FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国の利上げ再加速懸念が和らぎ米株に連れ高の展開

日経平均株価は高く寄り付いた後も徐々に上げ幅をを拡大した。米連邦準備理事会(FRB)高官のハト派寄りの発言が伝わって利上げ再加速の懸念が和らぎ、米金利上昇にも関わらず前日の米国株は上昇しており、日本株も好感する形で幅広い銘柄で買いが先行した。半導体関連や電子部品も総じてしっかりとなった。市場では、利上げ再加速の懸念が和らぎと、日銀の次期総裁候補による緩和継続への思惑もあり、グロース株にも安心感がでているとの声が聞かれた。短期筋による日経平均先物に継続的な買いが入ったほか、売り方の買い戻しなども上げに弾みを付けた。指数への寄与度が高いファストリが大幅高となったことも日経平均を押し上げた。結局、前営業日比428円高の2万7927円と約2カ月半ぶりの高値水準となった。

 

東京外国為替市場:ドル/円は136円台半ばを挟んでもみ合い相場

ドル/円は、急ピッチの上昇に対する警戒感から利益確定やポジション調整のドル売り・円買いが持ち込まれ、一時136.50円付近まで下落した。東京債券市場で新発10年国債利回りが0.505%まで上昇したことも円買いを誘った。ただ、最近発表された米経済指標が好調で、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの観測が高まっているため、下値を追う動きは限られた。その後は、日米金融政策の違いを意識したドルの押し目買いが入り、136.70円付近へ値を切り返した。午後は、週末を控えて積極的な売り買いは目立たず、136.60円台を中心とする狭いレンジで推移した。来週予定されているパウエルFRB議長の議会証言、日銀金融政策決定会合、2月米雇用統計などの重要イベントを前に、様子見ムードが広がった。ユーロ/ドルは、週末を控えた利益確定や持ち高調整のユーロ買い・ドル売りが一巡すると、1.0610ドルを挟んで方向感に欠ける値動きとなった。

 

米利上げ加速で円キャリー余力拡大

電子ブローキングシステム(EBS)データによれば、次期日銀候補の植田氏の衆院での所信聴取が終わった2月27日以降、円相場の高値と安値の差は平均で1日当たり1円程度と2月中の平均(1.54円程度)より縮小傾向にあるが、軌を一にして外貨との間での金利差を得ることを主目的とする円キャリー取引の拡大が市場で話題となっている。
日銀はCPI上昇率が23年度半ばにかけ2%を下回る水準に低下するとみており、足元のインフレについて黒田総裁は2月、「輸入物価が主導し近くピークを付ける」と指摘、大規模な金融緩和の早期修正論が後退の一途にある一方、米景気堅調に伴いFRBの利上げ長期化観測が強まり、日米金利差拡大に伴う円キャリートレード余力の拡大論が物議を醸している。

 

トルコの1月CPIは反応薄見込み:外貨準備高の枯渇への懸念に注意

日本時間16時には1月トルコ消費者物価指数(CPI)が発表される。市場は前月比で3%台、前年比では55%台と前回から減速を予想している。前年比では昨年10月に記録した85%台から低下基調ではあるが、依然として物価水準としては高いままである。このレベルでインフレ率が上下どちらに振れようとも、市場へのインパクトは薄いとする見方が大勢である。なおトルコ中銀が昨日発表した2月24日時点のネット外貨準備高は、202億ドルと前週から14億ドル減少している。3週連続の縮小であり、同月3日時点から約25%の減少率となっている。金融当局はリラ買いドル売り介入を継続せざるを得ず、今後は準備高枯渇への懸念が再び高まってしまうかもしれない。

 

南アランドは中国経済の回復が下支え

昨日の中国株式市場は3日ぶりに小反落したとはいえ、ここ最近の中国経済の回復がランドの支えになっている。南アにとっては中国が最大の通商パートナーであることで、このまま中国の景気回復が軌道に乗れば、ランドにとっては数少ないポジティブな要因となる。南アの内閣改造で注目されている電力相ですが、与党アフリカ民族会議(ANC)はこの1週間のうちに発表すると会見で述べている。

