FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:配当取りを狙った買いが下支え

ドル/円相場での円安進行や、今日は3月末の権利付き最終売買日ということもあり、配当取りを狙った買いが指数を支援した。一方、米ハイテク株安を受け、東京市場でも指数寄与度の大きい半導体関連銘柄は朝方から軟調に推移した。市場では、金融不安が徐々に解消されているので、昨今のグロース株(成長株)買いのバリュー株(割安株)売りの動きが巻き戻されているとの見方を示した。日経平均への寄与度が高いソフトバンクグループが大幅高となったことも指数を押し上げた。結局、前営業日比365円高の2万7883円と3日続伸して終了した。信用評価損益率は24日申し込み時点でマイナス10.46%と、前の週のマイナス10.91%からマイナス幅が0.45ポイント縮小した。改善は3週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:月末・期末絡みのドル買いが優勢

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などから月末・期末に絡むドル買い・円売りフローが多く持ち込まれ、131.30円付近へ上昇した。仲値発表後も、米金融政策の影響を受けやすい米2年債利回りが上昇すると、さらにドル買い・円売りが進んで131.70円台へ値を上げた。午後は、朝方から一本調子の上昇が続いていたため、利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いに押されて131.50円台へ下落した。しかし、下値では本邦実需筋のドル買い・円売りが見られ、131.90円付近へじり高となった。日経平均株価の上げ幅が300円を超えたことも、リスク選好の円売りを誘った。ユーロ/ドルは、1.0830ドル台を中心とする狭いレンジで推移した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコ南部の復興への道は長く険しい:国連

国連は昨日、先月のトルコ南部で起きた地震によるトルコとシリアの雇用喪失は15万世帯以上にも及び、約3万5000の中小企業が影響を受けたとする調査結果を発表した。復興への道は長く、かなり険しいことがうかがわれる。

 

南アでは鉄道問題もクローズアップ

南ア国内からは、国営の電力問題だけでなく鉄道問題もクローズアップされている。国営の鉄道会社トランスネットが、世界最大の中国中車から多額のリベートを受け取っていたことが判明し、南ア歳入庁は南アにある中国中車の口座を凍結した。この報復措置として中国中車がトランスネットに対して車両や部品の納入を拒否していることで、南アの鉄道網が混乱している。この問題を解決するためにゴーダン公共事業相が訪中することを昨日発表された。ここ最近の南アからの報道を見る限り、ズマ政権時代と同様に政治家と役人の汚職の報道が多く、政治・経済ともに失望の声が強まっている。

 

メキシコの貿易収支は2カ月連続赤字を計上

メキシコ国家統計院が発表した2月貿易収支では、18億4000万ドルの赤字と先月に続き2カ月連続での赤字計上となった。要因としては、原油価格の下落を受け、石油輸出が-19.2%と大きく減少したこと。また、製造業の海外出荷も鉄鋼製品、自動車製品、機械器具の輸出が減少し2.2%減少したことが赤字を膨らませた。

 

消費者信頼感指数は予想外に改善:金融混乱の影響は限定的

米コンファレンスボードが発表した3月消費者信頼感指数は104.2と、2月103.4から低下予想に反し上昇した。また、2月分も103.4と102.9から上方修正された。現況は151.1と、2月153から低下したが、期待指数が73.0と、2月の70.4から上昇し全体指数を押し上げた。ビジネスの状況や雇用の状況改善が期待されている。ビジネス状況の6カ月後の見通しで改善予想は15.5と、2月14.6から上昇。雇用の6カ月後見通しで改善は15.0と、前月14.5から上昇した。同指数は3月20日までの回答を反映している。シリコンバレー銀破たんから1週間後で、今回の金融混乱を受けた消費者信頼感への直接的な影響はこの時点で限定的であることが明らかになった。米国民の懸念は依然、高インフレや景気後退の可能性。強い労働市場や失業率が依然歴史的も低い水準を維持していることが消費者信頼感で依然100を上回る高水準の維持を可能にしている。一方で、市場の景気後退確率は上昇基調にある。米連邦準備制度理事会(FRB)の年内2回の利下げ予想も浮上する中、市場の利下げ予想が行き過ぎとの見方もある。ドル安も想定通り進まない可能性もある。

 

SVBの破綻を巡る上院公聴会:エバコア

米上院銀行委員会は28日、米地銀シリコンバレーバンク(SVB)などの破綻を受けて金融当局幹部を招き公聴会を開いた。エバコアISIは28日付リポートで、公聴会では無保険預金や銀行に対する追加的な支援についてほとんど語られなかったとしつつ、規制や監督が適切だったかを審査した結果が5月1日に公表される予定であることから、「規制変更に関する主要な意思決定の多くは、それらのレポートが5月に発表されるまで延期されることになる」と指摘した。エバコアでは「規制当局が100~2500億ドルの資産を有する銀行に対して追加的な資本規制の要件を適用するとともに、より頻繁かつ厳格なストレステストを実施し、満期保有目的の資産に対する含み損の規制上の取り扱いを変更する可能性がある」と予想している。米預金保険公社(FDIC)のグルーエンバーグ総裁への質疑から、「グローバルなシステム上重要な銀行や他の地方銀行にとって、SVBによるFDICの200億ドルの損失を回収するコストがさらに高くなる」ことが示唆されたという。

 

FRBのバー副議長が規制強化を示唆:ノムラ・セキュリティーズ

米連邦準備制度(FRB)のバー副議長が28日に上院銀行委員会で証言し、シリコンバレーバンク(SVB)の破綻を受けて銀行規制の強化に関して「より厳格な基準を適用することで、SVBの破綻に至ったリスクをより適切に管理するよう促せたかどうか評価している」と述べ、規制強化の可能性を示唆した。発言を受けてこの日の米国市場では地銀株が売られた。ノムラ・セキュリティーズは28日付のリポートで「バー副議長の発言は、主に後ろ向きのもので、銀行システムのあらゆる状況に対する潜在的な反応に関する新しい情報はほとんどなかった」との見解を示した。リポートでは、質疑応答で中堅銀行の資本・流動性基準の強化や、ストレステスト(資産査定)の楊家をより広範なシナリオに拡大し、中堅銀行を対象とした年次テストを実施することもある程度のオープンさを示したようだとしつつ、「広く予想されていた通り、金融政策の決定に関連する話題は避けられた」とも指摘した。FRBが現行の緊急流動性条項に変更を加える可能性があるとすれば、それを示唆するシグナルはほとんどなかったとしながら、「追加的な規制は、銀行の信用供給さらに減少させ、リセッションを高める可能性がある」ともみていた。

 

欧米市場イベント

○15:00   4月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲29.2)
○15:45   3月仏消費者信頼感指数(予想:81)
○17:00   カジミール・スロバキア中銀総裁、講演
○17:30   2月英消費者信用残高(予想:13億ポンド)
○17:30   2月英マネーサプライM4
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○23:00   2月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比▲2.3%/前年比なし)
○23:00   バー米連邦準備理事会(FRB)副議長(銀行監督担当)、米下院金融サービス委員会で証言
○23:30   EIA週間在庫統計
○30日01:00   2月ロシア失業率(予想:3.8%)
○30日02:00   米財務省、7年債入札
○30日03:50   マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○30日05:45   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演

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