FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価;海外投資家の買い戻しで底堅く推移

指数寄与度の大きい半導体関連株がしっかりと推移したほか、好決算銘柄に買いが入り、指数を押し上げた。一方、東証プライム市場では7割以上の銘柄が上昇し、業種別の色合いは見えず幅広く買われた。市場では、海外投資家を中心とした買い戻しが活発で、日経平均の地合いはしっかりしているとの受け止めが聞かれた。ただ、米国株価指数先物やアジアの株式相場が下落すると、日経平均も上げ幅を縮小した。結局、前営業日比26円高の2万8620円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利の低下を眺めドルの上値の重い展開

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、134.30円付近へ上昇した。その後、米長期金利低下を眺めて134.10円台へ下落する場面があった。しかし、植田日銀総裁が衆院予算委員会で「現行のイールドカーブコントロールによる金融緩和を継続していいくことが適当」と発言すると、日米金融政策の違いを意識したドル買い・円売りが入り、134.40円付近へじり高となった。午後は、持ち高調整などのドル売り・円買いが見られ、やや値を下げて134.20前後で小動きとなった。今晩発表される4月米消費者信頼化指数などの指標を見極めたいとのムードが広がっている。ユーロ/ドルは、1.05ドル台半ばで方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

独Ifo業況指数が6カ月連続改善

24日にドイツIfo経済研究所が発表した4月の独企業景況感指数は93.6と市場予想の94.0を下回ったものの、6カ月連続で改善した。今後の見通しを示す期待指数が92.2と市場予想の92.0を上回る改善を示したことが寄与した。一方、現況指数は95.0と市場予想の96.4に反して悪化した。Ifo所長は「ドイツ企業の懸念は後退しているものの、経済は依然としてダイナミズムに欠ける」と述べ、同研究所のエコノミストは「米中経済の強さがドイツの産業を下支えしている。銀行を巡る混乱は、企業心理に影響を及ぼしていない」と分析した。同24日にはドイツ連邦銀行(中央銀行)が月報で「2023年1~3月期の国内総生産(GDP)がプラス成長となった可能性が高い」と指摘した。小幅に縮小する(マイナス成長を続ける)との前回予測を上方修正した。

 

トルコの大地震で観光業の先行き懸念

トルコで最も重要な祝日ともいわれる砂糖祭(ラマダン明けの祭り)を終えた後でもあり、休み疲れ感も相場には広がっていた。トルコではまもなく観光シーズンが到来するが、2月に同国南部で起きた大地震の影響で予約数が思ったほど伸びていないようである。観光収入はトルコGDPの約10%を占めるとされ、重要な外貨獲得手段でもある。こちらもリラの先行きにとっては心配な材料である。

 

南アランドではネガティブなニュースに事欠ず

南アからは依然としてネガティブなニュースに事欠ず、ランドの抑えとなっている。この週末も、7つの発電ユニットが故障したためステージ6に電力制限が戻されたこと、水のインフラ整備のために水道価格の引き上げが検討されていることなどが指摘された。ただし、さらにランドを押し下げるには材料不足とも言え、レンジを広げるのは難しい。

 

メキシコのロペスオブラドール大統領の求心力が低下

メキシコ政府が提出する最近の法案について、国内外からの批判がかなり高まっていることは大きな懸念材料である。まず、鉱業法の見直し法案については採掘権を短縮し、水資源の許可規制も厳格化するため、国内外からの鉱業への投資が失われると批判されている。また、国家警備隊を国防省の指揮下に置く目的の一連の法改正についても、憲法違反として正式に最高裁判所が判断するなど、ロペスオブラドール大統領への求心力が低下している。

 

米4月製造業活動には広範な悪化が顕著

米4月ダラス連銀製造業活動指数は‐23.4と、3月-15.7から改善予想に反して悪化した。12カ月連続のマイナスで活動の縮小となった。昨年7月来で最低。重要項目である新規受注は-9.6と、3月-14.3から改善も11カ月連続のマイナス。ビジネスの広範な悪化が4月に顕著となった。企業見通しは-15.6と、-13.3から一段と悪化。また、今後6カ月の生産見通しも3と、13.5から急速に低下した。調査回答では一段と懸念が表明された。

 

米銀行不安が終わっていない理由:WSJ

米ウォールストリート・ジャーナル紙は、米銀行不安が終わっていない理由、預金流出や資金調達コスト上昇で中小企業が打撃を受ける可能性と伝えた。先月発生した銀行危機のパニック局面は終わりつつあるかもしれない。現在の大きな問題は、貸し渋りが起きた場合に経済がどの程度の打撃を被るかというものだ。その答えは数カ月先にならないと分からないかもしれない。シリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー銀行の経営破綻により、既に危うい状態にあった均衡が崩れた。米連邦準備制度理事会(FRB)が高インフレの抑制を目的に短期金利を積極的に引き上げた一方で、多くの銀行が預金金利を引き上げなかったためだ。両行で預金者の取り付け騒ぎが起きたのを受け、他の中小銀行や地銀では大口の給与口座を管理する企業の財務担当者などの顧客が、預金保険で保護されない預金をより厳格な規制の対象となっている大手マネーセンターバンクに移すべきかどうかを検討している。

 

米国市場では4月消費者信頼感指数が公表:予想は104.0

3月実績は104.2で2月実績を上回っており、直前に米地銀2行が破綻したものの、大きな影響はなかった。ただ、雇用情勢のさらなる改善は期待されていないとみられており、4月については3月実績をやや下回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○18:00   ブロードベント英中銀(BOE)副総裁、講演
○21:00   2月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比0.9%)
○22:00   2月米住宅価格指数(予想:前月比▲0.1%)
○22:00   2月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比横ばい)
○23:00   4月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲8)
○23:00   4月米消費者信頼感指数(予想:104.0)
○23:00   3月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲1.3%/63.2万件)
○26日02:00   米財務省、2年債入札

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