FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:金融システムへの警戒感強く売り優勢に

米銀の破綻が続いたことを受け、市場は金融システムへの波及を警戒、リスク回避の売りが膨らんだ。プライム市場の値下がり銘柄が9割を超えるほぼ全面安の展開となった。とりわけ下げがきつかったのが銀行株や保険株など金融セクターだった。円高が嫌気された輸出関連株も軟調だった。結局、前営業日比610円安の2万7222円と3日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:米2年債利回り上昇でドル底堅い展開

ドル/円は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、133.20円を挟んでもみ合いが続いた。仲値発表後に、米2年債利回り上昇を眺めたドル買いが持ち込まれ、133.95円近辺へじり高となった。このところ下げ基調が続いていたため、利益確定や持ち高調整のドル買い・円売りが入りやすい面もあった。ただ、米金融システムに対する懸念が払しょくされていなことから、上値ではドル売り・円買いも見られて133.70円付近へ緩んだ。午後のドル/円は、米2年債利回りが一段と上昇したことからドル買い・円売りが再燃、一時134.90前後で取引された。米2年債利回り上昇がドル買いを誘い、1.0695ドル近くへ値を下げる場面があった。

 

米銀SVBとシグネチャーの株・債券をGPIFが保有

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、経営破綻した米銀行シリコンバレーバンク(SVB)などの関連株式や債券を2022年3月末時点でおよそ550億円保有している。運用資産額(196兆円)に占める割合は益0.03%となる。GPIFが公表している保有全銘柄の資料によると、SVBフィナンシャル・グループの株式を益238億円、債券を益299億円保有している。シグネチャー・バンクの株式を約114億円保有する。

 

南アでの警察官のストライキで治安が乱れる可能性

今週は明日15日に南アの小売売上高の発表があるが、市場が米金融機関の破綻余波がどの程度広がるかを確認するまでは、神経質な値動きのままになりそうである。なお、南ア警察組合(SAPU)は 組合員に対し、3月17日に全国規模のストライキに着手するよう呼びかけている。給与要求が満たされるまでストライキを行うと宣言しているが、警察官のどれくらいの割合がストライキに参加するかはまだ判明していない。もし、多くの警察官が参加した場合は、治安の乱れが予想される。

 

SVB破綻で広がる米利上げ打ち止め観測:US Dashboard

シリコンバレーバンク(SVB)など米銀が相次いで経営破綻したことを受け、米連邦準備理事会(FRB)など金融当局は、破綻した銀行の預金の全額保護と米銀に対する資金供給プログラムの新設を決めた。市場でFRBの利上げ打ち止め観測が広がっている。米金利先物の動きから米政策金利を予想する『Fedウオッチ』では日本時間14日午前6時現在、21~22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅が0.25%となる確率が約6割、利上げ見送りが約4割となっている。2023年央の利下げ転換を見込み、年末の政策金利見通しは4%を下回った。一時は5%台半ばまで上昇していた最終的な利上げの到達点(ターミナルレート)も4%台後半に低下している。

 

株エクスポージャー拡大意向が2週連続で過去最低を更新:JPモルガンの顧客

JPモルガンが顧客を対象に毎週行っている調査によると、今後数日~数週間で株式エクスポージャーを拡大すると答えた比率は前週の30%から29%に低下し、2週連続で過去最低を更新した。現在の株式のポジショニングについて、過去平均の40~50パーセンタイルと答えた23%と最も多く、次点は30~40パーセンタイルと20~30パーセンタイルの19%だった。JPモルガンは経済が減速し、資金調達コストが上昇するすることで、低金利時代に拡大したキャリートレードがすべて解消を迫られると指摘。現在はサイクル終焉段階であると考えられることから、リスク資産に対して引き続き弱気の見方を示している。

 

ターミナルレート予想を引き下げ:ドイツ銀行

ドイツ銀行は13日付リポートで、米連邦準備理事会(FRB)による政策金利の最終到達点(ターミナルレート)予想を5.625%から5.125%に引き下げた。10日以降相次いだ米銀の破たんを受け、銀行貸し出し態度が今後急激に引き締まることが予想されると指摘。これにより、ほかの条件が同じであった場合、ターミナルレートが低くても十分な引き締めが達成できると見込んだ。3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では25bpの利上げが行われるとしたが、政策金利据え置きとは『僅差の勝負』であるともした。また、同リポートではFRBの今後の政策見通しに大きな不確実性がある一方、早ければ年末までに緩やかな景気後退入りするとの確信を強めるものとの見方も示した。

 

米国市場では2月消費者物価コア指数:予想は前年比+5.4%

1月実績は前年比+5.6%だった。外食、中古車、新車の伸び率が鈍化したが、住居費の伸び率は高止まり。2月については財の伸び率は鈍化が予想されているが、サービスの伸び率は高止まりが予想されており、コアインフレ率は5%超となる可能性が高い。

 

欧米市場イベント

○16:00   2月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○16:00   11-1月英失業率(ILO方式、予想:3.8%)
○16:30   2月スイス生産者輸入価格
○21:30   1月カナダ製造業出荷(予想:前月比3.9%)
○21:30   2月米消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%/前年比6.0%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.4%/前年比5.5%)
○欧州連合(EU)財務相理事会

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