FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:中国景気の回復期待が支援して底堅く推移

前日の米ハイテク株安を受けて指数寄与度の高い半導体銘柄が売られた一方、バリュー株(割安株)には買いが入り指数を下支えした。中国景気の回復期待も投資家心理を支援した。市場では、バリュー株や高配当株が買われ、今日の日本株はしっかりと推移しているとの指摘が聞かれた。中国経済の回復期待も根強く、鉱業や繊維関連は引き続き強いとの見方を示した。足元の急伸で投資家心理が強気に傾いているなか、先行観を背景とした短期筋の買いが株価指数先物に入り、相場を押し上げた。

 

東京外国為替市場:手掛かり材料難から136円挟みの値動き

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などがドル買い・円売りを持ち込み、136.10円付近へじり高となった。日経平均株価の上げ幅拡大で、リスク選好が高まったことも円売りを誘った。仲値後も、ドル買い・円売り基調は続いて一時136.17円程度まで上昇した。ただ、今週はパウエルFRB議長の議会証言、日銀金融政策決定会合、2月米雇用統計などの重要イベントが控えていることもあり、上値を追う動きは限られた。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、一時135.83円付近まで下落した。午後のドル/円は、手掛かり材料難から積極的な売り買いは見送られ、136.00円挟みで小動きとなった。今晩予定されているパウエルFRB議長の議会証言を前に、様子見ムードが広がっている。ユーロ/ドルは、1.06ドル台後半で方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ちの様相を呈している。

 

6日時点推計のSQ予想:148万株程度うの売買・買い越しか

株価指数先物・オプション3月物は10日、特別清算指数(SQ)算出を迎える。SQ算出に関連した10日寄り付きの現物株式の売買注文は、『日経平均株価』の裁定取引関連で採用1銘柄あたり148万株程度で買い越しそうだ。3日時点の建玉と6日の手口をもとに主要証券会社の現物株の売買を須惠した。SQ算出の寄り付きに現物株の買いが目立つとみられる証券会社はABNアムロ(66万株)、ソシエテ・ジェネラル(30万株)、シティグループ(19万株)など。一方、売りが想定されるのはHSBC(60万株)、みずほ(24万株)、BofA(23万株)など。大阪取引所が開示している証券会社別の建玉と売買手口をもとに、先物のポジションやオプションのデルタ(先物に対する感応度、プラスの1単位が先物1枚の買いにあたり、マイナスは売りを示す)を計算した。先物の売り建てやそれに相当するオプションのポジションは『先物売り・現物株買い』の裁定取引になっていると想定。この場合、SQ算出時には先物などが清算され、現物株には売りが出るとみなした。逆に先物の買い建ては現物株買いにつながるとみなした。

 

ユーロ圏の投資家心理が反落:センティックス

独調査会社Sentix(センティックス)が発表した3月のユーロ圏の投資家信頼感指数はマイナス11.1と2月のマイナス8.0から3.1ポイント低下した。2022年10月のマイナス38.3以降、4カ月連続で改善していたが反落した。今後6カ月でユーロ圏の経済が悪化すると予想する期待指数が、マイナス13.0ポイントと前月比で7ポイント急反落した。現況指数は前月比0.7ポイント上昇のマイナス9.3と5カ月連続で改善したものの、依然としてマイナスで停滞局面が続いている。例年、春先にみられる景気回復が一時的なものとなる可能性が示され、Sentixは『悲観的な見通し(期待指数)が現実となれば景気後退(リセッション)への懸念が浮上する可能性が高い。実際、中央銀行の金融政策が景気にブレーキをかけていることを忘れてはならない』と指摘した。

 

