FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米景気懸念から上値の重い展開が続いた

前日の米国株高を好感する動きが先行した。前日までの2日間に約800円下落しており、自立反発を期待した買いが入った。一方、米景気懸念がくすぶっており、上値追いは限られた。半導体関連株は総じてしっかり。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は小幅下落していたが、前日まで売られていたため自律反発を期待した買いが入った。半面、前日まで買われていた電気・ガスや食料品、医薬品といったディフェンシブ株は軟調で「循環物色の様相」とみられている。結局、前営業日比45円高と3日ぶりに小幅反発して2万7518円で終了した。

 

東京外国為替市場:イースター休暇入りで全般薄商いで131円台後半推移

ドル/円は、このところ発表されている米経済指標が低調で、米連邦準備制度理事会(FRB)が近いうちに利上げを停止するとの観測からドル売り・円買いに押され、131.57円付近まで下落した。しかし、今晩発表される3月米雇用統計の内容を見極めたいとの雰囲気もあり、下値を追う動きは限られた。その後は、本邦実需筋などがドル買い・円売りに動き、131.75円付近へ値を切り返した。午後は、日経平均株価を睨みながら131.70円台を中心とする狭いレンジで推移した。イースター休暇入りで市場参加者が少なく、薄商いとなっている。ユーロ/ドルは、週末を控えて積極的な売り買いは目立たず、1.0915ドルを挟んで小動きに終始した。

 

南アでは電力問題だけでなく他インフラも大きな課題を抱えている

南ア国内のニュースとしては、昨日、クガニャゴ南ア準備銀行(SARB)総裁が『インフレに関して行動する準備』と発言したが、南アのインフレ高進が留まる状況ではいまだにない。先月末の利上げの効果を見定める必要があるが、原油価格の高騰・ランド安がSARBの金融政策委員会(MPC)後にも進んでいることで、利上げ効果がどの程度あるのかが分からない状況である。次回のMPCは5月25日とまだ先であり、今後のインフレ状況次第で、更なる利上げの可能性もある。また、且つてから報道されている国営鉄道会社トランスネットが問題を抱えている件だけでなく、国内では港湾を含め、物流の麻痺が悪化している。対策として、ラマポーザ大統領は国家物流危機委員会の設置を提案している。大統領は昨日、状況を『壊滅的』と表現するなど、電力問題だけでなく他インフラも大きな課題を抱えている。

 

メキシコでは国外労働者による送金額は2月としては過去最高額

メキシコ銀行(中央銀行)が3日に発表した2月の国外労働者によるメキシコへの送金額は43億4840万ドルとなった。前月の44億610万ドルからは減少したが、年末需要の反動で毎年1月と2月は金額が落ち込む傾向がある。今回も2月の結果としては過去最高額を記録した。前年同月比では11.2%の大幅増となり、これで前年同月の水準を34カ月連続で上回る結果となった。国外労働者の大半が米国に居住していることもあり、メキシコ本国への送金額と米雇用状況はリンクする傾向にある。今週7日には3月分の米雇用統計が公表予定となっているため、メキシコへの送金額の先行きを占う上でも注目される。また、同日に公表された3月メキシコ製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.0となり、2カ月連続で景況改善・悪化の分水嶺となる50を上回った。2月の結果(51.0)から変わらずとなったが、メキシコ製造業の底堅さは維持されている。

 

米個人MMFが35週連続で増加:ICI

米投資信託協会(ICI)が公表した5日時点の米MMFの純資産残高は5兆2471億ドルだった。前週から490億ドル増えた。内訳は、金投資家が270億ドル増の3兆3517億ドル、個人投資家が219.8億ドル増の1兆8954億ドルだった。個人のMMF残は35週連続で増加した。3月に米銀が相次いで破綻したことから、銀行預金からMMFに資金をシフトする動きが加速した。足もとでMMFを選好する動きが続いている。

 

米個人センチメントが急改善:2月中旬以来の水準に

米個人投資家協会(AAII)が毎週算出するアンケートによると、5日時点で今後6カ月の相場について『強気』と答えた比率は33.3%と前週から10.8ポイント上昇した。強気比率は2月15日時点(34.1%)の水準まで拡大した。また、前週比での改善幅は22年6月2日(前週は12.17ポイント増)以来の大きさとなった。『弱気』と答えた比率は35%で同10.6ポイント低下した。低下幅としては22年11月2日(前週比12.8ポイント低下)以来の大きさだった。前回、強気比率が30%超を記録した2月中旬、S&P500種株価指数は4100台から翌週には3900台まで下落していた。強気比率が大きく改善した22年6月上旬、S&P500種は4100台から6月中旬にかけて3700台まで下落していた。

 

低ボラ環境への移行は起こりそうにない:ゴールドマン

ゴールドマン・サックスは6日付リポートで、米銀行システム不安によって米株の変動性指数(VIX)が再び落ち着いているのを踏まえ、「株式のボラティリティが年初来で異常に低いのは、最初は比較的支援的なマクロ条件、最近ではS&P500種株価指数が債券利回りの低下によって緩衝されたためである」との見解を示した。もっとも、先行きについては「依然としてマクロの不確実性が高まっていることや、市場のストレスの兆候、2023年4~6月期の成長鈍化に伴うマクロモメンタムを考慮すると、低ボラティリティ環境への移行は依然として起こりそうにない」と指摘した。ゴールドマンのモデルでは高いボラティリティ環境を持続する可能性が54%、低いボラティリティ環境へと移行するのは39%の確率を示唆しているという。リポートでは、ゴールドマンの資産配分は比較的守りに徹しているといい、「株式保護戦略にはより価値があると考えており、現在、マイナスのキャリーを緩和するために、より短い日付のプット・スプレッド、より長い日付のコール、および先の長いボラティリティ戦略を好んでいる」とも指摘した。

 

欧米市場イベント

○15:45   2月仏貿易収支(予想:117億ユーロの赤字)
○15:45   2月仏経常収支
○21:30   3月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化23.9万人/失業率3.6%/平均時給、前月比0.3%/前年比4.3%)
○8日01:00   10-12月期ロシア国内総生産(GDP)速報値(予想:前年比▲3.5%)
○8日04:00   2月米消費者信用残高(予想:190.0億ドル)
○聖金曜日の祝日(グッドフライデー)で豪州、NZ、香港、シンガポール、インド、ドイツ、スイス、フランス、スウェーデン、ノルウェー、南アフリカ、英国、カナダ、メキシコ、ブラジルなど休場。米国は株式・商品市場が休場、債券市場が短縮取引。
○9日 植田和男氏、日銀総裁に就任
○9日 統一地方選・前半戦投開票

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