FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:金融不安後退から買い優勢に

金融不安の後退による米国株高や為替の円安が支えとなり、日経平均は3月10日以来3週ぶりに節目の2万8000円を回復した。鉄鋼や商社などのバリュー株(割安株)への物色も目立った。円安を背景に、自動車などの輸出関連銘柄も堅調に推移した。東証は上場企業に対し、資本コストや市場の評価を意識するよう要請する案を示した。株価引き上げのための企業の対応策に期待する買いが相場を押し上げた。結局、前営業日比258円高の2万8041円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:月末・期末に絡み133円近辺でもみ合い相場

ドル/円は、欧米金融システム不安の後退でドル買い・円売りが先行し、132円台後半から133円台前半へ水準を切り上げた。東京市場では、仲値にかけて月末・期末に絡む本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、一時133.51円付近まで上昇して約2週間ぶりとなる高値をつけた。日経平均株価の大幅で、リスク選好が高まったことも円売りを誘った。仲値発表後は、週末を控えた利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いに押され、133円を割り込んで132.80円台へ軟化した。本邦輸入勢から月末・期末に絡むドル売り・円買いも継続的に観測された。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、やや値を切り返して133.00円付近でもみ合いとなった。今晩発表される米経済指標や米連邦準備理事会(FRB)当局者の講演内容を見極めたいとのムードが広がっている。ユーロ/ドルは、1.0900ドルを挟んで小動きに終始した。

 

欧州市場では3月ユーロ圏消費者物価コア指数:予想は前年比+5.7%

2月実績は前年比+5.6%で市場予想を上回った。財・サービス価格の上昇が主な要因だった。3月についてもこの状況は大きく変わらないとみられており、コアインフレ率は高止まりの可能性がある。

 

外国人投資家はトルコの選挙がおわるまでは様子見

一部報道は、エルドアン大統領が5月の選挙で負ければ正統的な金融政策が復活し、外国から投資資金が戻ってくるだろうと報じている。現職敗北だとその可能性は確かに高いであろうが、現状は結果が判明するまでトルコ市場に手を付けないというのが外国人投資家のスタンスのようである。トルコ議会は昨日、フィンランドの北大西洋条約機構(NATO)加盟を承認した。トルコとしてはロシア対策を強化する西側に一先ず寄り添った形となる。もっとも同時に申請したスウェーデンについて、トルコはハンガリーと共に保留している。本日はトルコの2月貿易収支が発表される。予想の赤字幅は前回から縮小が見込まれているものの、120億ドル超と高い水準のままである。政府が目指す経常収支の黒字かには程遠い状況と言える。

 

南アの予想外の50bp利上げで景気後退懸念も高まる

南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)が市場予想を上回る50bpの利上げを行ったことで、ランド高が一気に進んだ。なお、MPCメンバーのうち3人が50bp、2人が25bpの利上げに投票した。大きなサプライズとなった大幅利上げで、市場はランド買いに反応しました。ただし、成長率見通しを引き下げていること、今年の電力制限(停電)をいまだに250日程度にとどめていることなどを考えると、インフレ下の景気後退になる可能性が高まっているともいえる。

 

大統領選挙前の4月はNYダウが最も強いジンクス:アノマリー分析

NYダウは30日までで月初で0.61%高となった。10日にシリコンバレーバンク(SVB)が経営破綻して以降、欧米の金融不安から荒れた展開となったが、なんとかプラスで終える見込みが立ってきた。4月相場入りは挽回が期待されるが、相場のアノマリー分析に詳しいトレーダーズ・アルマナックによると大統領選挙前の4月のNYダウには強いジンクスがあるという。1950年以降の大統領選挙前の4月を分析したところ、NYダウは月間で最も強いという。上昇15回に対して下落は3回にとどまった。S&P500指数は月間で2番目に強い月といい、ナスダック総合指数はとラッセル2000指数は共に3番目に月だという。

 

トランプ前大統領の起訴は懸念ではない:エバコア

エバコアISIは30日付リポートで「予備選挙の場では(重要なことに、総選挙の場ではない)、トランプ氏は法執行機関の標的にされているように見えることで利益を得ている可能性が高い」と指摘。こうした見方はほぼ社会通念になっているという。エバコアではトランプ氏が共和党の指名候補の最有力候補であるとみており、「トランプ氏が講義を呼びかけているにもかかわらず、同氏の逮捕が大きな混乱を引き起こすとは思わない。起訴はかなり控えめだろうし、裁判は1年以上先になる可能性が高いため、共和党予備選は裁判が始まる前にほぼ完了する可能性がある。したがって、これは市場にとって差し迫った懸念ではない」との見解を示した。リポートでは「もしトランプ氏が指名を獲得した場合、私たちはこの件や他の起訴を総選挙における不利益とみなす。この脆弱性は、景気後退が早晩訪れる可能性が高まっていること(これは民主党にとって好都合である)と相まって、バイデン大統領とトランプ氏の再対決が予想される中で、マクロ経済の不確実性が最大のリスクであり、バイデン氏がわずかに本命であるという我々の見解を強化している」とも指摘した。

 

金融不安台頭によるセンチメントへの影響でISMなどが注目か:野村証

4月第1週に雇用統計や米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数などの重要指標の発表を控える中、野村證券は31日付のリポートで「新規失業保険申請件数からは雇用環境の急変を確認されず、仮に信用収縮が生じた場合の景気への悪影響も顕在化には時間が掛かるだろう」との見解を示した。ただ、リポートでは、「金融不安台頭へのセンチメントへの影響が重要とみていた。また、7日の米国市場が聖金曜日で株式市場が休場、債券市場が短縮取引となることを踏まえ、「雇用統計のサプライズに応じて振れの大きい展開となるリスクにも警戒が必要だ」ともみていた。

 

米国市場では2月PCEコア価格指数:予想は前年比+4.7%

1月実績は市場予想を上回っており、足元でインフレは高止まりの気配。この状況が急変する可能性は低いとみられており、2月もやや高い伸びを記録する可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   2月独輸入物価指数(予想:前月比▲1.0%/前年比4.2%)
○15:00   2月独小売売上高(予想:前月比0.5%/前年比▲5.1%)
○15:00   3月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比▲0.3%)
○15:00   10-12月期英国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比横ばい/前年比0.4%)
○15:00   10-12月期英経常収支(予想:176億ポンドの赤字)
○15:30   2月スイス小売売上高
○15:45   3月仏CPI速報値(予想:前月比0.6%/前年比5.5%)
○15:45   2月仏消費支出(予想:前月比横ばい)
○15:45   2月仏卸売物価指数(PPI)
○16:00   2月トルコ貿易収支(予想:122.0億ドルの赤字)
○16:00   カザークス・ラトビア中銀総裁、講演
○16:55   3月独雇用統計(予想:失業率5.5%/失業者数変化ゼロ人)
○17:00   ビスコ伊中銀総裁、講演
○18:00   2月ユーロ圏失業率(予想:6.7%)
○18:00   3月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比7.1%)
○18:00   3月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比5.7%)
○21:00   2月南アフリカ貿易収支(予想:146億ランドの赤字)
○21:30   1月カナダGDP(予想:前月比0.3%/前年比2.9%)
○21:30   2月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.3%)
       2月米個人所得(予想:前月比0.2%)
       2月米PCEデフレーター(予想:前年比5.1%)
       2月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.4%/前年比4.7%)
○22:45   3月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:43.4)
○23:00   3月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:63.2)
○24:00   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○1日04:05   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○2日 豪州、NZが冬時間に移行

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