★日経平均株価:米地銀への信用不安再燃への懸念から売り優勢に
米地銀の預金流出が懸念され米国株安となったことが嫌気され、売りが先行した。市場では、このところの日経平均は強く、大型連休前に利益確定したかったところ材料が出たため、売りが先行したとの声があった。一方、米ハイテク大手の決算が好感されて米国株先物が堅調となったことが投資家心理を下支えし、売り一巡後は下げ渋った。結局、前営業日比203円安の2万8,416円と反落して終了した。信用評価損益率は21日申し込み時点でマイナス9.27%と、前の週のマイナス8.59%からマイナス幅が0.68%ポイント悪化した。悪化は2週ぶりとなった。
★東京外国為替市場:リスク回避の動きからドルの上値の重い展開
ドル/円は、米金融システム不安が再燃していることからドル売り・円買いが先行、133.50円付近へ下落した。前日に発表された4月米消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)が低調な数字となり、米景気減速が警戒されていることもドル売り要因となった。しかし、本日のスポット応当日は月末にあたり、仲値にかけて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、133.75円付近へ値を戻した。その後は、日経平均株価のさえない動きを眺めたリスク回避のドル売り・円買いに押され、133.44円付近まで下落する場面があった。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、やや値を持ち直して133.60円台を中心とする狭いレンジで取引された。週後半に予定されている1~3月期米実質国内総生産(GDP)速報値や日銀金融政策決定会合を見極めたいとのムードが広がっている。ユーロ/ドルは、1.09ドル台後半で方向感を欠く展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。
★トルコ中銀はエルドアン大統領が敗北した場合政策金利上げ報道
一部通信社によるエコノミスト調査によれば、来月の大統領選でエルドアン大統領が敗北した場合、トルコ中銀は政策金利を24%まで引き上げると見る向きが多い。ただし、それでもインフレ率の減速は40%台までと見込まれている。なお、5月の中銀会合は、14日の選挙後となる25日に予定されている。しかしながら大統領選は2回目投票に進む可能性が高く、その投票日は5月28日である。1回目の結果で一喜一憂はしないほうが良いかもしれない。トルコ大統領府は昨日、5月1日から小麦やとうもろこしを含む特定の穀物輸入に対し、130%の関税を課すことを発表した。選挙を控え、国内の農業を保護するための施策と捉えられている。
★米地銀FRC株が5割安:預金急減で経営不安再燃
25日に米地銀ファースト・リパブリック・バンク(FRC)株が一時前日比51%安まで急落し、3月に付けていた上場安値を更新した。前日発表した2023年1~3月期決算で期末の預金が22年末で4割減った。市場想定を上回る大規模な流出で、同行の経営不安が再燃した。前日比49%安の8ドル10セントで引けた。22年末時点に比べて93%安い水準。3月10日にシリコンバレーバンク(SVB)が経営破綻するとFRCでも取り付け騒ぎが発生し、預金は1~3月期に719億ドル(約9兆6000億円)減った。資金繰りを助けるためJPモルガン・チェースなど大手米銀11行が実施した300億ドルの預金を考慮すると、一般顧客1000億ドルあまり預金を引き出したことになる。
★顧客が米株を4週ぶり買い越し:BofAセキュリティーズ
BofAセキュリティーズの25日付の顧客フローリポートによると、同社の顧客は先週(17~21日)の1週間に米株を22億4700万ドル買い越した。4週ぶりに買い越しに転じた。この週は2023年1~3月期の決算発表が本格化する中、翌週に大型ハイテク株の決算発表を控え様子見ムードも強く、S&P500種株価指数は週間で0.09%安となって反落した時だった。主体別動向ではヘッジファンド(HF)が6億1400万ドルの買い越し。2週続けて買い越した。機関投資家は9億2800万ドルを売り越した。4週連続で売り越しだった。個人投資家は3億3300万ドル売り越して、こちらも4週連続で売り越しとなった。企業の自社株買いは前週から加速し27億3800万ドルで、2022年10月以来の高水準となった。S&P500種の時価総額に対する自社株買い額はここ3週間で季節的傾向を上回っていることで、比率は0.083%と22年の同時点(0.065%)を上回った。規模別では年初来で資金が流入となっているのが大型株のみで、「中小型の流出をS&P500種の時価総額に占める割合で年換算すると、世界金融危機(GFC)後のデータでは記録的な(最大の)流出に向かっていることを示唆している」という。セクター別では11セクターが買い越しとなった。ハイテクと金融への資金流入が目立った。その一方で一般消費財と資本財の流出が目立っていた。年初からの累積で資金流出しているのは資本財のみだという。
★米新築住宅販売は1年ぶりの高水準:US Dashbosrd
25日に発表された3月の米新築住宅販売件数は、68万3000戸と前月の62万3000戸から9.6%増加した。市場予想の63万戸を大幅に上回り、2022年3月以来の高水準となった。販売価格の中央値は44万9800ドルと2カ月連続で上昇。在庫は5カ月連続で減少しており、新築住宅市場には底打ち感が出ている。背景のひとつとして住宅ローン金利の低下があるとみられている。30年固定の住宅ローン金利(週平均)は22年10月に一時7.16%と01年以来の高水準を記録したが、足元では6.4%近辺で推移している。
★米消費者の景況感は9カ月ぶり低水準:US Dashbosrd
米調査会社コンファレンス・ボードが25日発表した4月の米消費者信頼感指数は101.3と前月から2.7ポイント低下した。2022年7月以来9カ月ぶりの低水準で、市場予想の104.1を下回った。『現在の景況』は前月の148.9から151.1に上昇した。一方、『短期の見通し』は74.0から68.1に低下した。同指数は80を下回ると景気後退(リセッション)リスクが高まっていると示唆される。コンファレンス・ボードは「消費者は、ビジネス環境と労働市場の見通しついてより悲観的になった」と指摘した。「住宅、自動車、電化製品の購入、旅行の計画はすべて後退しており、悲観論が高まる中で消費者が節約をしている可能性があることを示している」と分析した。
★バイデン米大統領は再選出馬を表明:共同
バイデン米大統領(80)は25日、再選を目指して2024年11月の次期米大統領選に出馬する考えを正式表明した。政権奪還を目指す野党共和党ではトランプ前大統領(76)らが名乗りを上げており、選挙戦が本格化する。民主党の候補指名争いには故ロバート・ケネディ元米司法長官の息子で弁護士のロバート・ケネディ・ジュニア氏(69)と女性作家マリアン・ウィリアムソン氏(70)が出馬表明しているが、有力政治家に立候補の動きはない。民主党は現職を支持する方針で、バイデン氏の指名獲得は確実視されている。バイデン氏は新型コロナウイルス対策のほか、インフラ投資法や半導体投資法を通じて経済を活性化させたとして実績を誇示。だが史上最高齢の大統領として健康面を不安視し、世代交代を望む声も広がっており、さらに4年の任期を務められるかどうかへの懸念払拭が再選の鍵を握る。世論調査会社ギャラップによると、3月の支持率は40%で、不支持率は56%だった。
★欧米市場イベント
○15:00 5月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲27.9)
○15:45 4月仏消費者信頼感指数(予想:81)
○16:30 スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:3.50%に引き上げ)
○18:30 3月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比1.4%/前年比11.0%)
○20:00 MBA住宅ローン申請指数
○21:00 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○21:30 3月米卸売在庫(予想:前月比0.2%)
○21:30 3月米耐久財受注額(予想:前月比0.7%/輸送用機器を除く前月比▲0.2%)
○23:30 EIA週間在庫統計
○27日02:00 米財務省、5年債入札
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