた。一方、足もとの住宅ローン金利(30年固定物)は6.57%と2カ月ぶりの高水準で下げ渋り、購入の重荷となっている。

 

1~3月期の決算上振れは異常値の可能性:クレディ・スイス

クレディ・スイスは23日付リポートで、S&P500種株価指数における構成銘柄の2023年1~3月期決算は78%が市場予想を上回る1株利益(EPS)を発表したほか、EPSの上振れ率は6.6%と22年1~3月期以来の高水準となるなど、好調な結果だったとし、4~6月期の見通しよりも前向きになっていると振り返った。一方で、この改善が持続するかは疑問が残るとも指摘。これまで、企業決算のサプライズ率はISM製造業景況指数に沿って推移する傾向があったとした上で、足もとでISM製造業が50割れで推移する中、1~3月期の業績改善は異常値であった可能性が高いとの見方を示した。クレディ・スイスはS&P500のEPS成長率について、4~6月期が前年同期比3%減、7~9月期が同2%減~変わらず、10~12月期が同3%~5%増で着地すると予想している。

 

欧米市場イベント

○15:00   4月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.7%/前年比8.2%)
○15:00   4月英CPIコア指数(予想:前年比6.2%)
○15:00   4月英小売物価指数(RPI、予想:前月比1.2%/前年比11.1%)
○17:00   4月南アフリカCPI(予想:前月比0.5%/前年比7.0%)
○17:00   5月独Ifo企業景況感指数(予想:93.0)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○23:30   EIA週間在庫統計
○25日01:10   ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○25日02:00   米財務省、5年債入札
○25日02:45   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○25日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(5月2-3日分)

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