FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国株高や円安を好感して年初来高値更新

前日の米国市場で反発したことや、日米首脳会談で自動車関税がひとまず回避されたことが好感され、1991年11以来26年10ヵ月ぶりの水準に上昇した、一時490円前後まで上げ幅を広げた。ドル/円で1ドル=113円台と9カ月ぶりの安値となり、業績改善期待から電機や期間など輸出関連株に買いが入った。結局、前日比323円高の2万4120円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク選好の円売りで一時9カ月ぶりの円安

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い/円売りに支えられ一時113.60円付近まで上昇した。日経平均株価が年初来高値を更新したこともあり、リスク選好の動きに拍車がかかった。ただ、一本調子の上昇が続いていることから上値では利食い売りも見られ、113.55円を挟んでもみ合い展開となった。午後は、日米金融政策の違いを意識したドル買い・円売りが再開し、一時113.64円と約9ヵ月ぶりの高値を付けた。その後は、113.50円台を中心とした値動きとなった。ユーロ/ドルは、1.16ドル台半ばで方向感のない値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国人民元安が落ち着いたこともリスク選好の要因

9月に入って人民元は落ち着いた動きが継続した。人民元はオフショア市場で8月中旬に1ドル=6.9586元まで上昇し、2017年1月以来の人民元安が進んだが、中国人民銀行の元安抑制策を受けて8月末は1ドル=6.7817元まで人民元が買い戻された。足もとで人民元は1ドル=6.8元台でのもみ合い相場が続いている。 人民元の先安観は根強いものの、1ドル=7元大台を前に中国人民銀行が人民元安に歯止めをかける意思を示し、李・中国首相も人民元の一段安を望まないとの考えをはっきりと表明したことで、簡単には1ドル=7元の壁は突破しそうもない。為替相場でドル高地合いを継続や新興国通貨の不安定な動きなど、人民元安につながりそうな要因は多いが、中国当局が2016年同様に1ドル=7元の壁を跳ね返せるかに注目したい。

 

欧州市場では9月ユーロ圏消費者物価指数(CPI)が公表

8月実績は前年同月比+2.0%にとどまり、7月実績の同比+2.1%を下回り2.1%から0.1ポイント鈍化した。人件費などのサービス価格の指数の伸びが鈍化したことが要因である。9月についてはエネルギー価格の上昇率は高水準を維持すると予想されるが、サービス価格の伸びは8月並みの水準にとどまるとみられており、全体的なインフレ率は8月実績と同水準になるとみられる。

 

米国市場では8月個人支出が公表

同じ8月分では小売売上高が前月比+0.1%となり、予想の+0.4%や7月の+0.7%を下回った。減税効果の一旦の息切れやガソリンなどの資源価格上昇、輸入関税引き上げによる値上げ懸念などもあって、個人支出も改善ペースの鈍化が警戒される。ただし、同じ8月には雇用統計や平均賃金が改善した。米国では消費者信頼感指数などが高水準を維持しているほか、8月は季節要因として新学期セールが見られている。すでに一定の反動減速は織り込みも進んでおり、懸念ほどには停滞しない可能性も残されている。

 

米国市場では9月ミシガン大学消費者信頼感指数が公表

同じ9月分ではコンファレンスボードの消費者信頼感が138.4となり、市場予想の132.1や前月修正値の134.7を大きく上回った。18年ぶりの高水準となっている。9月は過度な通商摩擦懸念の小康や米国株の再上昇、雇用や賃金の改善傾向持続などもあって、消費マインドの高止まりが意識されやすい。ただし、9月指標の改善については、すでに織り込みも進んできた。先行き通商摩擦懸念やトランプ政権の政治不安、ガソリンなどの資源価格上昇、金利上昇リスクなども警戒されている。市場期待値の目線が高くなっている分だけ、事前期待ほど伸びない失望リスクも残されている

 

欧米イベント

○15:00   8月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比5.90%)
○15:45   8月仏卸売物価指数(PPI)
○15:45   8月仏消費支出(予想:前月比0.3%)
○15:45   9月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比▲0.2%/前年比2.3%)
○16:00   9月スイスKOF景気先行指数(予想:101.0)
○16:00   8月トルコ貿易収支(予想:25億ドルの赤字)
○16:55   9月独雇用統計(予想:失業率5.2%/失業者数変化▲9000人)
○17:00   9月ノルウェー失業率(予想:2.2%)
○17:30   4-6月期英経常収支(予想:194億ポンドの赤字)
○17:30   4-6月期英国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比0.4%/前年比1.3%)
○18:00   9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比2.1%)
○21:00   8月南アフリカ貿易収支(予想:50億ランドの黒字)
○21:30   7月カナダ国内総生産(GDP、予想:前月比0.1%)
○21:30   8月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比▲0.4%)
○21:30   8月カナダ原料価格指数(予想:前月比▲1.5%)
○21:30   8月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.3%)
       個人所得(予想:前月比0.4%)
        PCEコアデフレータ(予想:前月比0.1%)
○21:30   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○21:35   プラート欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○22:20   ラムスデン・イングランド銀行(英中銀、BOE)副総裁、講演
○22:45   9月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:62.5)
○23:00   9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:100.8)
○29日05:45   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○30日 NZが夏時間に移行

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