FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:連休を前に手仕舞い売りが優勢に

明日から東京市場が休場となる中で、米国では連邦公開市場委員会(FOMC)や雇用統計の発表などを控えており、徐々に手仕舞い売りが優勢になった。円安が支援材料となり、昨年8月に付けた高値を超え、2022年1月以来の高水準となったが、その後は徐々に上げ幅を縮小した。結局、前営業日比34円高の2万9157円と4日続伸して連日で年初来高値を更新した。

 

東京外国為替市場:日米金融政策の違いが意識されドル買い優勢に

ドル/円は、米長期金利の低下を眺めたドル売りが先行し、137.30円付近まで下落した。しかし、日銀が大規模な金融緩和を当面続けていくとの観測が高まっているため、下値を追う動きは限られた。その後は、仲値にかけて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、137円台半ばへ値を切り返した。午後は、日米金融政策の違いが鮮明になっていることで、海外短期筋などがドル買い・円売りに動き、一時137.77円付近まで上昇して約2カ月ぶりの高値をつけた。豪準備銀行(RBA、中央銀行)による予想外の利上げを手がかかりとした豪ドル/円の豪ドル高・円安が波及した面もあった。ただ、3月8日につけた年初来高値137.90円が視野入りすると上げは一服した。その後は、急ピッチの上昇に対する警戒感から利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いも見られ、小幅に値を下げて137.60円台を中心に取引された。ユーロ/ドルは、休場明けとなる欧州勢の動向を見極めたいとの雰囲気から、1.09ドル台後半で小動きに終始した。

 

トルコのエルドアン大統領が選挙活動を再開

先週に体調を崩したエルドアン大統領は、14日の選挙に向けて活動を再開したようである。首都アンカラだけでなく、最大野党・共和人民党(CHP)の拠点であるトルコ第3の都市イズミルで大勢の前で演説した様子が報じられている。今後はトルコ最大の都市イスタンブールで選挙運動を強化するもようである。投票まで2週間を切るなか、有力な対立候補であるクルチダルオールCHP党首との支持率差が気になるところである。

 

メキシコの3月貿易収支の黒字額が記録的な数字

先週発表された3月貿易収支は黒字額が約536億ドルという記録的な数字となり、市場の赤字予想に反して黒字となった。米国への輸出増が主な要因とされているが、来月以降も基調が続けばペソにも影響を与えそうである。また、1-3月期GDP速報値も良好な結果となった。農業・鉱業部門が悪天候なども影響して大きく落ち込みを見せたものの、工業・サービス部門がそれを相殺して有り余るほどの好調さを見せた。金融引き締めを継続するなかでも外需・内需ともに力強い数字が今後もペソ高への追い風となる可能性がある。

 

破綻した米3地銀の資産総額は2008年の25行超える

米ニューヨーク・タイムズ紙は1日、今年経営破綻した米地銀3行の資産総額は2008年に破綻した25行より大きいと報じた。ファースト・リパブリック・バンク・シリコンバレーバンク、シグネチャー・バンクの資産額は計5320億ドル(約73兆1500億円)で、2008年に破綻した25行のインフレ調整後の資産5260億ドルを上回るとしている。2008年の金融危機は銀行システム危機を招き2015年までに連邦預金保険が適用された500行超が破綻したと伝えた。

 

米4月ISM製造業指数は依然縮小域:価格は急伸でFRBの追加利上げを正当化

米4月ISM製造業景況指数は47.1と、3月の3年ぶりパンデミック以降の低水準となった46.3から予想以上に改善した。ただ、活動の拡大と縮小の境目50を6カ月連続で下回った。2009年以降で最長となる。主要項目の新規受注は45.7と3月44.3から上昇も8カ月連続の50割れで活動縮小となった。企業は価格動向、将来の顧客需要に確信を持てていない。ISM製造業調査委委員長は新規受注が引き続き低迷しており、調査に回答した企業は製造業の成長がいつ回復するかを引き続き懸念していると、言及した。同指数の支払い価格は53.2と3月49.2から低下予想に反し上昇し昨年7月来で最高となった。4月に原油価格が再び上昇したことが原因となった可能性がある。景気縮小が継続すると同時に、価格が上昇しスタグフレーションの証拠となった。また、雇用は50.2と、3カ月ぶり50台を回復。価格の上昇とともに労働市場も依然強い証拠となり。米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げを正当化する結果となった。

 

米モルガン・スタンレーが大規模人員削減を検討

米金融大手モルガン・スタンレーが4~6期中に約3000人の人員削減を検討している。1日夕にブルームバーグ通信など主要メディアが報じた。昨年12月に実施した1800人規模の削減に続く追加策となる。景気減速を背景に企業のM&Aや株式の引き受業務など投資銀行業務の不振が続くことを見据えた措置とみられる。モルガンが4月に発表した2023年1~3月期決算では、純利益が前年同期比19%減の29億8000万ドルだった。企業の資金調達の動きが鈍ったほか、市況悪化で株式や債券の引受業務も低調だった。ジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)は投資銀行業務の回復の鈍さに言及し、経費削減の必要性を強調していた。

 

欧米市場イベント

○15:00   3月独小売売上高(予想:前月比0.4%/前年比▲6.5%)
○15:00   4月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比▲0.4%)
○16:00   4月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲22.0)
○16:00   4月トルコ製造業PMI
○16:30   4月スイス製造業PMI(予想:47.3)
○16:50   4月仏製造業PMI改定値(予想:45.5)
○16:55   4月独製造業PMI改定値(予想:44.0)
○17:00   4月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:45.5)
○17:30   4月英製造業PMI改定値(予想:46.6)
○17:30   1-3月期香港域内総生産(GDP)速報値(予想:前期比3.0%/前年同期比0.5%)
○18:00   4月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比7.0%)
○18:00   4月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比5.7%)
20:20   ロウ豪準備銀行(RBA)総裁、講演
○23:00   3月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数(予想:977.5万件)
○23:00   3月米製造業新規受注(予想:前月比1.1%)
○24:00   4月メキシコ製造業PMI
○3日03:00   4月ブラジル貿易収支(予想:84.00億ドルの黒字)
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○アジア開発銀行(ADB)年次総会(韓国・仁川、5日まで)

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