FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国利上げ継続懸念が嫌気され連れ安の展開

前日の米国市場では、強い経済指標を受けて利上げ継続の懸念が強まって株安となっており、嫌気する動きが先行した。米国の利上げ継続懸念が強まる中、本日のFOMC議事要旨が発表される。市場予想を上回る米雇用統計が会合後に発表されており、議事要旨は参考程度にとどまるとの見方はあるものの、米金利の反応は確認する必要がと警戒感する声も聞かれた。東京市場では、運用リスクを回避する売りが広がり、下げ幅は一時400円を超えた。結局、前営業日比368円安の2万7104円と続落して終了した。信用評価損益率は17日申し込み時点でマイナス9.89%と、前の週のマイナス10.32%からマイナス幅が0.43ポイント縮小した。改善は2週連続となる。

 

東京外国為替市場:手掛かり材料難から134円台後半でもみ合い

ドル/円は、日経平均株価の大幅安リスク回避の円買いを誘い、134.65円付近へ軟化した。前日の海外時間に約2カ月ぶりの高値135.23円を付けた反動で、利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いが入りやすい面もあった。その後、仲値にかけて本邦輸入勢のドル買い・円売りに動き、134.80円台へ値を戻した。仲値発表後は、東京債券市場で新発10年物国債利回りが0.505%へ上昇するとドル売り・円買いが再燃、一時134.55付近までじり安となった。ただ、田村日銀審議委員が『現時点では金融緩和の継続が適当』『長期金利の変動幅拡大、金融引き締めを企図したのではない』と発言したことから円買いは続かず、134円台後半へ切り返した。午後は、手掛かり材料難から積極的な売り買いは目立たず、134円台後半で小動きが続いた。日本時間23日未明に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を前に、様子見ムードが広がっている。ユーロ/ドルは、1.0650ドル台を中心とする狭いレンジで推移した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

独ZEW景気予測指数は5カ月連続で改善:景気後退の懸念の緩和示す

21日に欧州経済研究センター(ZEW)が発表した2月のドイツ景気予測指数は28.1と前月比で11.2ポイント上昇し、市場予想23.0を上回った。5カ月連続で改善し、ロシアによるウクライナ侵攻以降で最高水準となった。現況指数も前月比13.5ポイント上昇のマイナス45.1と市場予想のマイナス49.0を上回った。ドイツ経済について現状は低水準で推移しているものの、6カ月以内には回復すると予測(期待)する回答者が多かったことが示され、景気後退懸念は緩和している。ZEW所長は『予測指数の上昇は前月と同様に、消費関連部門に加えてエネルギー部門と輸出関連部門でも増益期待が高まったためだ』と分析した。

 

トルコの地震で再び外貨準備高の枯渇問題が浮上する可能性も

明日にトルコ中銀の金融政策発表を控えていることもあり、様子見ムードも広がっている。市場では、明日の中銀・金融政策委員会(MPC)で利下げ決定を見込む向きが増えてきている。近代トルコで最悪となった地震被害を金利面から支える必要は確かにある。もっとも、金利は十分に低いとして据え置きを予想するアナリストもいるように、コンセンサスは取り難いというのが実情である。なお、昨日もリラは対ドルで地合いは弱いままである。ただリラ下落が加速せずになんとか踏みとどまっているのは、トルコ金融当局がリラ買いドル売り介入を実施している。一部通信社が市場筋の話しとして報じたところによると、地震が起きた6日からの2週間で約70億ドルが費やされたとされている。このままでは、再び外貨準備高の枯渇問題が持ち上がるかもしれません。

 

南アの本日発表の予算案に注目

南アでの最大の話題は電力の負荷制限がステージ8まで引き上げられる可能性が高まっている。発電所の性能を計るエネルギー利用率は、昨日時点で53%で、国営電力会社エスコムが3月までに60%に達するという目標も相当厳しい状況である。大規模停電を行ったのにもかかわらず53%までしか利用率が上がらなかったことが、深刻さを物語っている。その中で注目されるのが、本日の南ア予算案である。ゴドンワナ南ア財務相は予算案公表の中で5分間にわたって電力問題について説明をすると、報じられている。政府がエスコムの4000億ランドの債務のうち、3分の2を引き継ぐと発表してから4カ月経過しているが、この間に金額、条件、譲渡の仕組みなどが全く伝わっていない。もし、今回の予算案で、債務譲渡について言及がない場合は、投資家の南ア離れが一層進むとの声が高まっている。2月に入り南ア債は約5.5%下落し、他の新興国市場の平均2.1%下落よりも大幅に売られている。この間に南ア10年債利回りは11.31%まで上がり、昨年12月2日以来の水準まで上昇している。予算案では、市場が満足できることを発表することが出来るのかに注目が集まる。

 

メキシコではリチウム資源国有化で批判必至

ロペスオブラドール大統領が先週末、リチウム資源の国有化に関する責任をエネルギー省に引き渡す大統領令に署名した。これにより、現在、複数の外国企業が保有するリチウム鉱床の開発を目的とした採掘利権をめぐる処理をエネルギー省が担当することになった。大統領は『ロシアや中国、米国からの外国人に搾取されないようにするために国有化した。今後、採掘利権などを抜本的に見直す』と述べた。米国をはじめとした海外企業からの批判は必至とみられており、動向を注視する必要がある。

 

カナダCPIは鈍化で利上げ停止の方針と合致

21日に発表された1月のカナダ消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.9%上昇と市場予想6.1%上昇を下回った。2022年12月の6.3%上昇から鈍化し、22年6月8.1%上昇をピークとしたインフレ鈍化の基調が続いた。カナダ銀行(中央銀行)は1月の会合で0.25%の利上げを決定する一方、予測通りインフレが緩和する限りさらなる利上げが控えると発表しており、利上げ低下の可能性が高まったとみる市場参加者が増えそうである。

 

米中古車価格指数が3カ月連続上昇:ゴールドマン

米中古車オークション大手マンハイムが提供する1月のマンハイム米中古車価格指数(1995年=100)が15日時時点で前月比4.1%上昇して234.0となった。前年同月比では7.3%下落したことになるが、3カ月連続で前月比で上昇した。ゴールドマン・サックスう証券は22日付のリポートで、中古車価格に前月比で持ち直しの兆しが出ていることは悪いことではないとの見解を示した。リポートでは、新車から中古車へのトレードダウンが起きている可能性もあるとしながら、『中古車価格の持続的な上昇トレンドとは言えないだろう』と指摘した。その上で、半導体不足が徐々に改善し、新車の在庫水準が適正化する年央に向けて中古車価格は正常化に向かうとの同社見解を維持した。

 

欧米市場イベント

○16:00   1月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比1.0%/前年比8.7%)
○16:45   2月仏企業景況感指数(予想:102)
○17:30~   10-12月期香港GDP確定値
○18:00   2月独Ifo企業景況感指数(予想:91.2)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○23日01:00   10-12月期ロシア国内総生産(GDP)速報値(予想:前年比▲4.6%)
○23日03:00   米財務省、5年債入札
○23日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月31-2月1日分)

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