FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:幅広い銘柄に利益確定売り優勢に

日経平均株価が最近の一方的な相場上昇で約27年ぶりの高値に対する警戒感から、個人投資家や短期筋から幅広い銘柄に利益確定売りが先行した。ただ、投資家の強気心理は根強く、前場中ごろ過ぎから円相場が対ドルで伸び悩んだのにつれて、日経平均も急速に下げ渋った。ただ、午後になると先物に利益確定売りが入り一時下げ幅を240円へ拡大した。結局、前日比159円安の2万4110円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:欧米勢待ちの様相となり狭いレンジ相場

ドル/円は、一部メディアが『イタリアは2021年の財政赤字目標について、対GDP比で2%を目指す』と報じられると、ショートカバーが入って113円台半ばから113.83円まで急反発した。日経平均株価が急速に下げ幅を縮小したことも、円売りを誘った。午後は、日経平均株価の下げ幅拡大をながめて持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、113.60円近辺まで下げた。もっとも、16:00に発表されるトルコ9月消費者物価指数(CPI)を見極めたいとの雰囲気から下値を追う動きは限られ113.70円前後でもみ合った。ユーロ/ドルは、1.15ドル台後半で方向感の欠く展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

欧州市場では8月ユーロ圏小売売上高が公表

7月の実績は前月比▲0.2%となった。通信販売やインターネット販売の増加が続いているものの、繊維・衣料品は減少している。8月については、通販・インターネット経由での販売増加が引き続き見込めることや雇用の拡大が続いていることから、7月に減少した反動で小売売上高はやや増加する可能性がある。

 

英保守党の党大会最終日によるメイ首相の演説に注目:過去2回はポンド安

英国中部バーミンガムで開かれている与党・保守党の党大会で2日、次期党首と首相の座を狙うジョンソン前外相が演説した。EUからの英国の離脱を巡り、7月にメイ政権が打ち出したEUとの関係を重視する離脱方針について、その方針では離脱後もEUの支配から抜け出すことにならないと強調し、『詐欺だ』と批判した。はたして本日閉幕する保守党大会でメイ首相がどのような発言をするのか、またポンドはどのような動きとなるのか市場参加者たちの注目が集まっている。メイ首相の演説は現地時間午前10時(東京時間18時)に予定されいる。

 

トルコの9月消費者物価指数(CPI)に注目

本日日本時間16時にトルコの9月CPIが公表される。8月に記録した約15年ぶりの前年比+17.9%を更に上回る+21.0%が市場予想となっている。インフレ率の急騰によるコスト高でトルコの不動産売上が減少との報道もあり、8月より上昇するとトルコ経済の鈍化が嫌気されやすい。そのため、トルコリラが売られやすくなる一方で、指標発表後には25日に金融政策決定会合を控えたトルコ中銀高官や、アルバイラク・トルコ財務相の発言が予想され、リラの買い戻し材料となるかが注目されている。

 

イタリアの財政問題絡みで連日ユーロのボラティリティが高い

イタリアのディマイオ副首相は2日、財政赤字の対国内総生産(GDP)比率の目標について、EU当局者などから修正を求める声が上がっているものの、変更しない方針を示した。連立政権の一翼を担う『五つ星運動』党首であるディマイオ副首相は、ラジオのインタビューで『2.4%の目標から引き返さない。これは明確にする必要がある。1ミリメートルも変更しない』と述べた。またフランスとドイツの指導者がイタリア政府の崩壊を望んでいることを『疑う余地はない』と語った。一夜明けると一転して、イタリア紙コリエレ・テラ・セラは閣議の内容からポピュリスト政権はEUに譲歩し、2012年の財政赤字をGDPの2.0%に減らすことを約束するも込みと報じた。報道直後はユーロ独歩高となったものの、時間の経過と共にユーロ売りが強まっている。

 

★欧米イベント

○15:20   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○16:00   9月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比3.40%/前年比21.10%)
○16:50   9月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:54.3)
○16:55   9月独サービス部門PMI改定値(予想:56.5)
○17:00   9月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:54.7)
○17:30   9月英サービス部門PMI(予想:54.0)
○18:00   8月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.2%/前年比1.7%)
○19:30   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○21:05   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○21:15   9月ADP全米雇用報告(予想:18万5000人)
○22:45   9月米サービス部門PMI改定値(予想:53.0)
○22:45   9月米総合PMI改定値
○23:00   9月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:58.0)
○23:30   EIA週間在庫統計
○4日03:00   ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○4日03:15   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○4日05:00   パウエルFRB議長、講演
○英保守党の年次大会でメイ首相演説(日本時間18時予定)
○ドイツ(統一記念日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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