FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:日米の企業決算シーズンを控え上値追いは限定的

大型連休を控え、人流やインバウンド需要回復への思惑から内需株を中心に物色された。為替の円安は輸出関連株などの支えになった。一方、日米で企業決算シーズンとなり内容を見極めたい投資家も多く、上値追いは限られた。これまでのところ、指数の上値は限られた。市場ではバフェット氏の日本株への強気姿勢が引き続き買いの口実にされている一方、グローバルマクロの先行きに懐疑的な見方の投資家もおり、方向感が出にくくなっているとの声もある。結局、前営業日比29円高の2万8593円と小幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:日米イベント控え134円台半ば近辺でもみ合い

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸出勢などがドル買い・円売りに動き、134.10円付近へ値を上げた。仲値発表後は、先週末に発表された4月米PMIが予想外に強い数字となり、米景気減速懸念がやや後退していることから海外短期筋などがドル買い・円売りを持ち込み、134.50円付近へ上昇した。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、134.40円台を中心とする狭いレンジで取引された。今週予定されている1~3月期米実質総生産(GDP)速報値や日銀金融政策決定会合を見極めたいとのムードが広がっている。ユーロ/ドルは、1.09ドル台後半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ドル買い比率は上昇:前週のFX概況

QUICKが24日に算出した店頭の外国為替証拠金(FX)5社合計お建玉状況によると、「ドル/円」取引の総建玉に占めるドル買いの比率は21日時点で57.5%だった。前の週末から3.7ポイント上昇した。週後半にかけて円高・ドル安が進んだ局面で、相場の流れに逆らう「逆張り」戦略をとる個人投資家の円売り・ドル買いが増えた。19日の外国為替市場で、円相場は1ドル=135.14円と約1カ月ぶりの安値をつけた。インフレの高止まりで欧米の中央銀行による金融引き締めが長引くとの見方が円相場を下押ししたものの、週末にかけては133円台半ばまで円高・ドル安が進んだものにつれて個人による円売り・ドル買いが増えた。円に対しては欧州通貨を買う動きも増えた。「ユーロ/円」取引ではユーロの買い比率が2.8ポイント高い19.6%、「ポンド/円」取引でのポンド買いの比率は1.6ポイント上昇の41.0%だった。一方、「豪ドル/円」取引では豪ドル買いの比率は65.0%と0.9ポイント低下した。

 

今週トルコ中銀の政策金利を発表:現状維持が見込まれている

今週はトルコと日本の中央銀行が政策金利を発表する。どちらも現状維持が見込まれているが、市場の注目度がより高いのは植田氏が新総裁として初となる日銀金融政策決定会合である。トルコでは先週、ネバティ財務相が足もとのインフレ率が今後大幅に低下する見通しを示した。来月半ばの選挙を控え、物価高に対する国民の不安を和らげようと必死である。タイミングよく、黒海ではトルコが天然ガスの生産を開始している。見込み通りであれば、数年後にはガス国内消費の4分1をカバーできると言われている。ひとまずは選挙戦への影響を見極めることになる。

 

南アはインフレが高進

南アの3月消費者物価指数(CPI)は、前年比で市場予想と前回値を上回る結果となりまった。同月は国内エネルギー基準価格が低く抑えられたことで、インフレの進行に歯止めがかかると期待されていたが、逆に高進している。インフレ加速の最大要因は、食品価格の高騰している。食品インフレ率は前年比で14.0%上昇し、CPI全体の7.1%のうち2.4%を占めている。前回の南ア準備銀行(SARB)の利上げ後にランドは強含んだものの、CPI発表後は弱含んだように、インフレ高進はランドの売り要因になっている。なお、今週は3月卸売物価指数(PPI)と貿易収支が発表される。両指標とも通常は反応限定的となることが多いが、道路・港湾ともに流通インフラが壊滅的となっているなかで、貿易収支の結果には注目している。

 

国家警備隊を巡る法改正:最高裁判所が違憲と判断

メキシコの最高裁判所は国家警備隊を国防省の指揮下に置く目的の一連の法改正は違憲であるとの判断を下した。この法案は昨年9月に治安維持活動の強化のため、国家警備隊の実質的な管理運営を、治安市民保護省から国防省に移管するものとして施行された。ただ、これについて憲法21条では『国家警備隊を治安管轄省の傘下に置く』と定めており、与野党では憲法違反として問題視されていた。今回の裁判所の決定を受けて、ロペスオブラドール大統領は『権威主義的で腐敗した旧体制を擁護した』と痛烈に批判。2024年に総選挙後の新たな国会にて国家警備隊を軍の指揮下に置く、新たな憲法改正案を大統領の最後の優先法案として提出する姿勢を示した。国家警備隊を巡る法改正を巡って野党ばかりでなく与党からも求心力が弱まったとされており、ロペスオブラドール大統領にとって来年の総選挙が一段と厳しい戦いになってきた。

 

SBGと金融除けば微減益予想で業績トレンドに強さは見られない:ゴールドマン

国内の3月期決算企業の22年度決算シーズンを控える中、ゴールドマン・サックス証券は24日付のリポートで、コンセンサスは22年1~3月期(4Q)純利益が前年同期プラス58%と大幅増益を見込むとしながら、「昨年度の4Qに巨額損失を計上したソフトバンクGと、同4Qに利益が落ち込んだ金融を除くとマイナス1%の微減益予想となり、業績トレンドに強さは見られない」との見解を示した。リポートでは、期初の業績見通しへは今年度もかなり慎重なものになりそうとしながら、「企業業績への投資家の地震を深めるものとはならなそうだ」と指摘した。その反面、東証の「資本コストや株価を意識した経営の実現ぬ向けた対応」を受けて、低株価純資産倍率(PBR)企業が通期決算発表に合わせて改善策を発表する可能性があるといい、「改革への期待が日本株の追い風となろう」とも指摘。23年1月以降、既に改善に向けた対応を発表した企業が複数見られ、発表後には株価が大幅高となる場面が見られたことから、「低PBR企業の中でも特にリソースを改革に振り向ける余裕のある企業、財務状態の良好な企業や政策株保有比率の高い企業、業績が検討な企業に注目したい」ともみていた。

 

欧米市場イベント

○16:30   ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○17:00   4月独Ifo企業景況感指数(予想:93.4)
○17:35   ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○18:00   パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演

 

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