★日経平均株価:円安や米債務上限問題の協議継続を好感した買い継続
ドル/円が前日の取引時間中に比べて円安水準で推移していることや米債務上限問題の協議継続で投資家心理が改善したことで、堅調な展開だった。連日でバブル後高値を更新している。市場では、東証による低PBR企業への改革要請やインバウンドの回復など、日本特有の材料を背景に海外投資家を中心とした買いが継続しているとの指摘が聞かれた。ただ、経済産業省が対中国を意識して、7月23日から先端半導体の製造装置など23品目を輸出管理の規制対象に加えると伝わり、売り材料になったとみられる。結局、前営業日比129円安の3万0957円と9日ぶりに反落して終了した。
★東京外国為替市場:心理的節目となる139円が視野に入ると上げ一服
ドル/円は、高値警戒感から利益確定やポジション調整のドル売り・円買いに押され、138.40円台へ下落した。仲値にかけて本邦実需筋の動向が注目されたが、需給に大きな偏りは見られなかった。仲値発表後は、低下していた米長期金利の持ち直しがドル買い・円売りを誘い、一時138.87円付近まで値を上げて昨年11月以来の高値をつけた。ただ、心理的節目の139.00円が視野入りすると上げは一服した。午後は、日経平均株価の急反落がリスク回避のドル売り・円買い要因となり、一時138.36円付近まで下落した。その後は、日米金融政策の違いを意識したドルの押し目買いが見られ、値を切り返して138.60円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、夕方に発表されるユーロ圏の経済指標を見極めたいとの雰囲気から、1.0805ドルを挟んで小動きに終始した。
★欧州市場ではS&Pグローバル5月ユーロ圏サービス業PMIが公表:予想は55.5
4月実績は53.6でサービス業の指数は好調だった。新規受注は引き続き順調。5月については新規受注が底堅さを維持しており、金利上昇の影響は一部にとどまっていることから、4月実績に近い水準となる可能性がある。
★トルコの大統領選はエルドアン現大統領が優位に
エルドアン大統領と野党連合のクルチダルオール候補のトルコ大統領選・決選投票を28日に控え、両陣営による有権者の取り込みが過熱している。そういったなか、1回目投票で5%超の得票率を獲得し3位だった極右民族主義のオアン氏は、エルドアン支持を表明した。
★南アランド安の勢いが弱まると考えるのは難しいとの意見が多い
25日の南アフリカ準備銀行(SARB)・金融政策委員会(MPC)では3月に続いて50ベーシスポイント(bp)の利上げが織り込まれている。24日に4月の消費者物価指数(CPI)が発表されることもあり、前日まで予想が変わる可能性もある。経済調査局(BER)をはじめ当初は3月で利上げサイクルが終了するとの予想が大半だったが、南アのインフレ高進は深刻で、今月で利上げサイクルが終わるのも難しいかもしれない。また、利上げが拡大する要因の1つに通貨防衛のためとの声もあるが、前回の大幅利上げの効果があったのも数日だったことを考慮すると、通貨安の勢いが弱まると考えるのも難しいとの意見が多くある。また、G7サミットが終わったものの、南アからの報道では与党アフリカ民族会議(ANC)がロシアとの蜜月関係を絶たない限り、制裁対象になるリスクがあることで、南アは危機から抜け出せないとの声も高まっている。
★JPモルガンは銀行買収で金利収入予想引き上げ
米CNBCは22日に、JPモルガン・チェースが年間の純金利収入を840億ドルと予想、4月時点の見通しから30億ドル(約4150億円)引き上げたと報じた。破綻したファースト・リパブリックの買収が見通し上方修正につながったとしている。資産額で米最大のJPモルガンは銀行危機の恩恵を受けたと伝えた。
★米国株は心配の壁を昇る:BofAセキュリティーズ
BofAセキュリティーズは22日付リポートで、『強気相場は心配の壁を登る』という相場格言を踏まえ、米国株相場の直近の動向に言及しつつ「市場は心配の壁を乗り越え、希望のスロープを滑り降りる」との見解を示した。米個人投資家協会(AAII)の週間調査で今後6カ月の株式相場に『強気』と答えた個人の割合が22.9%にとどまることや、レバレッジファンドによる積極的なショート、マネー・マーケット・ファンド(MMF)への資金流入が過去最高の水準になっており、こうした状況は『希望のスロープ』ではなく『心配の壁』を示唆していると指摘した。投資家のセンチメントやポジション、キャッシュ水準を踏まえ、「ハルマゲドンに備えている投資家が過小評価されていることを示唆している。かられの最大の懸念が現実化しなかったり、将来に向けてさらに先送りされた場合、巻き返しラリー局面、いわゆる上昇相場に乗り遅れまいとするFOMO(Fear Of Missing Out)ラリーのリスクが高まる」とみていた。リポートでは、今年のパターンは2019年の中国貿易戦争や12年のユーロ債務危機などの心配の壁を登るパターンと似ているとも指摘した。S&P500種株価指数が4177~4195の抵抗体を突破することで、「2月初旬から5月下旬にかけてFOMOの上昇を示唆する強気のカップ・安堵・ハンドル(下降トレンドから上昇トレンドを示唆するパターン)が完成し、22年8月のピークである4325まで上昇し、おそらくパターンカウントは4580まで上昇するだろう」との認識を示した。
★欧米市場イベント
○16:15 5月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:46.0)
○16:15 5月仏サービス部門PMI速報値(予想:54.0)
○16:15 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○16:30 5月独製造業PMI速報値(予想:45.0)
○16:30 5月独サービス部門PMI速報値(予想:55.3)
○17:00 5月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:46.0)
○17:00 5月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:55.6)
○17:00 3月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○17:00 ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○17:30 5月英製造業PMI速報値(予想:48.0)
○17:30 5月英サービス部門PMI速報値(予想:55.5)
○18:15 ベイリー英中銀(BOE)総裁、議会証言
○21:30 4月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.1%)
○21:30 4月カナダ原料価格指数(予想:前月比0.7%)
○22:00 ローガン米ダラス連銀総裁、あいさつ
○22:45 5月米製造業PMI速報値(予想:50.0)
○22:45 5月米サービス部門PMI速報値(予想:52.6)
○22:45 5月米総合PMI速報値(予想:53.0)
○23:00 4月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲2.6%/66.5万件)
○23:00 5月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲8)
○23:45 ハスケル英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○24:00 ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○24日02:00 米財務省、2年債入札
○24日02:50 ナーゲル独連銀総裁、講演
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