FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:投資家の警戒感は払しょくされず売り優勢に

UBSによるクレディ・スイス買収合意で欧米での金融システム不安はやや後退したが、投資家の警戒感は払しょくされず東京市場では幅広い銘柄に売りが出た。ドル/円がやや円高に振れていることも、自動車などの輸出関連株の重しとなった。指数寄与度の大きい銘柄の一角が下げ幅を拡大しているほか、銀行株が軟調で、指数の重しとなった。結局、前営業日比388円安の2万6945円で終了した。

 

東京外国為替市場:持ち高調整もあり131円台後半でもみ合いの展開

ドル/円は、オセアニア市場では、経営不安が高まっているスイス大手銀行の買収に関する報道を好感したドル買い・円売りが先行、131円台後半から132円台前半へ水準を切り上げた。東京市場では、仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、132.65円付近へ上昇した。米金融政策の影響を受けやすい米2年債利回りが上昇したこともドル買い戻しにつながった。ただ、先週末のNY市場でつけた高値132.74円に接近すると上げは一服した。仲値発表後は21~22日に開かれる米連邦公開市場員会(FOMC)を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いで132円台前半へ下落した。午後は米長期金利上昇一服を眺めたドル売り・円買いに押され、132円を割り込んで131.70円付近へじり安となった。日経平均株価の下げ幅拡大の下げ幅拡大で、リスク回避姿勢が強まったことも円買いを誘った。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きもも見られ、値を切り返して131.90円台を中心とする狭いレンジでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、この後に参入してくる欧州勢待ちの様相を呈しており、1.0675ドルを挟んで小動きに終始した。

 

米ドル流動性供給を拡充するための中央銀行の協調行動

カナダ銀行・イングランド銀行・日本銀行、欧州中央銀行、米国連邦準備制度およびスイス国民銀行は、本日、米ドル・スワップ取極を通じた流動性供給を拡充するための協調行動を公表することとしたと日本銀行が発表した。スワップ取極を通じた流動性供給の有効性を高めるため、現在米ドル資金供給を実施している中央銀行は1週間物の米ドル資金供給の頻度を週次から日次に引き上げることに合意した。

 

23日トルコ中銀の金融政策に注目:据え置きの予想

トルコでは23日、中銀が金融政策を発表している。前回会合では大地震による経済ダメージを緩和するために、トルコ中銀は0.5%の利下げを決定した。ただ声明では十分な引き下げ幅であるとし、追加緩和については言及していない。今のところ、主要政策金利は8.5%で据え置かれると予想され、市場へのインパクトも薄いと見込まれる。
2月にトルコ南部を襲った2回の大地震による損害では、トルコ財務省の報告書によれば総額2兆リラ(約14兆円)に達するようである。そのうち1.6兆リラが、建物や住居、工場や機械設備への直接的な被害とされた。残りが、緊急救援やがれき撤去活動のコスト、保険金の支払いや収入の損失によるもの。2兆リラは今年のトルコ国民所得で予想される9%に迫る金額とされた。

 

メキシコ自動車販売台数は依然好調

メキシコの国立統計地理情報院(INEGI)が発表した2月の自動車統計で、国内販売台数は10万1911台と前年同月比で+28.0%となったことが分かり、1月に続き、好調な販売を継続していることが分かった。月別で見ると、季節的要因が影響した昨年12月を除くと2021年1月以降で最も多い販売台数。前年同月比でみても2021年6月以降の高水準となった。この好調な数値の背景には、足元の国内需要が回復基調にあること、在庫水準が以前よりも改善されていることが挙げられるとされており、メキシコ自動車工業会(AMIA)のオドゥラシル・バルケラ会長は『引き続き自動車サプライチェーンの状況が改善されており、それが自動車の供給力向上に寄与している』と自信を示した。

 

南アでは2月CPIが注目

南アからの経済指標では、2月の消費者物価指数(CPI)に注目が集まる。市場予想は、前年比では低下、前月比では前回から上昇が見込まれている。同月に南ア基準エネルギー価格が上がったことなどが前月比が上振れる一因である。インフレ高進を市場はポジティブな要因と捉えづらいと思われ、予想比よりCPIが高かった場合はランドの上値を抑えることになる。

 

米ミシガン大消費者態度指数は4カ月ぶりに低下:US Dashboard

米ミシガン大学17日に発表した3月の消費者態度指数は63.4と、前月の67.0から3.6ポイント低下した。前月比マイナスは4カ月ぶりで、市場予想の67.0を下回った。調査はシリコンバレーバンク(SVB)が破綻する前に約85%が終了している。SVB破綻前から消費者心理は低下しており、足元の景況感は一段と悪化している可能性がある。1年先の物価の見通しを示す予想インフレ率は3.8%と、2021年4月以来、5年債の予想は2.8%と22年9月以来の低水準となった。調査担当者は「金融市場の混乱が続いており、米連邦準備理事会(FRB)による金融政策の不透明感から、インフレ期待は今後数か月間、不安定になる」と述べていた。

 

欧米市場イベント

○16:00   2月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比▲0.5%)
○19:00   1月ユーロ圏貿易収支
○23:00   センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○23:00   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○メキシコ(ベニート・フアレス生誕日)、休場

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