トルコでは野党6党連合による大統領選の統一候補を確立

トルコでは野党6党の連合が昨日、5月に予定されている大統領選の統一候補として共和人民党(CHP)のケマル・クルチダルオール党首を擁立することで一致した。先週末には候補者選定で分裂の危機も取沙汰されていたが、打倒エルドアンで一先ずまとまったようである。最大野党・CHPや第3野党・優良党を含む野党6党の連合は、投票まで2カ月強を残すところでやっと大統領候補を決めた。トルコ共和国建国100周年の今年、選挙結果は同国の今後を大きく左右することになる。非常に重要なイベントを控え、今後は選挙に絡んだニュースが多くなることが予想される。野党が政権を奪取した場合、トルコ中銀に独立性を取り戻させ、エルドアン大統領が進めた非正統的な金融政策が撤回される可能性は高そうである。そうなるとリラにとってはポジティブに働くと思われる。まずは世論調査の結果が注目される。

 

南アの10‐12月期GDPが公表:内閣改造による肥大化に批判

本日は南アから10-12月期の国内総生産(GDP)が発表される。同期間で停電が無かった日は僅か2日しかありませんでした。その影響もあり、前期比ではマイナス成長になるとの予想になっている。中国経済の回復期待でここ最近のランドは支えられているが、南ア自体に対する経済回復を期待する声が少ないことで、ネガティブサプライズには要警戒となりそうである。なお、南アでは昨日、内閣改造が行われた。重要ポストだけを記載すると、先週正式に国会議員を辞任したマブザ副大統領の後任として、マシャタイル氏が副大統領に就任した。昨年末の与党副代表選挙でも勝利しており、順当な結果とは言えるが、ラマポーザ大統領とは折り合いが合わないともされている。また、ラモクゴパ氏が新設の電力相に就任した。今回の内閣改造では電力相以外にも新たな新設の大臣職をつくったことで、野党からは内閣の肥大化に批判の声が集まっている。

 

米製造業新規受注は予想ほどには減らず:US Dashboard

6日に発表された1月の米製造業新規受注は前月比1.6%減と市場予想の1.9%減を上回った。民間航空機の受注が前月比で54.5%減少したことが大きく響いた。しかし、自動車は1.3%増え、機械も1.6%増、コンピューターおよび電子製品も0.6%増と、製造業の足元を固めつつある可能性が示された。企業の設備投資計画の指標とされる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注は0.8%増とプラスに転じた。国内総生産(GDP)の企業設備投資の算出に用いられるコア資本財の出荷額は1.1%増だった。

 

リセッションリスクの増大:GDPトラッカー

今週のGDPトラッカー(3月3日)は1月の建設支出、速報値の卸売業・小売業在庫、速報値製造業財出荷、マネーサプライ(M2)、2月の長・短期金利、S&P500を更新した。3月3日のGDPトラッカーは2023年1~3月期の実質GDP伸び率を支出サイドでは2.01%から0.07%へ、所得サイドでは0.15%から-0.24%へとそれぞれ下方に修正した。潜在的な真の経済成長率と考えられる両サイドからの平均実質GDP伸び率は1.08%から-0.09%へと下方に修正された。米経済はリセッションの瀬戸際にあるといってもよい。今週のGDPトラッカーはヘッドライン、コアPCE価格デフレーター、GDP価格デフレーターとすべてのインフレ指標が4%以上の伸び率となっている。もしも、2月のCPI、PPIがかなり上昇し、インフレの4%以上の伸び率が継続するとなると米経済がリセッションに入る確率が非常に高くなる。

 

欧米市場イベント

○15:45   2月スイス失業率(季節調整前、予想:2.1%)
○16:00   1月独製造業新規受注(予想:前月比▲0.9%/前年同月比▲12.5%)
○18:30   10-12月期南アフリカ国内総生産(GDP、予想:前期比▲0.4%/前年同期比2.2%)
○24:00   1月米卸売売上高(予想:前月比▲0.5%)
○24:00   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、米上院銀行委員会で金融政策や経済情勢に関する半期に一度の証言
○8日03:00   米財務省、3年債入札
○8日05:00   1月米消費者信用残高(予想:200.0億ドル)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