FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:高値警戒感から利益確定売り優勢に

米国株は動意に乏しく手掛かりを欠く中で、8連騰を経た高値警戒感から利益確定売りが優勢になった。ただ、買い上がる材料もないが、悪材料のないことがポジティブ視されてるとみられ、下値も意外に底堅く推移した。ドル/円の上昇が一服する中、自動車などの輸出関連株はさえない展開となった。一方で、3月訪日外国人客数の発表を前に、インバウンド関連は小じっかりな銘柄が目立った。結局、前営業日比52円安の2万8606円と9営業日ぶりに反落した。信用評価損益率は14日申し込み時点でマイナス8.59%と、前の週のマイナス10.39%からマイナス幅が1.8ポイント縮小した。改善は2週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:欧州勢参入からドル買いがやや強まる

ドル/円は、新規手掛かり材料難から積極的な売り買いとはならず、序盤は134.00円を挟んだレンジでの取引に終始した。仲値にかけて本邦実需筋の動向が注目されたが、需給に大きな偏りは見られなかった。仲値発表後は、持ち高調整などのドル買い・円売りで、134.38円付近までドルは買い戻された。低下していた米長期金利が上昇に転じたこともドル買い要因となった。午後は、軟調な日経平均株価や米長期金利停滞を眺めて、上下に動きにくくなり134.30円台を中心とする狭いレンジで取引された。徐々に欧州勢が参入してくると、ドル買い・円売りが持ち込まれ、134.46円付近までもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、この後参入してくると欧州勢待ちの様相を呈しており、1.0965ドル前後でもみ合いとなった。

 

トルコの財務相がインフレ率が50%を下回る見通しと発言

トルコのネバティ財務相は昨日、今月のインフレ率が50%を大きく下回るとの見通しを示した。財務相は、基本的な食料品価格は下落傾向にあり、5月以降も価格低下は加速すると述べた。インフレ率の引き下げは、エルドアン大統領が選挙キャンペーンで掲げた公約の1つである。4月消費者物価指数(CPI)は5月3日に発表され、ネバティ財務相の言う通りであれば、同月14日の選挙前にひとまず体裁を整えた形となる。もっとも、足もとのCPI低下はベース効果によるものが大きく、インフレ問題が解決されたとは到底言えない。実質金利も依然として大幅なマイナスであり、リラを積極的に買う材料にはなり難いと思われる。

 

南アでは本日3月のCPIと2月小売売上高が発表

本日は南アからは3月の消費者物価指数(CPI)、2月の小売売上高が発表される。通常であればCPIはランド相場を動意づけるが、3月分のCPIでの反応は限定的となるのではないかと思われる。CPIでの値動きが限られる要因は、3月と4月は南アの基準エネルギー価格が比較的に低い水準で抑えられていたことである。しかしながら、5月は石油輸出国機構(OPEC)プラスの減産による原油価格の上昇と、ランド安が要因で、基準価格の大幅引き上げが予想されていることで、今後のインフレ率がより注目されているからである。もっとも、市場予想と結果に大きなかい離がある場合にはランド相場が動く可能性もあるので注意を払いたい。

 

3月の米住宅着工は前月比・許可件数も減少:US Dashboard

18日に発表された3月の米住宅着工件数(季節調整済み、年率換算)は142万戸と市場予想の141万戸を上回った。前月比では0.8%減と、2022年9月以来の高水準へと急増した2月分(前月比7.3%増の143万2000戸)から減少した。5世帯以上の集合住宅が前月比6.7%減少したことが全体を押し下げた。米銀破綻による融資基準の厳格化などが影響したと考えられる。先行指標である許可件数も前月比8.8%減の141万3000戸と市場予想145万1000戸を下回り、住宅市場の先行きに慎重な声も聞かれた。一方、最も大きな割合を占める一戸建て着工件数は86万1000戸と前月比で2.7%増え、一戸建ての許可件数も81万8000戸と4.1%増えた。個人による住宅購入意欲に支えられ、住宅市場は低迷の最悪期を脱したとの期待も残りそうだ。

 

米メタは今週に4000人の追加削減を実施か?

