FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:円安や経済再開への期待から押し目買い

高値警戒感が重しとなり売りが先行したが、売り一巡後は切り返し、小幅プラスに転じた。円安や経済再開(リオープン)への期待などが相場を支援した。高値警戒感が重しになった一方で、特段の売り材料はないとみられており、押し目買いが入った。指数寄与度の高い半導体関連は朝方弱かったが徐々に持ち直し、下げ幅を縮小してプラスに転じた。結局、前営業日比50円高の2万8657円と小幅反発して終了した。4月第2週(10日~14日)の投資部門別株式売買動向(東証・名称)によると、海外投資家(外国人)は1兆494億円の買い越しとなり、買い越しは3週連続となった。個人投資家は4230億円の売り越しとなり、売り越しは2週ぶりとなった。信託銀行は2170億円の売り越しとなり、売り越しは3週連続となった。

 

東京外国為替市場:135.00円が上値目途として意識され押し戻される

ドル/円は、本日は五・十日にあたることから、仲値にかけて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、134.85円付近までじり高に推移した。仲値発表後も、ドル買い・円売り基調が続き、一時134.96円付近まで上値を伸ばした。ただ、心理的節目の135.00円が意識されるとこれ以上の上値を追う動きにはつながらなかった。その後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、134円台後半で小動きとなった。午後は、新規手掛かり材料難から積極的な売り買いとはならず、134円台後半で小動きとなった。今晩予定されている複数の米連邦準備理事会(FRB)当局者講演内容を見極めたいとのムードも広がっている。なお、4月の日銀地域経済報告(さくらリポート)では、前回から7地域が景気判断を据え置き、1地域は引き上げ、1地域は引き下げた。総括は「持ち直している」「緩やかに持ち直している」などが大勢を占めたものの、ドル/円への影響は限定的だった。ユーロ/ドルは、終始1.0950ドル台中心とする狭いレンジで取引された。欧州勢待ちの様相となっている。

 

YCC修正に慎重な意見との報道は確信的な記事には見受けられない:野村証

27~28日に植田新総裁が就任して初めてとなる日銀の金融政策決定会合を控える中、ブルームバーグは19日、『イールドカーブコントロール(長短金利操作)、YCC)政策を修正することへの慎重な意見が行内に広がっている』と報じた。野村証券は20日付のリポートで、背景として『米欧の金融不安に伴う海外経済の不確実性の高まり』を指摘しているとしながら、『だがあくまで議論状況の描写であり、確信的な記事には見受けられない』との見解を示した。

 

トルコ当局のリラ安抑制するために苦心:本日流動性に注意

本日は砂糖祭(ラマダン後の祭り)前日でイスタンブール証券取引所は短縮取引となる。為替もトルコ国内からの動意は薄くなることが予想され、それに伴う流動性の悪化には注意が必要である。トルコ国内の銀行に対する外貨購入制限の通知であるが、匿名の関係者筋の話として報じられており、公式のお達しではないようである。内容的には『為替保護預金(KKM、為替リンクの定期預金)』で銀行のニーズを満たした後、銀行間市場での1日の外貨購入限度額が口頭で伝えられたとの報道内容だった。一方、これまで実施されていたリラ管理措置については一部が緩和された。緩められたのは、『銀行による顧客のドル購入報告』『取引時間の制限』『個人投資家向けの為替レートの引き上げ』など。いずれにせよ、当局がリラ安を抑制するために苦心している様子がうかがえる。

 

南アではスタグフレーション懸念が高まる

昨日発表された南アの3月消費者物価指数(CPI)は前年比で、市場予想(6.9%)、前月(7.0%)をさらに上回る7.1%となった。3月と今月は南アのエネルギー基準価格が低く抑えられたことで、インフレの進行にある程度は歯止めがかかるのではないかとの予想だったが、蓋を開けるとインフレが高進しているとの結果になった。インフレ高進の最大の要因となったのが、食品インフレの高騰である。食品とノンアルコール飲料の価格は前年比で14.0%の上昇となった。これは全体のインフレ率7.1%の2.4%を占めている。5月の23‐25日に開かれる南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)の前に、4月分のCPI発表も控えていることで、更に利上げを行うかを判断するのは時期尚早であるが、なかなかインフレ進行に歯止めがかかっていない。前回のSARBでは、サプライズとなる50ベーシスポイントの利上げでランド買いになったが、昨日のCPI発表後はランド買いとならず、ランドは弱含みとなった。金利高による通貨買いよりも、食品価格という国民の生活に直結する値上げが続いていることを懸念する声が高まっている。なお、2月の小売売上高も予想より弱い結果となっていることで、スタグフレーション懸念をより高めている。

