FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:買い一巡後は戻る待ちの売り

米銀の経営破綻による影響や米インフレへの過度な警戒感が和らぎ、幅広い銘柄が買われた。ただ、市場の警戒感は払しょくされたわけではなく、買い一巡後は戻り待ちの売りが上値を抑えた。前日まで下げがきつかった銀行株や保険株、鉄鋼株などが堅調。米ハイテク株高となる中、半導体関連や電子部品は総じてプラスだった。一方、前日に買われた鉄道株は売られた。大引け前に一時100円超安となる場面もあった。前日比7円高の2万7229円と4営業日ぶりに小幅反発して終了した。信用評価損益率は10日申し込み時点でマイナス9.24%と、前週のマイナス9.21%からマイナス幅が0.03ポイント悪化した。悪化は2週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:米経済指標待ちで134円台半ばでもみ合い

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りが先行し、134.60円まで値を上げた。ただ、米金融システムに対する懸念が根強く、積極的な上値追いは手控えられた。その後は、米長期金利低下がドル売り要因となり、134.05円付近まで下落する場面があった。午前11時に中国国家統計局が発表した1~2月期の鉱工業生産と小売売上高は、ほぼ予想通りの数字だったこともあり、ドル/円相場への影響は限られた。午後は、低下していた米長期金利の持ち直しを眺めたドルの押し目買いが入り、134.60円台へじり高となった。今晩発表される2月米卸売物価指数(PPI)や2月米小売売上高を控えた持ち高調整のドル買い・円売りも観測された。ユーロ/ドルは、高値警戒感から利益確定や持ち高調整のユーロ売り・ドル買いに押され、1.0730ドル台へじり安となった。

 

製造業景況感は3カ月ぶりの改善:3月のQUICK短観

QUICKが15日発表した3月の短期経済観測調査(QUICK短観)で、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は製造業がプラス6と、前月から2ポイント改善した。3カ月ぶりの改善となった。景況感が『良い』と答えた企業の割合から『悪い』との答えの割合を引いて算出する。素材業種が前月比6ポイント高いゼロ、加工業種は同2ポイント低いプラス8だった。非製造業の業況判断DIは前月比5ポイント高いプラス28と2カ月ぶりに改善し、金融機関を含む全産業は3ポイント高いプラス18だった。3カ月後の先行きは製造業がプラス5と現状より悪化の見通しで、非製造業はプラス19、全産業はプラス13といずれも悪化を見込む。販売価格が『上昇している』と答えた企業の割合から『下落している』の割合を引いて算出する販売価格DIは、製造業がプラス49と前月から7ポイント上昇した。非製造業はプラス41と同11ポイント上昇し、データを遡れる2008年1月以来の最高を更新した。仕入れ価格の判断DI(仕入れ価格が『上昇』との割合から『下落』を引いた値)は、製造業が前月比1ポイント高いプラス72、非製造業は6ポイント高い71だった。消費者物価指数(CPI)の上昇率見通しは、1年後が平均で前年比2.1%と2月調査から横ばいだった。2年後以降の上昇率は前回から0.1ポイント高い2.1%だった。特別調査では、コスト上昇分を販売価格にどの程度、転嫁できているかを尋ねた。「一部を転嫁できている」と回答した企業が132社と全体の61%を占めた。「転嫁できている」が18%、「ほとんど転嫁できていない」が14%だった。QUICK短観は上場企業を対象に毎月実施し、3月調査の回答期間は3月1日~10日で、金融機関を含む252社が回答した。

 

南アフリカでは小売り売上高が発表

本日は南アからは小売売上高が発表される。市場では前年比では2%程度の落ち込みを予想している。食料品インフレが依然として高い水準なこともあり、小売りが回復するのはまだまだ難しい状況になりそうである。

 

SVB経営者が破綻前に株売却:司法省とSECが調査

米WSJ紙は14日、米司法省と証券取引委員会(SEC)がシリコンバレーバンク(SVC)の破綻を調査していると報じた。ベッカーCEOは2月27日にオプションを行使し230万ドル(約3億1000万円)を取得、ベック最高財務責任者(CFO)は同じ日に57万5000万ドル(約7735万円)相当の自社株を売却している。ベッカーCEOは破綻前の投資家会議で楽観的な見通しを示していたと伝えた。

 

0.25%利上げ観測を支持:US Dashboard

14日に発表された2月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.0%上昇と1月の6.4%上昇から伸びが鈍化した。市場予想の6.0%と一致し、65を超えるのは1年5カ月連続で依然として高水準だが、2022年6月の9.1%上昇とした鈍化傾向が8カ月続く。前月比でも0.4%上昇と市場予想に一致し、1月の0.5%上昇から鈍化した。前月比での上昇に最も寄与したのは、CPI全体の3割強を占める家賃などの『住居費』が同0.8%上昇したことである。前年同月比でも8.1%上昇した。変動の大きいエネルギーと食品を除くコアCPIも前年同月比5.5%上昇と市場予想と一致し、1月の5.6%上昇から鈍化した。CPIの鈍化傾向の継続は米連邦準備理事会(FRB)による早急な大幅利上げは必要ないと示す一方、粘着性の強い住居費の上昇基調継続は利上げ姿勢維持の必要性を示す。米中堅・地銀の破綻による先行き不透明感を除けば、0.25%利上げの正当性を示す内容と言える。

 

2月CPIは市場に利上げ終了という『根拠のない見解』を再考させた:エバコア

米労働省が14日発表した2月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.0%の伸びとなり、FactSetがまとめた市場予想に一致した。前月比では、食品とエネルギーを除くコアCPIが0.5%の上昇と、市場予想の0.4%上昇を上回り、前月0.4%上昇から加速した。エバコアISIは14日付リポートで、米インフレ率は引き続き高水準で推移しており、シリコンバレーバンク(SVB)による破綻が米連邦準備理事会(FRB)の利上げを終了するという『根拠のない見解』を市場に最高させたと指摘した。足元のインフレデータは米労働環境とともに、米経済の過熱を示唆していると指摘した。FRBは金融安定化のツールを用いて銀行システムの不安定さを迎えると同時に、インフレに対処するため利上げを継続するとの見方を示した。エバコアはSVBの破綻を受けてFRBの利上げペースは緩やかになるものの、より長期間にわたる25bpの利上げを経て政策金利は5%台後半まで上昇する可能性を挙げた。

 

米国市場では2月小売売上高が公表:予想は前月比+0.3%

1月実績は+3.0%の高い伸びを記録した。自動車・同部品、フードサービスが高い伸びを記録した。社会保障費の調整増などが要因となった。2月については1月に増加した反動で小幅な伸びにとどまる見込みである。

 

欧米市場イベント

○16:00   2月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.9%/前年比11.7%)
        コア指数(予想:前月比0.7%/前年比9.2%)
○16:00   2月独卸売物価指数(WPI)
○16:45   2月仏CPI改定値(予想:前月比0.9%/前年比6.2%)
○19:00   1月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比0.4%/前年比0.2%)
○20:00   1月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比▲2.0%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:15   2月カナダ住宅着工件数(予想:22.00万件)
○21:30   2月米小売売上高(予想:前月比▲0.3%/自動車を除く前月比▲0.1%)
○21:30   3月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:▲8.0)
○21:30   2月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.3%/前年比5.4%)
       食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.4%/前年比5.2%)
○23:00   1月米企業在庫(予想:前月比横ばい)
○23:00   3月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:40)
○23:30   EIA週間在庫統計
○16日05:00   1月対米証券投資動向
○16日06:00   ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、イベントに参加

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