米SNS(交流サイト)のメタプラットフォームズが今週にも追加で4000人の社員を解雇する模様だ。18日夕に複数の米メディアが報じた。同社は昨年11月に当時の社員の13%に当たる1万1000人を解雇すると発表。その後、今年3月には1万人の追加削減の実施を明らかにしていた。今週に実施するとされる人員削減は3月に発表した計画の一環とみられる。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は4月に技術系部門、5月に事務系部門の社員をそれぞれ解雇する方針を示していた。景気減速などを背景に主力の広告事業が振るわず、人員整理によって経営効率化を進める方針である。

 

商業用不動産に警鐘:世界最大級のヘッジファンド

世界最大級のヘッジファンド運営会社マーシャル・ウェイスを率いるポール・マーシャル氏は、先月の銀行システム動揺を受け、次は商業用不動産が信頼の危機に直面する恐れがあるとの見解を示した。マーシャル氏は今月の投資家向け書簡で、シリコンバレー銀行(SVB)の破綻は速やかに処理が進んだが、金融機関を『自己防衛モード』に追い込んだと指摘。『ゾンビ化した銀行システム』では一般的な融資は条件が一段と厳しくなり、商業用不動産は資金調達などの面で特に大きな負担を強いられるとの見方を示字した。同氏は『リセッション(景気後退)のリスクを大幅に高める極めて深刻な信用収縮に見舞われる公算が大きくなった』とし、『商業用不動産、特にオフィス不動産が次の不安材料だ』と記した。同書簡の内容はブルームバーグが確認した。

 

米債務上限の到来時期が6月上旬に早まる可能性:ゴールドマン

ゴールドマン・サックスは18日付リポートで、4月に入り足元までの弱い徴税状況から、米債務上限の到来時期の見通しが従来の8月上旬から6月上旬になる可能性が高まっていると指摘した。現時点では7月下旬まで早まる可能性も高いようだが、『税収が不足し続ければ、これは6月上旬の基本ケースに簡単に変更される可能性がある』という。6月30日には政府の資金繰りをつなぐ特別措置が利用できるようになることから、6月上旬と7月下旬の間に債務上限に達する可能性は低いとみている。6月上旬に債務上限に達する場合は、共和党との間で短期的な延長で合意する可能性が高まるとした。リポートでは「これまでのところ、ソブリン・クレジット・デフォルト・スワップスプレッド(CDS)が大幅に拡大していることを除けば、金融市場は債務上限リスクを反映していないようである。追加の税収データによって債務上限の期限がより注目されるようになると、金融市場における債務上限リスクの織り込みが幾分大きくなると予想される。その一方で特に6月上旬に期限が到来すれば、短期的な延長の可能性は市場参加者がこの問題に取り組む度合いを低下させるかもしれない」とみていた。

 

欧米市場イベント

○15:00   3月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.5%/前年比9.8%)
○15:00   3月英CPIコア指数(予想:前年比6.0%)
○15:00   3月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.6%/前年比13.3%)
○17:00   3月南アフリカCPI(予想:前月比0.9%/前年比6.9%)
○17:00   2月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○18:00   2月ユーロ圏建設支出
○18:00   3月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比6.9%)
○18:00   3月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比5.7%)
○19:35   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   2月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比▲0.3%)
○20:00   クノット・オランダ中銀総裁、講演
○21:15   3月カナダ住宅着工件数(予想:23.78万件)
○21:30   3月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比▲0.3%)
○21:30   3月カナダ原料価格指数(予想:前月比▲0.8%)
○23:25   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○23:30   EIA週間在庫統計
○20日01:00   シュナーベルECB専務理事、講演
○20日03:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)

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