FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:大規模な金融緩和策の維持を好感した買い

大手ハイテク企業の好決算を受けて主要3指数が上昇した米国市場の流れを引き継いだうえ、日本企業の好決算銘柄への個別物色が相場を押し上げた。前場中ごろに、日銀が今会合で長短金利操作(YCC)の修正を見送ると伝わったことも支援材料となった。後場に入り、日銀が金融政策決定会合で政策の現状維持を決定し、買いの勢いが強まった。政策変更がなった点が株価の支援材料となった。結局、前営業日比398円高の2万8856円と年初来高値を更新した。

 

東京外国為替市場:日銀による金融緩和維持を受けると円売り強まる

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、133円台後半から134円台前半へ水準を切り上げた。仲値発表後は、一部メディアが「日銀は日銀金融政策決定会合で過去の金融緩和を総合的に評価する検討に入った」と報じると、ドル売り・円買いで反応、133.60円付近へ下落した。しかし、「今回の会合ではイールド・カーブコントロール(YCC)の修正は見送られる」との観測記事が伝わると、今度はドル買い・円売りが強まり、134円台へ急上昇する荒い値動きとなった。12時過ぎにドル/円は、日銀金融政策決定会合の結果発表を前に仕掛け的なドル売り・円買いが持ち込まれ、133.30円台へ急落する場面があった。しかし、すぐにショートカバーが入り、133円台後半へ値を戻した。13時頃、27~28日に開いた日銀金融政策決定会合で、大規模な金融緩和を維持することを決定した。声明では金融政策について1年から1年半程度の時間をかけて多角的なレビューを行うとの見解が示された。日米金融政策の違いが改めて意識されたことから海外短期筋などがドル買い・円売りに動き、一時135.10円台まで急伸した。ユーロ/ドルは、ドル/円のドル高・円安が波及して1.1005ドル付近へ下落した。

 

欧州市場では1₋3月期ユーロ圏域内GDP速報値

S&Pグローバルユーロ圏総合PMIは1月から3月まで50超を記録した。経済活動の活発化は、主にサービス部門の力強い伸びによるもの。一方、高インフレと借り入れコストの上昇によって家計は圧迫されているため、域内経済成長の大幅な伸びは期待できない。

 

トルコのエルドアン大統領の健康状態に不安残る

トルコ中銀は市場予想通りに政策金利を8.5%で据え置いた。声明でも現状の金利水準を適切と述べている。体調不良とされたエルドアン大統領は、保健相によれば、症状は消化器官の炎症によって引き起こされた軽い感染症ということである。その大統領は昨日、訪問を取りやめたアックユ原発の落成式にオンラインで参加した。健康状態に問題なしを訴えたが、海外メディアの報道では弱々しさが感じられたようである。残り半月となった選挙戦に不安が残る。

 

南アでは3月の貿易収支が発表:予想は250億ランドの黒字

南ア国内からは3月の貿易収支が発表されます。通常は貿易収支の結果で大きな動きにはならないが、3月は南アの港湾・鉄道などのインフラが壊滅的だったことで、その影響がどの程度出ているかを精査する必要がある。週末を控え、警戒しなくてはならないのはリスクの選好度合いがどちらに傾くかということである。

 

メキシコの大統領専用機がついに売却先が見つかった?

メキシコの前大統領であるペーニャ・ニエト氏、前々大統領のフェリペ・カルデロン氏が使っていた大統領専用機、ロペスオブラドール大統領は選挙公約の一つとして、この贅沢な専用機を売却することを掲げていた。その後、2022年には国有企業、そしてアルゼンチン政府に売買交渉を行ったものの失敗、2023年2月にはバイデン米大統領に物機や消防ヘリコプターと交換する形で飛行機を提供することを提案したが、これも成立に至っていない。なかなか売却先が見つからないなか、大統領は先日、『売却される可能性がある』と記者会見で発言した。詳細については避けたが、売却益については新たな病院を二つ建設する費用に充てるとのことである。なお、一部報道では飛行機はタジキスタン政府に売却される可能性があるとのこと。すでにタジキスタン政府に売却されたとも言われているが、真相は分かっていない。

 

