FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:ファーストリテイリング株価が指数を押し上げ

米国株高を受けて買いが先行する中、ファーストリテイリングが大幅高となったことで指数を押し上げた。市場では、海外勢の目に付きやすい銘柄でもあり、日本株への投資を誘引しやすいとの声が聞かれた。また、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏の保有する商社株が堅調さを維持した。一方、ドル/円が132円台前半と、前日に比べ円高方向に振れる中、輸出関連の自動車株はさえなかった。結局、前営業日比336円高の2万8493円と6日続伸して終了した。3月9日以来およそ1カ月ぶりの高値となった。

 

東京外国為替市場:米FRBの利上げ停止観測がドルの重しに

ドル/円は、前日に発表された3月米卸売物価指数(PPI)が予想を大きく下回り、米連邦準備理事会(FRB)が早期に利上げを停止するとの観測からドル売り・円買いに押され、一時132.27円付近まで下落した。欧州中央銀行(ECB)の利上げ観測や米インフレ指標の鈍化を手掛かりとしたユーロ/ドルのユーロ高・ドル安が波及した面もあった。その後は、本邦輸入勢などがドル買い・円売りに動き132.40円台へ値を戻した。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、132円台半ばを中心に取引された。今晩発表される3月米小売売上高などの指標を前に、様子見ムードが広がっている。ユーロ/ドルは、午前中に約1年ぶりの高値1.1075ドルをつけた反動から、利益確定や持ち高調整のユーロ売り・ドル買いも見られ、1.1070ドルを挟んでもみ合いとなった。

 

トルコでは5月の選挙戦に向けての動きに注意

エルドアン・トルコ大統領が率いる与党・公正発展党(AKP)は5月の選挙に向け、インフレ率を一桁台に下げることや経済成長を上向きにすることを公約に掲げている。リラの重さを見る限り、公約達成は難しいと市場参加者は考えているようである。また、AKPのマニフェストには、一部で期待されていた『経済政策を正当路線に回帰』について言及されていない。大統領が再選し、与党も勝利した場合、現在の低金利政策が継続されることが十分に予想されている。なお、直近の世論調査では、エルドアン氏は野党候補に7ポイントほど支持率でリードされ、党ごとの比較ではAKPは首位ながらも前回得票率から11ポイントも低下している。

 

南アでは電力負荷制限格上げで国民生活にも影響

懸念されていた南アの電力負荷制限は、一部で施設の故障が生じたことで、ステージ6に格上げされた。冬季を前にしてステージの格上げになったことで、経済的だけでなく、国民の生活にも大きな影響を与えることになりそうである。なお、現地アナリストの中では、6月に入るとステージ9まで上昇するのではないかとの予想もある。

 

米PPIは2%台の伸び率に鈍化:US Dashboard

13日に発表された3月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.5%下がり、市場予想の横ばいを大きく下回った。前年同月比では2.7%となり、上昇率は前月比の4.9%から2.2ポイント下がった。エネルギー・食品を除くコア指数も市場予想に反して前月比で⊸0.1%下落した。前年比では3.4%と前月の4.8%から伸びが鈍化した。PPIは生産者が出荷した製品や原材料などの販売価格を指数化したもので、最終的に消費者向けの物価にも影響する。今回の結果で、モノの物価の落ち着きが一段と鮮明になった。12日に発表された3月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比で大幅に伸びが鈍化したが、エネルギーと食品を除くコア指数は小幅に上昇した。人手不足の影響でサービス価格の高止まりが影響しており、インフレ沈静化のめどは立っていない。

 

S&P500種企業の23年利益は大幅な下方修正に見舞われる:BofA

BofAセキュリティーズは、企業が1₋3月期(第1四半期)決算を発表する中で、通期業績予想の「大幅な下方修正」に見舞われると予想した。サビタ・スブラマニアン氏率いるBofAのストラテジストらは13日付の顧客向けリポートで、S&P500種株価指数構成企業の1株当たり利益(EPS)予想のコンセンサスは、1-3月期で6%引き下げられたが、リセッション(景気後退)に入ると予想の下方修正は経験上さらに加速すると指摘した。

 

米ETIは景気後退入り示唆:カナコード・ジェニュイティ

カナコード・ジェニュイティは13日付リポートで、「米連邦準備理事会(FRB)の史上最速の利上げサイクルにもかかわらず、景気後退を回避するための最後の砦は、引き締まった労働市場である」と指摘した。米調査会社カンファレンス・ボードが発表する雇用動向指数(ETI)の総合指数が直近に前年同期比でマイナス1を下回ったのを踏まえ、「1975年以降、前年比がマイナス1以下になると、毎回景気後退が近いことを示している」と指摘した。加えて、「同じく1975年以降にS&P500種株価指数が景気後退前に最安値を更新したことは一度もない」と言及した。リポートではETIのほか、米国債の逆イールド、カンファレンスボードの景気先行指数、商工ローンの基準がいれずも景気後退入り、または景気後退に近いレベルあると指摘した。1950年代以降は景気後退g始まる前にS&P500種が最安値を一度もつけたことがなかったのに着目しつつ「エクスポージャーはより軽く、セクター配分はわずかにディフェンシブとし、悪いニュースが悪いニュースになり、市場が昨年10月の安値に戻ったり、それを下回ったりした場合には、あらゆる弱みを利用する準備をすることだ」との見解を示した。

 

米国市場では4月消費者体動指数が公表:US Dashboard

米国の物価上昇基調が鈍化傾向にあるなか、消費者心理の動向に注目が集まる。米ミシガン大学は14日に4月の消費者態度指数(速報値)を発表する。市場予想は64.0と、3月の62.0から小幅に改善が見込まれている。3月はシリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻や物価の高止まりを受けて4カ月ぶりに低下していた。SVB破綻から1カ月ほど経過し市場では金融システム不安がやや和らいているが、実際に米消費者の心理が改善しているかに関心が集まる。1年先の物価の見通しを示す予想インフレ率は前回3.6%と、大きく低下していた。12日に発表となった3月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比で5.0%と、2月の6.0%から大幅に伸びが鈍化した。CPIはガソリン価格が下落した側面が大きい。今後の予想インフレ率の低下とともに消費者態度指数が改善し、先行きの景気への悲観論が後退する可能性がある。

 

米国市場では3月小売売上高が公表:予想は前月比-0.4%

2月実績は前月比-0.4%だった。自動車・同部品の売上高が主に減少した。3月については、自動車・同部品の売上増は期待できないこと、フードサービスの売上高は横ばいとなる可能性があることから、引き続き前月比マイナスとなる可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   3月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比1.0%/前年比11.1%)
        コア指数(予想:前月比0.7%/前年比8.3%)
○15:00   3月独卸売物価指数(WPI)
○15:30   3月スイス生産者輸入価格
○15:45   3月仏CPI改定値(予想:前月比0.8%/前年比5.6%)
○21:30   2月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲2.7%)
○21:30   3月米小売売上高(予想:前月比▲0.4%/自動車を除く前月比▲0.3%)
○21:30   3月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.1%)
○21:45   ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○22:15   3月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.2%)
          設備稼働率(予想:79.0%)
○23:00   4月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:62.0)
○23:00   2月米企業在庫(予想:前月比0.3%)
○15日00:30   テンレイロ英中銀MPC委員、講演
○15日03:15   ナーゲル独連銀総裁、講演
○国際通貨基金(IMF)・世界銀行春季会合(ワシントン、16日まで)

 

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