 

メキシコの3月経済成長は底堅く推移

メキシコ国立統計地理情報院(INEGI)は昨日、3月のメキシコ経済は前年同月比で3.8%の成長となったと公表した。一方でINEGIは前月比では0.1%増にとどまったとも述べていまる。なお、1-3月のメキシコ四半期国内総生産(GDP)速報値は4月28日に発表予定となっている。

 

米経済「ほとんど変化せず」先行きは「悪化」の声も:ベージュブック

米連邦準備理事会(FRB)は19日、全米12地区連銀が管轄する地域の経済情勢をまとめた米地区連銀経済報告(ベージュブック)を発表した。米経済活動は「最近の数週間でほとんど変化しなかった」と総括し、前回の3月の「わずかに拡大した」から表現を弱めた。9地区が「変化なし、またはわずかに変化のみだった」と報告し、3地区では「緩やかな成長」が示された。先行きは横ばいが予想されているが、2地区は「悪化する」とみている。

 

5月FOMCで25bp利上げを予想:野村証

米国野村証券は19日までに米国の政策金利見通しを引き上げた。5月の米連邦公開市場員会(FOMC)で政策金利を25bp引き上げ、年5.00%~5.25%にすると見込む。従来は5月に政策金利を据え置くと予想していた。金融システム不安にともない信用環境が悪化するなかでも、米連邦準備理事会(FRB)がインフレや成長の鈍化見通しより実績のインフレ率を重視していると分析した。3月に米国の地方銀行の破綻が相次ぎ、一部地銀から預金流出が起きたものの、足元では落ち着きを取り戻しつつある。そのなかで、FOMC参加者はこれまでと同様に金融政策を実績のインフレ率に関連付けていると分析。5月に利上げを決めると見込んだ。利下げ開始の時期については、24年3月からとこれまでの見方を維持した。米国野村の担当エコノミストは、FRBが注目する家賃を除くコアサービスのインフレが賃金の伸びと関係が深いことに触れ、「賃金インフレが加速するか堅調に推移すれば、6月のFOMCでの追加利上げの可能性が高まる」と指摘した。ただ、6月利上げは基本シナリオとせず、中期的には信用環境の引き締まりが経済活動を圧迫し、インフレ減速の圧力につながるとみている。

 

米債務上限問題は13年と比べ悪化しており今夏には不況の可能性も:BofA

米国の政府債務の上限が近付きつつある中、BofAセキュリティーズは2013年の債務上限問題を巡って書かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(ミニッツ)に着目した。19日付のリポートで、13年と比べ今回の方がリスクが悪化していると指摘した。13年には米国の財政赤字は米国内総生産(GDP)比で3.2%だったが、現在では5.1%まで上昇した。加えて、民主党と共和党の両陣営で最後まで戦う決意がこれまで以上に固いとみられるとした。13年に経済が回復していたが、BofAでは「今夏の終わりにはすでに不況に陥っているかもしれない」とみている。リポートでは「私たちの最大の希望は、一般の人々が上限を引き上げないことの危険性を理解し始め、上限違反が経済的・政治的両面に影響を及ぼすことを世論が示すことだ」と指摘した。その一方で、「私たちが最も恐れているのは、この実現が株式市場の売りまたはピークアウトした後にのみ起こるということだ」と警戒感を示した。

 

欧米市場イベント

○15:00   3月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比▲0.5%)
○15:45   4月仏企業景況感指数(予想:103)
○18:00   2月ユーロ圏貿易収支
○20:30   欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(3月16日分)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:24.0万件/182.0万人)
○21:30   4月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:▲19.2)
○22:15   ビスコ伊中銀総裁、講演
○23:00   3月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲1.8%/年率換算450万件)
○23:00   3月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.6%)
○23:00   4月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲18.5)
○24:00   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○21日00:30  テンレイロ英MPC委員、講演
○21日01:00   ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○21日01:20   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○21日04:00   ボウマンFRB理事、イベントに参加
○21日05:15   シュナーベルECB専務理事、講演
○21日06:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、討論会に参加

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