米1₋3月期GDP価格指数が加速し5月以降も利上げの可能性:エバコア

27日に発表された23年1₋3月期(1Q)の米実質国内総生産(GDP)速報値が前期比年率1.1%成長で、市場予想の1.9%成長を下回ったものの、個人消費支出(PCE)価格指数でコア指数が4.9%となり、22年10‐12月期(4Q)の4.4%から加速したことを受けて5月米連邦公開市場委員会(FOMC)での25bp利上げ織り込み度が8割台に上昇した。比較的良好な1Qの経済指標を受け、エバコアISIは27日付のリポートで「5月以降も米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げの可能性を残しておく」との見解を示した。リポートでは、28日発表の1₋3月期の米雇用コスト指数(ECI)が上昇する可能性があるとしながら、「実際、1Qの成長率は、在庫の影響を差し引いても、3月の四半期経済見通し(SEP)における23年の成長率見通しが0.4%というFRB予想の中央値が低すぎることを示唆しており、当局が今後マイナス成長を見込んでいない限り、6月のSEPで上方修正しなければならないかもしれない」と指摘した。その上で、同社としては5月が再度の利上げとなり、信用収縮やディスインフレがFRBの予想より少し早く進む中、12月までに利下げが行われると予想しているものの、「成長の勢いと住宅を除くコア・サービス・インフレの粘着性により、FRBが5月の利上げ後、6月か、あるいは9月に、それまでにデータがより緩やかになっていなければもっと何かする必要があるかもしれないという上方リスクを抱えている」と指摘。それを占う上で、追加利上げを示唆するような文言が5月FOMCの声明文で示されるのかに関心を寄せていた。

 

パウエルFRB議長が偽ゼレンスキー大統領と通話

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が今年1月、ウクライナのゼレンスキー大統領になりすましたロシア人と通話していたことが分かった。米主要メディアが日本時間28日早朝に報じた。ロシア国営テレビが映像を公開した。ロシア人はいたずらで有名な2人組だという。米CNBCによると、FRBの広報担当者は「機密情報は論議されなかった」と説明した。友好的な会話で、FRBはウクライナを支持するという文脈だったという。ロシアが公開した映像は編集された可能性があるとも付け加えた。一方、ブルームバーグ通信は、パウエル議長は偽ゼレンスキー大統領と米国のインフレやロシア中央銀行など幅広い分野について議論していたと報じた。

 

欧米市場イベント

○14:30   1-3月期仏国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.2%)
○14:30   3月仏消費支出(予想:前月比0.3%)
○15:00   3月独輸入物価指数(予想:前月比▲0.9%/前年比▲3.6%)
○15:30   植田和男日銀総裁、定例記者会見
○15:30   3月スイス小売売上高
○15:45   4月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.4%/前年比5.7%)
○15:45   3月仏卸売物価指数(PPI)
○16:00   4月スイスKOF景気先行指数(予想:98.1)
○16:00   3月トルコ貿易収支(予想:86.0億ドルの赤字)
○16:55   4月独雇用統計(予想:失業率5.6%/失業者数変化1.00万人)
○17:00   1-3月期独国内総生産(GDP)速報値(季節調整済、予想:前期比0.2%/前年同期比0.3%)
○17:00   1-3月期独GDP速報値(季節調整前、予想:前年同期比0.8%)
○18:00   1-3月期ユーロ圏GDP速報値(予想:前期比0.2%/前年比1.4%)
○18:45   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、 ユーロ圏財務相会合で発言
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○19:30   ロシア中銀、政策金利発表(予想:7.50%で据え置き)
○21:00   4月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.6%/前年比7.3%)
○21:00   3月南アフリカ貿易収支(予想:250億ランドの黒字)
○21:00   1-3月期メキシコGDP速報値(予想:前期比0.8%/前年比3.3%)
○21:30   2月カナダGDP(予想:前月比0.2%/前年比2.6%)
○21:30   1-3月期米雇用コスト指数(予想:前期比1.1%)
○21:30   3月米個人消費支出(PCE、予想:前月比▲0.1%)
       3月米個人所得(予想:前月比0.2%)
       3月米PCEデフレーター(予想:前年比4.1%)
       3月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.3%/前年比4.5%)
○22:45   4月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:43.5)
○23:00   4月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:63.5)
○ユーロ圏財務相会合(ストックホルム)

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