 

メキシコではインフレ減速に予想以上の時間がかかっているとの見解

メキシコ銀行(中央銀行)は昨日に公表した四半期インフレレポートにおいて、『インフレ減速に予想以上の時間がかかっている』との見解を示した。これに伴って2023年10-12月期のインフレ率見通しを4.9%と従来の4.1%から上方修正した。中銀のインフレ目標(3%±1%)レンジに収まる時期も後ずれしており、今後はさらにメキシコの金利先高観が高まる可能性もある。

 

米失業保険申請件数は2週連続で減少:US Dashboard

2月19~25日の週間の米新規失業保険申請件数は前週比2000件減の19万件と市場予想の19万7000件を下回った。2週連続の減少で、7週連続で20万件を割り込んだまま、米雇用市場の強さを示した。季節調整前の数値でも20万1710件と前週比で9297件減った。一方、4週間移動平均は前週比1750件増の19万3000件だった。

 

CDSの米国債デフォルト率が年初から急上昇:MSCI

米国債券市場で債務不履行(デフォルト)への警戒が高まっている。デフォルトに備えるデリバティブ、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の保証料率が年初から上昇する中、MSCIは2日付のブログで「市場は、米国政府の債務不履行の可能性に反応している」と指摘。2011年や13年にも米債務上限を巡りCDSのスプレッドが急上昇した例に触れつつ、CDSスプレッドから求める米国債(1年物)のデフォルト確率について「95%の回収を前提とすると、2月24日時点のCDS市場の1年物インプライド・デフォルト確率は11.3%となり、年初時点の3.3%から大幅上昇した」とも指摘。債務上限が到来するとみられる夏場に向けてCDSの取引が増加すると見込まれる中、「米国政府による潜在的なデフォルトの影響は、米国債保有者への直接的な影響を超えている。市場の大きな混乱と経済活動の急激な減速は、どちらも現実的は可能性がある」との認識を示した。

 

米国市場では2月のISM非製造業指数が公表:US Dashboard

市場予想では54.5と1月の55.2から低下が見込まれるが、好不況の節目である50は上回りそう。一方、2日に発表された米製造業景況感指数は47.7と前月から小幅に改善したものの、4カ月連続で50を下回った。サービス業と製造業の景況感の格差は広がったままである。製造業の仕入れ価格の水準を示す価格指数は前月から大幅に上昇し、昨年9月以来の高水準となった。インフレ圧力の根強さが意識され、米長期金利は4%台に乗せた。サービス業の価格指数は鈍化傾向にあるが、1月時点で67.8と高水準を維持している。50割れなど明確な鈍化が示されない限り、サービス業の好調さが改めて意識され、米連ぷ準備理事会(FRB)の利上げ長期化への警戒感はさらに強まる。10日発表の米雇用統計に関心が集まる。

 

欧米市場イベント

○16:00   1月独貿易収支(予想:110億ユーロの黒字)
○16:00   2月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比3.35%/前年比55.50%)
○16:45   1月仏鉱工業生産(予想:前月比0.1%)
○17:00   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○17:30   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○17:50   2月仏サービス部門PMI改定値(予想:52.8)
○17:55   2月独サービス部門PMI改定値(予想:51.3)
○18:00   2月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:53.0)
○18:00   バスレ・スロベニア中銀総裁、ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○18:30   2月英サービス部門PMI改定値(予想:53.3)
○19:00   1月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.3%/前年比17.7%)
○22:30   1月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比1.5%)
○22:30   10-12月期カナダ労働生産性指数
○23:45   2月米サービス部門PMI改定値(予想:50.5)
○23:45   2月米総合PMI改定値
○24:00   2月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:54.5)
○4日01:00   ローガン米ダラス連銀総裁、あいさつ
○4日02:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、あいさつ
○4日02:00   ウンシュ・ベルギー中銀総裁、講演
○4日05:00   ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、パネル討論に参加
○米独首脳会談(ホワイトハウス)

 

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