★日経平均株価:半導体関連株が堅調で指数を押し上げ
為替の円安が追い風となったほか、米半導体高などを背景に、指数寄与度の大きい半導体関連株が堅調で指数を押し上げた。前日の米半導体株高や岸田首相が海外の大手半導体企業の幹部らと面会したことが好感され、指数寄与度の大きい半導体関連銘柄が堅調に推移し、相場をけん引した。ただ、その後は短期的な過熱感などが警戒され、高値圏でもみ合う展開が続いた。結局、前営業日比480円高の3万0573円と6日続伸して連日の年初来高値を更新した。JPXが発表した5月第2週(8日~12日)の投資部門別株式売買動向(東証・名証の合計)によると、海外投資家(外国人)は5648億円買い越しとなり、買い越しは7週連続となった。個人投資家は3054億円の売り越しとなり、売り越しは5週連続のとなった。信託銀行は1473億円の売り越しとなり、売り越しは7週連続となった。
★東京外国為替市場:137円台半ばで上下に振れる展開
ドル/円は、日経平均株価の大幅高を眺めたリスク選好の円売りが先行し、137.70円付近へ上昇した。しかし、高値警戒感から利益確定やポジション調整のドル売り・円買いが持ち込まれ、一時137.29円付近まで下落した。仲値にかけて本邦輸出勢のドル売り・円買いが通常より多く観測されたことも、ドル/円の押し下げ要因となった。その後は、日米金融政策の違いを意識してドルを買い戻す動きも見られ、137.50円付近へ値を切り返した。午後は、日経平均株価の底堅い動きやアジア株高を眺めたドル買い・円売りが入り、一時137.74円付近までじり高となった。低下していた米長期金利が持ち直したことも、ドル買いにつながった。ただ、5月2日につけた高値137.78円に接近すると上げは一服した。その後は、利益確定などのドル売り・円買いが入り、137円台半ばへ押し戻されている。ユーロ/ドルは、最近発表された米経済指標が好調で、米景気減速懸念が後退しているためユーロ売り・ドル買いが優勢となり、1.08ドル台半ばから1.08ドル台前半へ水準を切り下げた。
★東証の改善要請に関して「人的資本投資」が最多:QUICK短観
QUICKが18日発表した5月の短期経済観測調査(QUICK短観)の特別調査によると、東京証券取引上がPBR1倍未満の企業への改善計画の策定・実施を要請しているのに関連し、市場での評価を高めるための取り組みを聞いたところ「人的資本への投資を推進する」との回答が97社と全体の47%で最多だった。上場企業を対象とした調査で208社が回答した。回答の選択肢は「その他」を含む8つで、複数回答を可能とした。次いで多かったのは「資本収益性・株価に関する指標を経営目標に取り入れる」との回答で44%、さらに「投資家との対話やガバナンスを向上させる」が38%だった。「特段の対応強化は考えていない」は1%にとどまり、ほとんどの企業が評価向上に取り組む考えを示している。
★トルコの決選投票を控えCDSは高止まり
ドル建てトルコ債を対象とするクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は上昇基調のままである。信用リスク(債務不履行に備える保証率)を示すCDSのトルコ5年債は、選挙前から200ベーシスポイントも上げ幅を拡大し、約7カ月ぶりの水準を記録した。エルドアン政権が続くことへの不安感は外国人投資家を中心に高まったままであり、そうなるとリラの上値も積極的に追いづらい。なお28日の決戦投票を控え、野党6党から出馬しているクルチダルオール候補は昨日、選挙広報チームの入れ替えを発表した。新たな広報トップにはイマモール・イスタンブル市長を選出。イマモール氏は2019年の地方選でエルドアン大統領の出身地であるイスタンブールで勝利し、反エルドアンの象徴的な存在でもある。しかしながら、残り10日間で1回目投票の差を埋めることができるかは不透明。
★南アランドの買い要因を探すのが難しい状況
来週25日におこなわれる南アフリカ準備銀行(SARB)での利上げにより、更に金利差が拡大することによるランド買い以外は、買い要因を探すのが難しい状況である。もっとも、SARBの利上げは、すでに電力不足で苦しんている経済や企業にさらに大きな痛手となるとの予想もあり、利上げするのもネガティブ、据え置くのもランド売りになりネガティブと、どちらに動いてもランド買いが進みにくい状況である。南アは様々な問題を抱えているが、明日から始まるG7サミットの動きにも要注目となる。ウクライナのゼレンスキー大統領もオンラインで参加するとの予定となっているが、ロシアに対する更なる制裁、そしてロシア企業に関与した第三国に対する制裁導入が決定した場合は、南アは難しい立場に立たされる。週末には駐南ア米国大使が謝罪したことで、南アの武器供与問題はいったん収まっているが、疑いが晴れていないことも事実なことで、再びランド売りに動く可能性もある。
★米住宅着工件数は予想上回るも先行指標の許可件数は減少:US Dashbosrd
17日に発表された4月の米住宅着工件数は前月比2.2%増の140万1000戸(年率換算、季節調整済み)と市場予想の140万戸をわずかに上回った。最も大きな割合を占める一戸建ての着工件数が前月比1.6%増の84万6000戸、変動の激しい5世帯以上の集合住宅も同5.2%増の54万2000戸と揃って全体を押し上げた。先行指標である許可件数は前月比1.5%減の141万6000戸と市場予想の142万5000戸を下回った。一戸建ての許可件数は同3.1%増の85万5000戸と3ヵ月連続で増加し、2022年9月以来の高水準となった。中古住宅の在庫不足による個人からの旺盛な需要が示された。しかし、5世帯以上の集合住宅の許可件数は同9.7%減の50万2000戸と2ヵ月連続で減少し、20年12月以来の低水準となった。住宅ローン金利の上昇と金融機関などの融資態度の厳格化などが背景として考えられる。足元の住宅市況には底入れから安定化へと明るさが見え始めているが、先行きについては不透明感が漂う。
★欧米市場イベント
○15:35 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○16:00 ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○16:45 ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○18:00 日米首脳会談(広島市)
○18:15 ベイリー英中銀(BOE)総裁、議会証言
○21:30 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:25.4万件/181.8万人)
○21:30 5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:▲19.8)
○22:05 ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○22:30 バーFRB副議長(銀行監督担当)、米上院銀行委員会で議会証言
○23:00 4月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲3.2%/年率換算430万件)
○23:00 4月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.6%)
○23:00 ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○19日04:00 メキシコ中銀、政策金利発表(予想:11.25%で据え置き)
○スイス、ノルウェー、スウェーデン(キリスト昇天祭)、休場
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