★日経平均株価:上昇基調継続から上値を追う動きは限定的
前日の米国株市場では、主要3指数がまちまちだったほか、米経済指標の悪化で景気減速懸念が意識され、日本株は上値の重い展開となった。前週から急ピッチで上昇しているため、上値を追う動きは限定的との意見もあった。物色動向としては景気敏感株の一角が売られた一方、海運などはしっかりだった。市場の関心は米国の金融政策動向に集まっている。今週は米連邦準備理事会(FRB)の高官らの発言機会が控えているので、発言内容から政策動向を探っていく展開になる。利益確定や戻り待ちの売りは相場の上値を抑えた。結局、前営業日比99円高の3日続伸となり2万8287円と高値引けとなった。
★東京外国為替市場:実需筋によるドル買い基調が継続
ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などからドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、132.60円付近へじり高となった。低下していた米長期金利が持ち直したこともドルの買い戻しにつながった。仲値発表後も、ドル買い・円売り基調は続き、132.80円台へ値を上げた。午後は、新年度入りで本邦実需筋などから継続的にドル買い・円売りフローが持ち込まれ、一時132.98円付近まで上昇した。ただ、心理的節目の133.00円に接近すると上げは一服した。その後は、利益確定売りや戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、小幅に値を下げて132.90円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.08ドル台後半で方向感に乏しい値動きが続いた。欧州勢待ちの様相となっている。
★米国株に対して日本株の強気姿勢を維持:JPモルガン
JPモルガン証券は4日付のリポートで、「米国株に対して日本株の強気姿勢を維持する」との見解を示した。3月10日にシリコンバレーバンクが経営破綻し、欧米の金融不安を受けて3月は日本株も売られる展開となったが、「日本の銀行システムは、3月10日前の日米金利水準においても、日本国債10年物で1%までの金利上昇を想定しても耐性があり、日本の金融株は売られ過ぎ圏内にある」と指摘した。その上で、中国のリオープン(市場予想対比強いPMI)、東証の企業改革(株価純資産倍率・PBR1倍割れ企業対象)によるカタリストもあることから、日本株に強気の姿勢を維持したという。
★トルコの格付け回復までは遠い道のり
先週末は、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がトルコの格付け見通しを『安定的』から『ネガティブ』に引き下げた。格付けは『B』で維持している。声明では「経常赤字の拡大、インフレ率の高止まり、限定的な外貨準備金、(中東などからの)臨時の資本流入への依存などから、為替レートの見通しは依然として不透明」と指摘された。トルコのソブリン債格付けは既にジャンク級(投資不適格)であり、S&Pの判断は市場にとってはサプライズではない。ただし、格付け回復まではかなり遠い道のりであることが分かる。
★南アでは5日にエネルギーの基準価格が決定:先行きの金融政策
南アでは、毎月第1水曜日に国内のエネルギーの基準価格を決定する。原油価格やランド価格などを鑑みて基準価格を設定するが、4月分は明日5日に発表される。しかし、今回の原油高の影響が出てくるのは5月分の基準価格になる。5月も基準エネルギー価格が大きく上昇した場合は、SARBの利上げが先月の利上げだけでは終わらない可能性もあり、今後の状況をより丁寧に見定める必要がある。
★米国の信用収縮の影響はこれからか?
米サプライマネジメント協会(ISM)が3日発表した3月の米製造業景況感指数は前月から1.4ポイント低い46.3だった。好不況の境目である50を5カ月連続で下回り、FactSetがまとめた市場予想47.5も下振れた。同月は米シリコンバレー・バンクと米シグネチャー・バンクが相次いで破綻し、金融システムへの影響が懸念された。それでも、ISMが回答者の声として紹介したもののうち銀行破綻に言及したものは1件のみであり、「銀行の状況を注意深く見守っているが、現時点では影響がない」というものだであった。「これから貸出態度の厳格化により、どれだけの信用収縮が発生するかは不透明ですが、信用収縮した場合はISM製造業がさらに低下するおそれがあります」との声が聞かれた。
★3兆円規模の高リスク債権を抱える米銀行:WSJ
米金融機関にとって最近の銀行業界の混乱は、数百億ドル規模に及ぶ高リスク債権を売却するという、ただでさえ困難な仕事をさらに難しくしている。レバレッジド・ファイナンス分析会社9フィンによると、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)、バークレイズ、モルガン・スタンレーなどは現在、総額で250億~300億ドル(約3兆3000億~4兆円)の「ハングデット(過剰債務)」をバランスシート上に抱えている。この売れ残り債権はレバレッジド・バイアウト(LBO、買収先企業の資産などを担保とした資金調達による買収)に関連したものだ。昨年に信用状況が悪化した結果、銀行が合意していたLBO向け融資(債権)に対する投資家の需要が鈍った。
★欧米市場イベント
○15:00 2月独貿易収支(予想:170億ユーロの黒字)
○18:00 2月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.3%/前年比13.3%)
○18:15 テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○21:30 2月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比2.0%)
○23:00 センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○23:00 2月米製造業新規受注(予想:前月比▲0.5%)
○23:00 2月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数(予想:1040.0万件)
○23:30 ピル英中銀MPC委員兼チーフエコノミスト、講演
○5日02:30 クック米連邦準備理事会(FRB)理事、あいさつ
○5日02:45 コリンズ米ボストン連銀総裁、討議に参加
○北大西洋条約機構(NATO)外相理事会(ブリュッセル、5日まで)
○インド(ジャイナ教マハビラ生誕日)、休場
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