FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:欧米の金融不安が和らぎ円安も好感され買い優勢に

欧米の金融不安が和らぎ前日の米国株が上昇した流れを受けて、日本株市場でも幅広く買いが先行した。東証プライム市場の騰落数では9割以上が値上がりし、ほぼ全面高の展開になった。セクター別では、特に金融株やエネルギー関連株の上昇が目立った。また、円安基調も好感され輸出株も上昇した。結局、前営業日比520円高の2万7466円で終了した。上げ幅は1月18日の652円高以来の大きさだった。

 

東京外国為替市場:米FOMC控え132円台半ばでもみ合い

ドル/円は、欧米金融システムに対する懸念の後退でドル買い・円売りが先行、132.70円付近へじり高となった。ただ、上値では戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、132.50円付近へ緩んだ。仲値にかけて本邦実需勢の動向が注目されたが、需給に大きな偏りはなかった。仲値発表後は、日米金融政策の違いスタンスを意識したドル買い・円売りが入り、一時132.77円付近まで値を上げた。その後は、利益確定などのドル売り・円買いで132.26円付近まで値を下げる荒い値動きとなった。午後は、日経平均株価の上げ幅拡大を眺めたドル買い・円売りが入り、132.50円付近へ値を上げた。ただ、FOMC結果やパウエルFRB議長の会見を前に、積極的な上値追いは手控えられた。その後は、米長期金利を睨みながら、小幅に値を下げて132.40円台を中心とする狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、1.067ドル前後で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

独ZEW景気予測指数が急低下:国際金融市場の不確実性を反映

21日に欧州経済研究センター(ZEW)が発表した3月のドイツ景気予測指数は13.0と2月の28.1から大幅に低下し、市場予想15.0も下回った。現況指数はマイナス45.1からマイナス46.5へと低下し、市場予想のZEW所長は『国際金融市場は強い圧力を受けており、銀行の収益動向の評価が著しく悪化した。保険業間の見積もりも大幅に低下している』と、予測指数がかろうじてプラスを維持しているものの警戒感を示した。

 

クレディ・スイスのAT1債保有者が法的措置を協議

スイスの金融機関大手クレディ・スイス・グループの債券保有者が法的措置を検討している。欧米に拠点を置く法律事務所クイン・エマニュエル・アークハート・サリバンが21日、UBSによる救済買収で無価値となったクレディ・スイス発行の債券「TA1債」を保有する投資家と法的措置について協議中であると発表した。同法律事務所は22日に関係者向けの電話会議を開き、スイスと米国、英国の事務所の代表が検討すべき救済手段を説明するとしている。クレディ・スイスは19日、同社の160億スイスフラン(約2.2兆円)分のAT1債の価値がセロになると発表した。クレディ・スイスを巡っては、米国の株主による集団訴訟の動きが報じられている。株主たちは同社の上方開示などに問題があり損失を被ったとしている。

 

トルコ大統領選による野党連合の協力体制に注目

トルコ大統領選に向けた動きでは、野党6党から候補に推されたクルチダルオール・共和人民党(CHP)党首は20日、国会で親クルド系の国民民主主義党(HDP)の高官と会談した。そこでCHP党首は、大統領選で自身への支持を求めた。しかしながら、野党連合では2番目に国会議員数が多い優良党は以前、HDPとは距離を起きたい意向を示しており、今後の連合の協力体制が気になる。

 

今後もさらに南ア経済は悪化する可能性

先週の14日に行われた南アフリカ準備銀行(SARB)の会合後、南アがこれまでも、そしてこれからも経済が悪化する可能性が高いことを、カシームSARB副総裁が言及した。『これまでも』というのは、今まで南アは『過去数年間は国の経済にとって目覚ましいもの』との判断をされていたが、実はその見解は間違えていたと述べている。年間約1.2%の人口増加率を考えると、生活水準は2014年以降平均して低下し続けていることを示唆しているとカシーム氏は発言している。また、今後についても基本的なインフラストラクチャー、特に電力の広範囲にわたる障害で今後3年間で0.3%、0.7%、1.0%の成長率しか期待できないとの予想を立てている。電力不足に関しては2021年に48日だった負荷制限が、昨年は157日、そして今年は250日になるとの予想した。この250日というのは1月にSARBの金融政策委員会(MPC)が予想を立てた200日を大幅に上回る日数となっている。経済成長率も200日をベースに予想を立てていることで、50日も増えることで、成長率予想も引き下げることが既定路線になる。今後の南ア経済の回復はまだまだ先になる。

 

米2月中古住宅価格は11年ぶりに低下

全米不動産業協会(NAR)が21日発表した2月の中古中t買う販売戸数は年率換算で前月比14.5%増の458万戸だった。ダウ・ジョーンズがまとめた予想中央値420万戸を上回った。2月の販売価格中央値は36万3000ドルと、前年同月比0.2%低下した。価格低下は約11年ぶりとなった。

 

FOMCの0.25%利上げ予想が優勢:インフレとの戦いは継続

米連邦準備理事会(FRB)は22日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を発表する。米市場では0.25%の利上げを続け、政策金利を4.75~5.00%に引き上げるとの予想が優勢である。シリコンバレーバンク(SVB)など相次ぐ米銀行の破綻を受け、金融システムの安定に考慮し、引き締めに慎重にならざるを得ない。市場では少数派だが、政策金利を据え置くとの見方もある。ここ2週間で市場の見方は大きく揺れ動いた。パウエルFRB議長が7日の米議会証言で、データ次第では「利上げのペースを加速する用意がある」と踏み込んだことで0.5%利上げの予想が広がった。だが、SVBの破綻後は0.25%の利上げにとどめるとの見方が増えた。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の『フェドウオッチ』によると、21日午後の時点で0.25%利上げ予想は80%を超えている。

 

欧米市場イベント

○16:00   2月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.6%/前年比9.9%)
○16:00   2月英CPIコア指数(予想:前年比5.7%)
○16:00   2月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.6%/前年比13.3%)
○17:00   2月南アフリカCPI(予想:前月比0.6%/前年比6.9%)
○17:30   ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○17:45   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○18:00   1月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○18:30   レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:30   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○21:00   ウンシュ・ベルギー中銀総裁、講演
○22:45   パネッタECB専務理事、講演
○23:30   EIA週間在庫統計
○23日02:00   ナーゲル独連銀総裁、講演
○23日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:4.75-5.00%に引き上げ)
○23日03:00   FOMC、経済・金利見通し発表
○23日03:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○23日06:30   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:13.75%で据え置き)
○英中銀金融政策委員会(MPC)

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