FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:半導体関連銘柄が指数を押し上げ

前日の米半導体株高を受け、指数寄与度の大きい半導体関連銘柄が堅調で指数を押し上げた。TOPIXはバブル後高値を更新し、1990年8月以来33年ぶり高値を付けた。その後は、利益確定売りなどに押されやや伸び悩む場面もみられたが、前引けにかけては高値圏でもみあう展開が続いた。結局、前営業日比216円高の2万9842円と4日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:手掛かり材料難から116円を挟んでもみ合い

ドル/円は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、136.00円を挟んでもみ合いとなった。仲値にかけて本邦実需筋の動向が注目されたが、需給に大きな偏りは見られなかった。仲値発表後は、本日予定されている米債務上限問題を巡るバイデン米大統領と議会指導部の協議を控えて上下に動きにくく、136.00円近辺での取引が続いた。午後は新規の手掛かり材料難から積極的な売り買いは見送られ、135.90円台を注視とする狭いレンジで取引された。今晩予定されている4月米小売売上高やFRB当局者の発言内容を見極めたいとのムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.08ドル台後半で小動きの展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

株主還元拡大の動きは今後も続くとみられる:JPモルガン

JPモルガン証券は15日付のリポートで、12日までに東証プライム上昇企業のうち82%が23年1~3月期決算を発表したことを踏まえながら、「今回集計では、東証改革を受けた株主還元拡大の動きが出てきたことがポイント」との見解を示した。リポートでは、自社株買い、増配ともに先行き不透明感から発表企業数は少ないものの、1社当たりの増加額は大きく、いずれも還元が大きかった前年に迫る勢いだとしながら、「株価純資産倍率(PBR)1倍割れ企業は自社株買い発表企業の2割、増配発表企業の3割に留まり、株主還元拡大の動きは今後も続くとみられる」と指摘した。また、株価の反応としては1~3月期実績の上振れ・下振れに応じて例年よりも大きいとしつつ、「今回は株主還元がより大きなファクターになっているとみられる」とも指摘した。

 

トルコの選挙結果を受けリスク回避の資産売り

14日の選挙結果を受けてイスタンブール株式市場の主要指数は6%超安、ドル建てのトルコ債も下落し、信用リスク(債務不履行に備える保証率)を示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)も上昇した。そういったなかでは、リラを買い上げる動きは出にくい。6419万人の有権者中87%が投票したトルコ大統領選では、現職のエルドアン大統領が49.5%の票を得た一方、世論調査で優勢だった野党連合から推されたクルチダルオール候補は44.9%に留まった。どちらの候補も当選に確実な5割に達せず、28日に決選投票が行われる。最大野党・共和人民党(CHP)の党首でもあるクルチダルオール候補は、イスタンブールやアンカラなどの大都市ではエルドアン大統領に勝利した。しかしながら、地方での票の伸び悩みが痛かった。決戦投票では、1回目で5%超の得票率だったシナン・オアン候補支持者の行方が鍵となってくる。一部通信社によれば極右のオアン氏は、クルチダルオール候補がクルド系政党の国民民主主義党(HDP)への歩み寄りを止めた場合のみ、同候補を支持すると述べている。

 

南アフリカでは失業率が発表:悪化なら中期的な影響も

本日は南アからは1‐3月期の失業率が発表される。市場予想は前期とほぼ同じ33%程度の予想となっている。南アフリカ準備銀行(SARB)は政府から米国同様に雇用の安定もSARBの責務に追加するようにとの圧力を受けているが、現時点ではSARBは雇用の拡大を中銀が行うことは不可能とし、拒否の姿勢を貫いていることで、失業率でランドが直接動意づくのは難しい。しかし、失業率が悪化傾向となった場合は、治安の乱れや、今後のラマポーザ政権の運営が厳しくなることで、中長期的な影響がある。

 

NY連銀製造業景況感が急低下:US Dashbosrd

15日に米NY連邦準備銀行が発表した5月の製造業景況指数はマイナス31.8と市場予想のマイナス3.5を大きく下回り、前月比で42.6ポイント悪化した。「新規受注」と「出荷」が急低下したことが主因で、「新規受注」はマイナス280と年初来の低水準となり、4月の25.1からの低下幅53.1ポイントは新型コロナウイルス感染拡大の2020年4月以来の大きさだった。「出荷」もマイナス16.4と4月の23.9から40.3ポイント低下した。米連邦準備理事会(FRB)による累積的な金融引き締めを背景とした景気懸念が強まるなか、22年以降、製造業の景況感は大きく揺らいでいる。足元での米地銀破綻に端を発する信用不安も、不安定な振幅を加速させた。一方、「6カ月先見通し」は9.8と前月比で3.2ポイント上昇し、将来に対する見通しは明るい。雇用情勢の堅調さが米景気を下支えするとの期待から、「新規受注」の停止は一時的なものに過ぎないと楽観的にみている。

 

債務上限問題はほとんどの投資家がXデー直前での解決を予想:JPモルガン

JPモルガンが顧客を対象に行った調査によると、米債務上限問題について、資金繰りに行き詰まる「Xデー」直前に、「短期的な債務上限の延長」で解決すると答えた比率が79%に上った。「Xデー直前に長期的な債務上限の延長」で解決すると答えた比率は15%となり、ほとんどの投資家がXデー直前での解決を見込んだ。「Xデーよりかなり前に上限が引き上げられる」との回答比率は4%、「米国がテクニカル・デフォルトに陥る」との回答比率はわずか2%だった。毎週行っている調査では、今後数日~数週間で株式エクスポージャーを拡大すると答えた比率は35%で、前週から8ポイント増えた。現在の株式のポジショニングについて、過去平均の30~40パーセンタイルと答えた比率が23%と最も多く、20~30パーセンタイルの21%、40~50パーセンタイルの17%が続いた。

 

欧米市場イベント

○15:00   4月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○15:00   1-3月英失業率(ILO方式、予想:3.8%)
○17:15   マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
○18:00   5月独ZEW景況感指数(予想:▲5.3)
○18:00   5月ユーロ圏ZEW景況感指数
○18:00   1-3月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.1%/前年比1.3%)
○18:00   3月ユーロ圏貿易収支
○18:30   1-3月期南アフリカ失業率(予想:33.0%)
○21:15   メスター米クリーブランド連銀総裁、討論会に参加
○21:30   4月カナダ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%/前年比4.1%)
○21:30   3月カナダ製造業出荷(予想:前月比0.7%)
○21:30   4月米小売売上高(予想:前月比0.8%/自動車を除く前月比0.4%)
○22:15   4月米鉱工業生産指数(予想:前月比横ばい)
         設備稼働率(予想:79.7%)
○23:00   5月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:45)
○23:00   3月米企業在庫(予想:前月比横ばい)
○23:00   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○23:00   バー米連邦準備理事会(FRB)副議長(銀行監督担当)、米下院金融サービス委員会で議会証言
○17日01:15   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、討論会に参加
○17日04:15   ローガン米ダラス連銀総裁、討論会に参加
○バイデン米大統領、債務上限を巡る議会指導部との協議
○欧州連合(EU)財務相理事会

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